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福知山線事故(6)…この場でお笑い論(何様?!)

2005-05-16 07:15:58 | 尼崎福知山線脱線事故
福知山線の脱線衝突事故について,前回の(5)では,
(4)「勘違い連中を茶化し斬りさせていただきます」でお笑いの形式を
とったことについて,あらためて自分で考えてみたことを書きました。
※自分で読み返して,いつもの生意気さ満点の文と違って,
 なんか,まるで田口ランディ,山田ズーニーさんみたいな「もがき系」の
 文章だなと思ってしまいました。そして,早速何件ものコメントをいただき
 私の人柄まで“読み取って"くださるに到っては,
 「俺,偽善者?!」と強烈に気恥ずかしくなっています。


で,自分は何をしたかったのか-
要するに,相次ぐ報道の中で見せつけられたマスコミの“体質”に
こみあげてくる思いをぶつけてやりたかった,という結論に一応なりました。

では,なぜお笑いの形をとったのか?
「書きたくなったから」の一言でおしまいの話なのですが,
(テレビでプロの芸人さんがこんなネタをするわけにはいきませんが)
ネタを考える際に,ネタの対象について思ったこと
お笑いの形を取ることでどんな意味があるのか考えてみました。


JR西日本をネタ対象にしなかった理由

このJR福知山線の脱線事故には,本当に多くの人数,そして
さまざまな立場の人々が関わってきました。
そして,この世に完璧な人間などいないわけで,その殆どにツッコミどころを
探そうと思えば見つけられる(テレビに出てきたら見えてくる)わけです。
それこそ遺族の方だって筋違いと思えるようなことで怒ったりとか
(このことについては(1)で触れました),世間で美談だとされる
話でも,ここがおかしいぞとつっこみを入れることは可能なのです。

私は,その中で,電車が遅いと文句を言う乗客,
いやがらせの張り紙をした乗客,

そして自らは被害者の心情への配慮を欠きながら
JR西日本の対応を一方的に叩いているマスコミ
 をネタの題材にしました。
(あと,JR西日本の日勤教育も扱っていますけどね。
 たいていの方はスルーされたのでは?)

つまり,加害者と被害者,当事者ではなくその周辺で
好きなことを言ってる連中がターゲットになったわけです。
それはなぜか?

JR西日本。事故を起こした運転手から,被害者への対応,のんきに懇親会や
旅行に行っていた間の悪さ…ツッコミどころには事欠きません。
特に,記者会見などでもやり玉にあげられている垣内社長など
91年の信楽高原鉄道事故の初謝罪(03年3月)の際に副社長として
南谷社長(現会長)とともに「安全な鉄道」を誓っておきながら
スピードと効率優先の経営を推し進めて今回の事故を招いた
(と断言していいでしょう)から,

(毎回頭を下げて涙ながらに再発防止を誓うけど)
でもあんた,2年前にも同じこと言ってたばかりですから!
残念!

10年間過ちを認めなかった者が引責どころか昇進して,
たった2年で変われるわけないですよね~斬り!!


くらいのことは言ってやりたい気持ちもあるんです。
ですが…勘違いマスコミには文句を言って態度を改めてもらえばいい
じゃないですか。勘違い乗客には,それ,みっともないよと
つっこんで,それぞれのふるまいを見直してもらえばいいじゃないですか。
でも,いくらJ西につっこんでも,失われた命は戻ってきませんから。
単純に,怒りをぶつける対象があって発散できるという意味では
気持ちいいかもしれませんが,やっぱ,むなしいですよ…。

衆院委招致 主なやりとり(神戸新聞)を読みました。
まあまあ具体的な質問でしたが,新しい事実が出てきているわけでもないので
偽証が罪になる場所でトップが喋った点に意味があるといったところでしょうか。
乗り合わせた運転手やボウリング社員のことをひっくるめて
責任感がないと指摘したり,社長の謝罪に「当然だ。何をいまさら言っているんだ」
と罵声を浴びせるなど代議士のセンセイにも単純な思考の持ち主がおられるようで…。
※これとは別に,垣内氏の官僚的・事務的な物言いは本当に
 責任の感じられないむかつく喋りのようですね…。
 私はもともと“前科"のある経営陣の“再犯”ですから
 幹部は即刻退陣するべきだと思ってましたけれど,
 マスコミの影響で皆が悪い印象を先入観として持っているからといって
 こうまで行く先々で話す相手を怒らせるというのは,
 企業トップとしての資質がそもそもなかったのではと思います。
 官僚としてなら,また民営化後も巨大企業でシステムが確立されて
 日々の業務はきちんとやってくれるために問題なくやってこれたのでしょうが,
 改革していこうという時に陣頭に立つ人間としては不適格,
 垣内氏が残ることはマイナスにしかならないですね。
 そもそも自分の責任を感じていたら「自分が一番痛みを感じている」
 なんて言えるわけないですよ。

置き石犯やJR職員に暴行をはたらく便乗犯
おちょくりようがないじゃないですか。そもそも人間としての
常識やモラルが欠落しています。
だから,「置き石は犯罪です」と言ってるマスコミに対して
その口調じゃ生ぬるいですよとつっこむしかなかったのです。


お笑いの役目

もともと僕は攻撃的な性格の人間なんで,つっこめる相手がいると
ときおり歯止めが利かないくらい叩くことがあって
(「ブラックバス問題にトラックバック」など),
今回,J西相手にせよマスコミ相手にせよ
正面切って叩いたら読んで気持ちが重くなる不快な文になるだろうなというのが
お笑いの形式をとった一番の理由でした。

お笑いが職業として存在する意味って,面白くて笑って楽しめたら
ストレスの解消・カタルシス・心の開放感が得られるってことですよね。
そもそも,笑いとはなにか,笑いの原因となるのは何か
ということを考えだすと,本当に難しい話になってしまうと思いますが,
キーワードは「緊張や抑圧からの解放」だと思います。
・恐怖から解放されたときに泣きながら笑いが止まらなくなる
・おいしいものを食べたときに思わず顔がほころぶ
・かわいい動物や無邪気な子どもを見て顔を崩す
などの例から,このようなことが言えると思います。

今回の「茶化し斬り」に関連して,私は次の2点にポイントがあると思います。

1.上の立場として見ているものを自分と同じか低いところまで下げる

2.言いたくても言えないことを代わりに言って発散させてくれる


【落とす】
「オチ」(落語ではサゲ)という言葉がありますが,
笑いの基本は,ネタの対象を「落とす」ことでしょう。
身の回りのよくある光景や有名人,そして演技者本人の
かっこ悪い点・みっともない点を指摘して,観客・視聴者より下か
少なくとも同レベルまで下げることで,
無意識に見上げる・身構えてしまう相手への緊張感がホッと解消される
効果があると思います。

今回の「茶化し斬り」でも,「知る権利」を錦の御旗に
剣より強いペンという武器を繰り出す,おそらく高学歴であろう
マスコミの人々に対して,あんた,みっともないことしてるよ,
とカッコ悪い点を指摘してみせることで批判したかった,
おごる彼らを読者・視聴者・一般ブロガーと同じ目線まで
引きずりおろしたかったと説明できるかなと思います。

【代弁する】
関西のお笑いで昔「責任者,出てこーい!」というギャグがありました
(私自身は,時代が違うせいか,芸人さんがこれの物まねをしても全然
 面白くないのですが)。
前述の「上にいる者を落とす」とかなり重なりますが,
世の中のふつうの人々が不満に思っている,文句を言ってやりたい
対象に対して,皆の気持ちを代弁してガツンと思いをぶつけることに
カタルシスを感じるというのがお笑いの効用の一つではないかと思います。

※この「代弁」という言葉は,悪い意味でマスコミや便乗犯が
 とらえていると多くの方が認識していると思います。
 このことに関しては次回,「マスコミと自分を含めた人々に求めたいこと」
 として書いてみたいと思います。

これに通じるものとして,
スポーツ観戦や華麗なダンス,マジックなどのエンタテイメント
を見て感動を覚えるのは,自分ができないようなすごい技を実現する,
疑似体験させてくれることにあると思います。だから,お気に入りの
選手やチームがあって,彼らが勝てばより楽しめるわけです。

【ツッコミの役割】
そのために重要なのが,ツッコミの存在。

もう10年以上も前になりますが,私が投稿の常連だった
ラジオ番組で,リスナー参加のコント大会が開かれたことがありました。
その何回めかの大会で,当時大学生の私は,中高生が中心の他の参加者に
アドバイスのようなものをまとめた冊子をつくって配りました。

演劇部だった経験などから
「セリフは相方ではなく客席に聞こえるようにしゃべる」
など基本的なことを書いたお恥ずかしい内容だったと思いますが,
その中で,
「ツッコミは,ボケを現実に引き戻す作業である」
と書いた記憶があります。

基本的に,ボケは常識外れな変なことをやります。
ボケ単体で笑いをとれるギャグも多々ありますが,
あまり奇怪な行動なら見る方が引いてしまいますし,
勝手にボケがボケているだけだと他人事として醒めてしまうことになります。
そこでツッコミが言葉や,叩くなどの行為で
ボケを現実に引き戻す・ボケに「ふつう」とのギャップを認識させ
恥ずかしい思いをさせることで,見る人に安心感・開放感を与える。
そこに笑いが生まれるという考えです。

私は,勘違いマスコミやJ西職員いじめの低レベルな便乗犯に
「あんたおかしいよ」と自分が道を外れているという
認識をもってほしかった。つまるところ恥を知ってほしかった。

マスコミの記者や番組・紙面の制作者,実際の便乗犯が
これを読んでいる可能性は低いでしょうが,
少なくともこの思いを,同じ立場でネットに接する皆さんと
共有できれば…という思いがあったと思います。
(3)や(4)で数多くのコメント,反響があり本当にうれしかったです。


タイトルについて
これは言うまでもなく,ブログのトップにも書いてあるフレーズ
「ニュースに芸能・スポーツを茶化し斬り!」から単純に抜き出したものです。
そして,エントリー中にも書きましたように,UP後,
自分の意図とニュアンスが異なるのではないか気になって,
 「福知山線事故(4)…申し訳ありませんが茶化し斬りさせていただきます」
      ↓翌日朝
 「福知山線事故(4)…勘違い連中を茶化し斬りさせていただきます」
      ↓さらに2日後
 「福知山線事故(4)…勘違い連中を茶化し斬りさせていただく」
に変更しています。

最初の変更は,このタイトルが事件そのものを茶化しているかのような
ものだったので批判の対象をはっきり示した形への変更,
そして2度目の変更は,「させていただきます」の部分が
慇懃無礼な感じがして気持ちが悪かったので,ほとんど変わらないですけれど
「させていただく」という少し強めの表現に変えたものです。

ですが根本的なところで,「茶化す」=ふざけている,
「斬る」=傲慢 というニュアンスそのものに問題があり,
そこを変えない限り,気持ちの悪さは解消されないという思いも残ります。
正直,自分でも根本的に気に入っていません。
もっといい表現はないものか?

この事件で見聞きして心底むかつく勘違い連中に対して,
正直,まっぷたつに斬ってやりたい!(ウルトラマンのギロチン光輪みたいに)
けれど自分は神じゃないし,勘違い連中より上だと言い切れる人間でもないから
「私はそうじゃない,ちゃんとわかっていますけれどあなた達は間違っています」
と偉そうに批判・非難するのも鼻につく。
石を投げるでも棒で殴るでもなく,後ろに忍び寄って
力いっぱい(でもハリセンで)はたいたる!
というようなニュアンスの言葉で表現したいのですが,
結局,「斬る」というよくある表現を,少しおちゃらけた「茶化す」で
トーンを弱めた今の書き方でおさまっているわけです。
いいアイデアがあったらアドバイスください。


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●福知山線脱線事故に関するエントリー
「JR福知山線事故(1)・遺族の憤懣に思う」
「JR福知山線事故(2)…マスコミ,おかしくないか?」
  (↑100を超えるTBいただきました。皆さんありがとうございます)
「福知山線事故(3)…マスコミにもの申した?番組」
福知山線事故(4)…勘違い連中を茶化し斬りさせていただく
  (↑コメント数40突破!私自身が炎上させかけてしまい反省)
福知山線事故(5)…「茶化し斬り」で何がしたかったのか

※大西宏のマーケティングエッセンスよほど書くことがないのかな?読売社説(5/13)

※YOMIURI ON LINE「脱線事故会見巡る不適切発言でおわび…読売・大阪本社」

※ヒゲ記者の実名を最初に晒したとされるブログ
 清谷防衛経済研究所 ブログ分室
 「JR西日本記者会見で罵声を浴びせたヒゲ記者の[正体] 読売新聞大阪本社社会部遊軍 竹村文之」

対談 笑いの世界  桂 米朝, 筒井 康隆  朝日新聞社

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2 コメント

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読みました (タリカス)
2005-05-16 22:45:03
意図することはよくわかりました。

だから筆者に悪意のないことはわかっています。

ただ~斬りのネタはもうそろそろ古くないかぇ?
返信する
こんばんは (ごん)
2005-05-18 00:49:21
TBさせていただきました。

既にココログには投稿ずみ、明日の夜中に自動公開(同時に自動TB)されます。



笑いを作るのは難しいですよね。

大阪人から見た笑いと東京人にとっての笑いはやはり少し違う気がします。

返信する

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