(でもすぐ削除されるでしょうが…)
※3/3朝に見てみたら,コメント・TB欄がなくなってました。
お~い,
heizoさん,どうしたんだい?!
先月にupしたエントリー最近のニュースから(1/22)
の中で,オオクチバスが環境省「特定外来生物」の指定リストに入ることになった
ニュースについてコメントしましたが,その最後に
>このニュース,アウトドア派でも清水国明氏なんかは,猛反対なんでしょうね。
>ブラックバス擁護派ですからね。
と書いたところ,
2/28にheizoさんという方から,
> 是非、こちらを読んでから清水国明氏の主張について
> 判断いただければと思います。
というリンク付きのコメントを頂きました。
私の文はふだん新聞等で見聞きしている清水氏の言動から
類推したもので,まず間違いないと自信はありますし,
(実際,キャッチ&リリース禁止の条例は精神的苦痛という
理由で33歳の会社員の方とともに訴訟を起こしていましたよね)
彼がオオクチバスのリスト入りに反対だろうと書いただけですから
別に悪口でもなんでもないのですが,
自分の意見をトウトウと書き連ねた後に
「どうせこの人は反対なんでしょうね」などと書いたら
批判も同様といえますので,
認識に誤りがあれば訂正しようと,早速,一番上の
> 池田教授講演 第1回
> http://d.hatena.ne.jp/heizoheizo/20050205
をクリックしてみました。
・・・・・。
いや,何にせよ,主義主張というものが存在する場合,
それをいう人というのはたいてい自分が正しいと思いこんでますから,
自分に賛成する立場の意見や説があれば,
都合よくそれを信用して歓迎するんでしょうけど…。
冒頭,
水口
池田先生の言っていることは基本的に間違いないからね。バスに関係ない生物学者から「生態系を守るなんて話は底が抜けている」なんて言われると駆除派は困るんですよ。研究者として池田先生がおかしいなんてことは、誰も言えませんよ
|
なんていう,水口憲哉教授による紹介コメント(雑誌「バサー2月号」より引用)
というものが入ってるんですけれど,
ツッコミどころ満載ですから!
のっけから「先生は基本的に間違いない」
「先生がおかしいなんてことは誰も言えませんよ」
などと,言っている内容ではなく誰が言っているかで
事の正誤を判断するなんて,
科学的にものごとを判断しようという姿勢のかけらもない
仲間内で悦に入っているぬるま湯サークルではないでしょうか。
私は,こういう考え方をする人を思考停止野郎と
よびたいと思っています。
以下,池田清彦・早稲田大学教授(生物学)の講演
です(D.D.要約。全体はリンク先を参照して下さい)。
■キャッチ&リリース禁止はおかしい。
法律というのは「悪いことはしてはいけない」という内容のものであって,
琵琶湖で釣ったバスを琵琶湖に戻しても琵琶湖のバスが増えるわけではない。
一部の(バスを嫌いな人)にとっていいことを
ほかの人に強制する条例や法律はとても変である。
たとえばたばこの吸殻を捨てたら罰金という法律ならばともかく
道にゴミが落ちているのを見つけた人は絶対に拾わなければいけない
という法律を作るようなものだ。ゴミを見つけた人に拾わなければ
ならない義務はない。
だからキャッチ&リリース禁止というのは変である。
※話のすり替えです。
釣ったバスとたばこの吸い殻を比較するのなら,
「たばこの吸い殻を拾ってシケモク吸いをした人は
吸った後の吸い殻をまた捨ててはいけない」
という法律(を仮定して)比べなければおかしいでしょう。
キャッチ&リリースをする状況にある人は
好きでブラックバスを釣って手にしている人間。
また,成魚になったバスは湖に返されれば
再び在来魚などを餌として捕食するし繁殖もします。
「リリースによってバスは1匹も増えない」
というのは小学生でもわかる屁理屈ではないでしょうか。
上記の話の最後に
「東京都が条例で中学生以下の性行為を禁止するか
どうするか、そんなバカな条例を検討してどうするんだと(笑)。
そのうち犬の性行為を禁止するとか言い出しかねない。
そんなもの禁止できるわけないし、いったい誰が監視するのでしょう。
法律というのは、とくに条例のレベルではけっこう妙なものが
出てきますから、困ります。おかしいことに対しては
「おかしい、やめよう」と言うべきですね。」
と続けており,行政側は変な条例をつくるから注意しようと
呼びかけているわけなのですが,
東京都が犬の性行為禁止条例をつくるとか妙ないいがかりを
つけかねない。こんな勝手な作り話で行政にレッテルを貼ろうとする
人間が“教授”の肩書きでほうぼうで講演していても
言論の自由だから禁止できるわけないし,いったい誰が監視するのでしょう。
おかしい学者に対しては「おかしい,辞めろ」と言うべきですね。
という反論が成立するかと。
さらにいえば,東京都の未成年淫行条例をバカな条例と決めつけ,
それを前提に「犬の性行為を禁止する条例を出しかねない」
という論法を展開するのであれば,
バサーたちは「バスが1匹でも増えるわけじゃない」と言って
絶滅する心配もない,増える一方で在来魚を食べまくっている魚を,
釣って食べもせずに湖に返すなんてバカな行為をしている。(←決めつけ)
放っておけばガーやらパイクやらピラニアなんかまで
「地球上で1匹でも増えるわけじゃない」と琵琶湖に放流しかねない。
という論法も成立するわけじゃないでしょうか。
■日本人の文化は外来種の上に成立している。
なぜ日本の固有生物を守らなければならないのかというと、
文化と伝統だから、日本のもともといた生き物が仮に絶滅したら困る、
という話はとてもよくわかる。
ところが、科学的に見て、ブラックバスが入ってきたことによって、
絶滅させられた生き物はいない。
それなのにブラックバスはどういうわけか害魚、外来種と呼ばれて
いちばんの槍玉にあげられており,単に外国の生き物は入ってきたら
いけないという原理主義になってしまう。
だからもっと科学的に調査しなくてはいけない。
「調査しなくてはいけません」 って,
調査してもいないのに
「ブラックバスに絶滅させられた生き物はいない」
って断言してるのかよ!
と思うのですが,いかがでしょうか。
もともと日本は外来種の天国みたいな場所で、
外来種がすべていけないとなると、人間が暮らしていけない。
イチョウ…今から1000年くらい前に入ってきた。
コスモス…つい最近入れた外来種。
梅,トマト,米も小麦も外来種。
日本人の文化は外来種の上に成立しているようなもの。
人間は20万年前くらい前から人間をやっている。
文化と伝統と言ってもたかが400年、実はたいした年月ではない。
すべてにおいて日本の文化と伝統を守ることはできないわけで、
江戸時代から明治になったとき、日本人はチョンマゲやめて
現在のような髪型にして、洋服を着るようになりました。
つまり「外来種がダメ」という考え方がそもそもおかしい。
※ここに挙げた外来種の例,すべて植物ですよね。
植物の場合,あまり在来種を食い尽くすってことはないですよね…。
まあ動物でもモンシロチョウなど,いかにも問題のない
外来種を挙げようと思えばいくらでも出せますけどね。
最初に「科学的にブラックバスは害魚ではない」
と勝手に決めつけた上で,文化の話題にもっていくのは
ひきょうというか,「それ,意味ないでしょ」
といいたいところですが…。
外来種のなかでも、日本の固有生物に確かに大きな影響を
与えているということであればそれは困ります。
ただしいろいろな問題があって、ある生き物を駆除するために
どれだけのお金がかかるかを特に考えたほうがいい。
これはまっとうな論点と思います。
ですが,駆除するのにコストがかかるから,
野放しにしていい,増えるのを手助けしていいって話にはならないと思うんですよね。
■税金の無駄遣いに見えるか、利権獲得のチャンスに見えるか。
皆さん怒るかもしれませんが、もしブラックバスが入らなければ
バス釣りをする人もいなかったし、それはそれで幸福だったのかも
しれないけれど
※バス貢献論。「なくてもよかった」という反論を食う前に
1人ツッコミ。
バス駆除を国家的なレベルで始めるとすると、巨額の税金がかかる。
そこを考えないで、「ダメだから駆除しましょう」という考え方では
めんどうなことになる。
国交省系の財団法人の広報誌『水の文化情報誌 Front』に
原稿依頼されてこんなことを書いたら,
外来種を敵視するのはおかしいと書いたのは自分だけで,
総スカンになった(笑)。
日釣振の傀儡でもなんでもなく,自分の好きなことをしているだけだが。
もともと、すべての生物はある程度混ざってきたし、
今後も混ざっていく。もともと日本は海だったわけだから、
どこから来ようがぜんぶ外来種(笑)。
日本の穀物もぜんぶ外来種で、外来種がダメなんて言い出したらどうしようもない。
そういう土地に勝手に生物が来て、競争して、
生き残るものがいて、そうして現在の生態系ができている。
現在の生態系を固定しろ、というのは無理。
すると「人為的に入れた生き物だけが外来種で、
勝手に入ってきた生物は外来種ではない」とよく反論されます。
ではAという生き物がいて、勝手に入ってきたものと、
人間が入れたものがどちらもある場合はどうするの(笑)。
※「外来種=人為的に持ち込まれた生物」などという定義を
勝手に決めて,外来種は悪者と決めつけたがる,
そういう人もいるかもしれませんが,
在来の生態系を守ろうという人が皆そういう浅はかな人
であるかのような言い方はいかがなものかと。
人間の手が加わらないと生育できないような
穀物について外来種かどうか問題にすること自体ナンセンス。
関係ないものを「外来種」という言葉でひとくくりにして
「「外来種=悪者」ではないむしろ必要なものもある」
→「外来種は悪者ではない」
と話をすり替えています。
今、これだけ経済と人のコミュニケーションがグローバル化して、
人や物の交易が盛んになっている。
僕はなるべく入れないようにしたほうがいいとは思うけれども、
すでに入っているものはどうしようもない。
だから僕は検疫を強化して生物の侵入を防ぐのが
安上がりで現実的な外来種の防止策だと言っている。
防止策はおそらく年間1億円で済むところを、
ブラックバスを排除するとなると1000億円規模の税金を
使うことになる。そういう公共事業の利権目当ての人間が、
入ってきた生物を排除しようとする。
※陰謀論。確かに,ブラックバスの本格的駆除に
国家予算が投入されるなんてことになったら
壮大な浪費になりかねませんので,そんなことになったら
体を張って阻止していただきたいと思いますが,
現実問題,そんな金,どこからも出る見込みないでしょ…。
年間1億円で済むという検疫強化すら
人獣共通病原体をもつ動物の制限(狂犬病のキャリアとなる
アライグマなど)や密輸ペットの取り締まりなど
法的にも現場の取り締まりにしても対策が
後手後手に回っている状態。
滋賀県の自治体などは,釣った外来魚の
回収箱を設置したり(地域通貨と交換する企画で
協力を呼びかけたり),100円ショップで買えるような
材料でニセ産卵場を作って卵を回収したりと,
限られた予算でブラックバス等の増殖を少しでも食い止めようと
涙ぐましい努力を重ねているわけです。
それを「ブラックバス駆除を訴える人間は利権目当て」
と言い切るのは,どんな根拠があるのか。
逆にブラックバス養護に回る側なら,現にそれで食べている人たち
(たとえばこの講演のスポンサー)がいますから
背後に利権が絡んでると言われても説得力があるのですが。
「入ってこない方がいいと思っているけれど,
入ってしまったものを駆除するより,これから
入ってくるのを防ぐのが合理的」
と言っている,この事だけ取り出せば正論なのですが,
別に検疫強化をはたらきかけたというわけでもなく,
「ブラックバス根絶に1000億かかるのに比べたら安い」
と言っているだけ。
ここまでの話からすると,これらの金額についても
根拠があるのか怪しいものです。
■生態系とは変化し続けるシステム。
原理主義者は,外からシステムの中に入ってきた新入りを
排除すれば、システムは元に戻ると考えているが、
それが実はウソ。
ヒトの身体が病気して、それが治っても、それ以前の状態に
戻っているわけじゃないように,生態系に新しい生物が入った後で
それを排除しても元に戻らない。
だからブラックバスが生息している場所・・・・・
・たとえば霞ヶ浦からブラックバスを1尾のこらず排除したら
元に戻るかといえば、戻りっこない。(つづく)
※でも,今現在,ブラックバスに食われて減少していく
生物の絶滅を食い止めることはできます。
■D.D.の見解
この記事の内容は,もともと講演で話された事ですので,
聴衆を退屈させないように話を飛躍させたり
極端なたとえ話を入れたりするというのはわかります。
話を盛り上げようとして,邪悪な“敵”の存在を訴える
というのもわかります(宗教の会合なら「よその○○○会は
信じないと地獄に堕ちると言って脅します」といった具合)。
が,しかし…
「ブラックバスで絶滅した生物はいない」
「ブラックバス駆除を訴える人間は利権目当て」
大学教授に断言されるとああそうなんだと納得してしまう
ものなのかもしれませんが,
この講演録を読む限り,教授の肩書きでしゃべっている
というだけで何の根拠を示さずこんな重大な“事実”を
話すというのは,かなり無責任な,
正直いうとうさんくさい先生だというのが結論です。
アングラーを対象にした講演でしょうから
「ブラックバスは害魚じゃない」と一言宣言すれば
皆納得するのでしょうが,
その聴衆が講演から帰って
「本当にブラックバスは在来魚の敵じゃないの?」
と聞かれて,「早稲田の池田教授がそう言ってた」
と答えるしかないというのはあまりにもお粗末じゃないでしょうか。
せめて,
「モロコの漁獲量の減少とバスの推定生息数
(あるいはバス釣りが盛んになり始めた時期)を
比較すると相観関係が見られない」
とか,
「琵琶湖に生息する数のバスが年間に捕食すると
推定される生物の総量は在来魚やエビなどが
個体数を維持するのに影響がない」
といったデータを示してくれないと。
(この教授先生が持ち出した,唯一の確実なデータが
「東京オリンピック当時の年間の海外渡航者が16万人で
現在が年1000万人以上」 って,一体…)
ちょっと,この程度の講演内容では理論武装ゼロですから
高校生のディベート大会でも勝てませんよ。
専門は昆虫学者で,生態にもくわしいとのことですが,
学会で総スカン食らったのは,『水』の雑誌に
門外漢がしゃしゃり出てピント外れの持論をぶったから
じゃないかなと,失礼ながら想像してしまう次第です。
(だって,その学会で話す相手が学生時代の後輩ぐらい
しかいないんでしょ。なんで学者仲間がいないの?)
そんなわけで,heizoさんが
どのような意図でこちらの記事を紹介して下さったのかは
わかりませんが,この1ページを読む限りでは,
他の記事,読む価値なし
と思いました。
清水国明さんのコラムは読んでみたいと思いますけれど
他はちょっと勘弁して下さい。
※他の記事をお読みになりたい方は,こちらから,
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もし,有益な,勉強になる記事がございましたら
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どうぞよろしくお願いいたします。
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どうもありがとうございました。
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