総選挙の裏ワザ◆３件

政治の世界は表で裏でいろんな駆け引きが行われているものですが，
この総選挙でもいろんな裏ワザを駆使しようという人々が
いるんですね。


■土井たか子が比例名簿５位で当選する裏ワザ
もう消滅寸前の社民党，かつては「ダメなものはダメ」
「やるっきゃない」などのフレーズで大旋風を起こした
前代表の土井たか子氏も，前回の選挙では小選挙区で敗退，
比例区でやっとこさ首の皮がつながる体たらく。
そんな氏が今回は比例のみでの立候補でしかも近畿ブロック５位。
いよいよ引退かと言われておりますが…。

(1)近畿ブロック(大阪10区)で辻元清美が１人で
　小選挙区と比例区　２人分の議席をとる。
(2)比例名簿で土井たか子より上の４人のうち，
　辻元は小選挙区で当選しているので
　比例区での当選は１位で並ぶ他の３人の候補
　の中から惜敗率が一番高い候補ということになる。
(3)しかし，この３人，あまりにも泡沫で，
　復活当選に必要な「投票総数の１割」に達しない可能性大
(4)ということで，名簿１位の４人はすべて除外され
　晴れておたかさんが比例区で当選

…と。うまいこと書かれたシナリオですね。
落ちたとしても後進に道を譲っての引退ということになり
メンツが保てるというわけですね。

しかし，報道によると辻元氏が立候補した大阪10区，
自民松浪健太と民主肥田の一騎打ちの様相。
やっぱあの人気は無所属でこその人気，
ヘラヘラと社民に復帰したら，秘書給与詐欺疑惑で
社民にトカゲのしっぽ切りされた同情・共感が吹っ飛びますわな。

せいいっぱい―土井たか子半自伝
土井 たか子　朝日新聞

国籍を考える
土井 たか子　時事通信社

へこたれへん。 辻元清美 角川書店	転職して、国会議員になった 辻元清美 第三書館	なんでやねん 辻元清美 第三書館

■八代英太は自民単独政権への布石になるという裏ワザ
郵政民営化法案に反対票を投じて自民の公認外とされた
八代英太氏と東京12区をめぐっては，氏と自民党がともに
迷走，ヘタレぶりを全国にさらし続けていましたが，
実はあれはすべて小芝居だったという裏ワザ－。

(1)八代氏の東京12区（前回選挙は比例から出馬）からは
　公明から太田昭宏氏が立候補するので自民からは出ない。
(2)しかし，八代氏が無所属で出馬すると太田氏の
　当選がやばくなるので，八代氏には出て欲しくない
　→比例区で出してあげるからと懐柔。
(3)八代氏，一旦ホイホイと受け入れ。
　郵政民営化反対なんてなかったことに。
(4)しかし，筋が通らないと世間から大ブーイング。
(5)やむなく自民は比例名簿への掲載を断念，
　八代氏，激怒して無所属で立候補。
(6)自民票が割れて太田氏，民主候補に敗退，
　公明は比例との重複立候補を認めていないのでジ・エンド。
(7)次期代表の最有力と言われたプリンス・太田を
　落とされ，公明激怒，自民との関係にヒビ。
(8)しかし，これ以上公明との連立が続くと
　議席数のみならず選挙協力で創価学会票に
　頼ってしまう体質に成り下がってしまう自民にとっては
　体質強化のいいチャンス。
　改革という面でも大衆好みの無難なばらまき
　法案しか通してくれない公明は結構ジャマ。

…現実には，太田氏かなり優位っぽいですし，
八代氏，文字通り「野垂れ死に」の公算が強そうですけどね。

お父さんの車椅子―父・八代英太と家族の絆 前島 由希 講談社	負けてたまるか車椅子 八代英太 日本図書センター

■国民新党と新党日本は小沢一郎の裏ワザ
あの自民からの利権屋老害スピンオフ政党・国民新党（酷眠）と
新党日本（似叛）が生まれる影で民主党・小沢一郎氏が
糸を引いていたという話は朝日新聞などでも報じられていたそうですが
その真意とは…。

(1)そもそも民主党から出馬した議員たちも
　旧社会党とか元自民党とかの古株はともかく
　元官僚とかの新しい若い連中は，本当は自民から出たくて
　枠が空いていないから民主にしたような者ばかり
　（そういえば今回の総選挙でも，鳥取で民主の公募に
　応募しておいて結局は自民党京都6区から出るなんて女性候補もいますね）。
(2)政権交代が可能な２大政党の一角を目指している
　はずの民主党なのに，今回の選挙で与党に完敗してしまうと
　「国会議員になっても民主じゃ意味がない」
　と思う議員が続出してしまう。
(3)自民のほうも，郵政民営化法案みたいに通したい法案が
　参院で潰されては困るので，参院の野党議員にいくらか
　寝返ってもらいたい。
(4)てことは，今回の総選挙で自民が勝てば衆参両院で
　民主→自民の大量造反の恐れがある。
(5)しかしながら，選挙後っつーことは，衆院の民主党議員は
　さんざ自民批判をして当選したばかり，参院議員だって
　全員郵政民営化法案に反対票を入れた面々。
　自民に行きたくても，いったん民主を出た後，
　１年くらいはフリーでいる必要がある。
(6)しかししかし，無所属でいたらその間，
　政党助成金はもらえないは政党ごとに配分される国会の
　質問時間もない。これではつらい。
(7)つーわけで，小沢一郎，自民の造反議員に
　自分の腹心・田村秀昭参議院議員を送り込んで
　自民と民主の中間的存在（合いの子？）国民新党をつくらせた。
　新党日本のほうは，党首を引き受けた田中康夫・長野県知事が
　小沢氏のことを「最も尊敬する政治家」と言っているそうで…。
(8)この新党，民主から自民へ議員が流出する
　中継地となるわけですが，逆に，流出の直通を防ぐ役割も
　果たすということ。もし今回の総選挙で与党が完勝して
　さらに自民からの引き抜き・切り崩しにあえば民主は壊滅，
　２大政党制はその目前で挫折し自民の１党体制になってしまう。
　しかし，いったん新党に移籍させておいて
　１年の様子見期間をとっている間に
　郵政民営化法案が可決されることになれば，
　今度は自民のほうが割れてくる，２つのプチ自民党は
　その受け皿になるという訳。
(9)新党に流れた議員は自民系も民主系も，
　世間体があるから簡単には“勝ち組”に移籍できない。
　そんな彼らと民主が連立を組むことで，
　国会の過半を取って悲願の政権交代も…

というシナリオ。
そう考えると，利益・利権でうす汚れた昭和の遺物議員
のはきだめという印象の２新党ですが，
新しい政治の枠組みの土台となりうる可能性もあるということですね。
いや～，深いなぁ。

小沢一郎の政権奪取戦略 大下 英治 河出書房新社	日本改造計画 小沢一郎 講談社	闇将軍―野中広務と小沢一郎の正体 松田 賢弥 講談社	脱「ダメ日本」宣言 田原 総一朗, 田中 康夫 アスキー

以上，ネタ元は週刊新潮と，週刊アカシックレコードでした。

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