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【本】ドラえもん夫本・回転寿司・エコ宗教

2005-07-02 15:41:02 | 本・コミック・かってに配役
最近読んだ本を3冊,紹介したいと思います。ジャンルはバラバラですけれど,どれもなかなか面白かったですよ。

カミさんはドラえもん
砂川 啓介
双葉社


大山のぶ代さんが2001年に直腸近くの癌で入院した出来事から始まる,「体操のお兄さん」砂川啓介さん・大山のぶ代さん夫妻の37年間のエピソードをつづった一冊。
すごくあたたかい心のつながりに感動を覚えました。
夫婦というもののほどよい距離感,それでも誰よりも強く
何者にも引き離されない強い絆。

その昔,「結婚したい男性」アンケートの1位に選ばれ,
ほかならぬ私D.D.の母も彼の結婚で「なんであんなドラ声の女の人と」と
ショックを受けたというくらい人気の絶頂を極めた砂川啓介さん。
その結婚までのいきさつから,
2人の子をいずれもその手に抱く前に失ってしまった不幸,
浮気事件,家出事件などの出来事をさらっと軽やかな筆致でつづられています。
お昼のワイドショー司会やタレント業・講演などに
活躍しながらも「ドラえもんのだんなさん」
扱いされる悲哀ももちろん書かれていますw。

ユーモアなエピソードの数々の中に,
お互いの思いやりや気づかい,結婚前から惹かれ合ったところ,
(砂川・大山さん夫妻は仕事で別々になることも多いですが)
ともに生活を重ねていくことで同化していくところ,
歳を重ねて,大山さんの入院や知人の死などの経験を経て
触れられる死生観など“人生の先輩”の言葉として学ばせてもらうところもありました。

つい昨日,新キャストによるアニメのドラえもんを見ましたが
主要5キャラだけでなくお父さん・お母さんなども総入れ替えなんですね。
そして絵柄も,ドラえもんの目がさらに大きくなっているなど
マイナーチェンジしていましたし。
で,水田わさびドラえもんですが,ちょっと大山さんの声に似た
ドラ声で叫んだり,ほかの新声優陣も,若干オリジナルキャラの
感じをはしばしに残した演技になってました。もともと似たところのある
人たちを選んだのか,それとも移行期間ということで少し元の声の
風味を出した(いわば少しものまね)喋りなのでしょうか。
大山さんも1979年(私は小学4年生)から26年間お疲れ様でした。
今年で69歳ということですけれど,これからも講演に料理関係の執筆に
(それに他の役の声優も解禁ですか?)と日本中を飛び回る日々が続くんでしょうね。
これからも,夫婦2人で末永くお幸せに!

アニメドラえもん公式HP(テレビ朝日)


回転寿司の経済学―「勝ち組」外食産業の秘密

渡辺 米英

ベストセラーズ


第4次とも5次とも言われるブームを迎えている回転寿司。本書では、「安い店」から「安く美味しく楽しい店」への変遷、大手外食チェーンや異業種チェーン参入などの舞台裏を徹底レポート。誕生以来40年余りの間、業態の進化を続けてきた回転寿司業界の「強さの理由」を、様々な角度から探っていますが,本当に面白い!

◆なぜこんなに回転寿司が盛んになったのか,その歴史を,
比較対象される立ちの寿司,そして寿司そのものの歴史とともに振り返りながら
解き明かされていますが,これを読むと,
・寿司は伝統的な日本料理というが,江戸前寿司はカステラ等よりも新しい料理。
・ロール寿司やワイン寿司も邪道ではなく,ある意味原点回帰。
・すでに握ってある寿司を客が取って食べる回転寿司の方式は江戸時代の浮世絵や
 志賀直哉の作品にも描かれている。むしろ高級な業態の寿司屋のほうが
 戦後に屋台の寿司屋が禁止されてたまたま主流になっただけ。
など,目からウロコが落ちる事実がこれでもかこれでもかと示されます。

※これとは対照的に地盤沈下を続けている個人営業の寿司店
 (寿司屋全体の店舗数は1981年の5万件をピークに減り続けている)
 についても,「コワい」イメージを自ら定着させていった店の
 自滅ぶりも書かれています。

◆そして,非常に面白いのがビジネスとしての回転寿司論。
ビジネスとして成功するためにはコスト管理が必須条件。しかし生ものを扱うために大量仕入れでコストを下げられない,売上げを伸ばすには人気のあるネタを常に回していなければならないけれど,必然的に廃棄ロスが増してしまう…本当に数々のハードルがありながら「2~3年で年商10億円の会社を作ることが可能な,他にないビジネス」である回転寿司業界。

くら寿司は原価率の上昇や廃棄ロスなどのコストをあえて抑えず,徹底的に売上げを伸ばすことでロスをカバーする戦略をとっている話など,いつ行っても混んでいるくら寿司の盛況ぶりを知っている人なら,その戦略と結果が結びついていることに感銘すら覚えるのではないでしょうか。

この本が著されたのは2002年のこと。その後,あきんどスシローなどの株式上場など回転寿司業界は動き続けていますが,食べ放題で話題をさらった北新地まぐろ亭の挫折などがもう盛り込まれているなど今でも情報は新鮮です。また,今に到るまでの歴史や現在の業界における舞台裏などについての情報量が豊富さや深さでは圧倒的で,未来に向けての視点も鋭い(低価格路線にも高級化にも踏み込めない中間派は苦戦を強いられるという指摘の通り,「アトムボーイ」を西日本地区で展開するフーズネットが経営破綻)ためとても面白い本に仕上がっています。

回転寿司の進化について書かれた章で,
回転寿司先進県として挙げられた石川・富山と北海道。大手チェーンと地元の店舗が,恵まれた新鮮で上質な材料と腕のいい職人を武器に激戦を繰り広げ,驚くくらいおいしい寿司がとても安い値段で食べられるとのこと。かの地に行く機会があったら是非回転寿司に行ってみたい!



エコロジーと宗教

間瀬 啓允

岩波書店


人間優位の価値観はいかに改められるべきか。環境問題について,東西の宗教,哲学や社会運動とのかかわり合いについて豊富な文献を引用して解説された書籍。
タイトルだけ読んだらちょっとうさんくさい宗教ビジネス的な話とか書かれているのかなと思ったりしましたけど,内容は非常にまっとう。宗教と言うよりむしろ自然と人間のかかわりに関する哲学・思想・自然観の変遷・歴史と今後の課題について書かれた本といったところでしょうか。

文章と論点がちょっとこなれていないので少し読みにくく感じましたが,数々の文献の引用で構成された“自然論”の歴史は,知識としてもためになりますし,優れた先人の思想に触れて感動を覚える部分もあり,非常に価値のあるものと思います。
時間がないときには情報量の多さとそれをこなしきれていない著者の解説にやや消化不良を起こし
そうな本ですが,買ってみて,じっくり何度も読み返したら,よいかもしれません。

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