大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

今冬の厳寒はラニーニャ現象なのか―「温暖化」はどうした

2011年01月20日 19時04分17秒 | 地球環境

 気象庁によると(読売新聞1月17日),昨年12月から続いている日本列島の厳寒はラニーニャ現象によるものだそうです。ラニーニャ現象とは,太平洋赤道域の日付変更線付近から南米ペルー沿岸にかけての広汎な海域で海面水温が平年値よりも低くなってその状態が1年程度続く現象で,ラニーニャ現象が発生すると世界的な気候変動を引き起こすと考えられています。ラニーニャ現象の反対の現象がエルニーニョ現象であり,この2つの現象は近年よく知られるようになっています。(気象庁ホームページhttp://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.html参照)
 ラニーニャ現象あるいはエルニーニョ現象が発生した際の発生のメカニズムあるいは発生時の気候変動との関連もかなり説明できるようにはなってきました。しかしこれはあくまでも「発生したときの」メカニズムあるいは状態であって,「発生を予測できる」わけではないのです。
 はっきり云えば,これらの現象が「何時起こるか」はいぜんとして不明のままなのです。これらの現象に関する過去の気象庁の発表も,「ラニーニャあるいはエルニーニョ現象が発生した模様である」としているに過ぎません。現象が発生したことが確認されれば,あとは過去の経験としての知識から,今年は厳冬であるとか暖冬であるとか付け足せば済むのです。ですからラニーニャ現象の発生時期も持続期間も判らないわけで,「かも知れない」「ようである」の領域なのです。
 そしてこの読売新聞の記事には「地球温暖化」が関与しているとは一語たりと書いてありません。気象庁のホームページも同様です。
それはそうです。ラニーニャ現象あるいはエルニーニョ現象に関与しているのは海水温であって,大気中の二酸化炭素それも近代の工業化により発生したと「温暖化論者」が主張する地球温暖化は関与していないのです。
 海水と大気の密度の差を考えれば当然です。海水中の原子分子が保有する熱エネルギーの量は,大気中の原子分子が保有する熱エネルギーの量から見れば桁違いなのです。エルニーニョ現象の際に海水が運ぶあるいは奪うエネルギーの量は,大気中の原子分子が運ぶあるいは奪うエネルギーの量とは比較にならないほど違うのです。海水のエネルギーのほうが圧倒しています。
 その海水を動かしているものが何か,そのメカニズムが何かが判らなければ,ラニーニャやエルニーニョ現象の発生を予測することはできないのです。海底の地形,海底火山,300℃を超える熱水を噴出しているチムニー,海水の大循環などなど,人類は未だ完全には把握していません。地震予知と五十歩百歩です。
 ですから,これらの現象を地球温暖化などと云う文字通り雲を掴むようなもっともらしい議論で説明しようすることは無理なのです。判ってもいない現象をもっともらしい説明でごまかすのは不遜というものです。精緻な理論の積み上げと見られていたはずの宇宙論でさえも,暗黒物質(dark matter)の発見でゆらいでいます。
 昨今の日本では何でも温暖化にこじつけようとしています。その裏には温暖化に結びつければひともうけできるというさもしい考えがあるのかも知れません。温暖化を防止して地球を救おうなどと美辞麗句を並べても,そもそも日本が発生しているとされる二酸化炭素の総量は世界全体の4%に過ぎません。
 そしてまた不思議なことは,近年かまびすしい気候変動を「地球温暖化」(global warming)という言葉で代用しているのは日本だけではないでしょうか。世界的に通用しているのは気候変動(climate change)であって,公式機関名もこちらです。
 「気候変動」ならば世界各地で起こっている大雪や大洪水も入りますが,「温暖化」では大雪はどうなるのでしょうか。ここにも日本の大小マスコミの不勉強無責任が関わっています。
 それはともかく,さすがの気象庁も今冬の厳寒を地球温暖化の結果とは云えないのでしょう。まがりなりにも科学者を中心とした集団のはずですから。



1 コメント

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Unknown (NIEL)
2011-02-17 02:37:02
お久しぶりです
一昨年に予想された通りになっていますね。
気象の方じゃなくて政権の方です。

欲にまみれた豚、頭が空っぽの鳩、根性が腐ったゾンビの3頭立てでは馬車に乗るお客さんはヒヤヒヤでしょう。
それでも面白いと思っているのが2割。
政府の財務状況は政権交代以降、急激に悪化して居り、表面で見える新規国債の10兆円超過より財政投融資などの他の債務の20兆円の方が恐いです。

早く馬を付け替えないと馬車は崖下になると思います。
========

ラニャーニャは予測出来ませんでしたが、ユーラシア大陸の長期温度分布と太平洋の表面温度変化から、日本についてだけは「東北以北の厳寒と関西以南の暖冬」を予測して居りました。 (気象庁データ)

残念ながら冬の西高東低の影響を忘れて、日本海側の大雪の見逃しです。

関東、中部はこの狭間で荒れた天気が4月頃まで続くかもしれず、ご自愛下さい。

雪かきで首と腰が痛いです。 (笑い
1日で傷みが来るのでまだ若いつもり。
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