ピーナッツ・アレルギーはアメリカで毎年数十人の死亡者を出す、危険な食物アレルギーです。
日本で言えばソバアレルギーのイメージが近いですね。
さて、そのピーナッツ・アレルギー予防にアメリカ政府が指針を出しました。
なんと従来行われてきた除去と真逆の「乳児早期からの摂取を推奨」というコペルニクス的展開で、さらにすでに湿疹や卵アレルギーのあるハイリスク患者さんも含むという大胆なもの(ただし専門医の管理下でという条件付)。
これは、卵アレルギー予防に早期摂取が有効、という流れと同じですね。
■ ピーナツアレルギー予防に指針、NIH 〜発症予防に早期からのピーナツ摂取を推奨
(2017.01.06:Medical Tribune)
米国立衛生研究所(NIH)は1月5日、小児科医や家庭医などの医療従事者を対象としたピーナツアレルギー予防に関する臨床ガイドライン(GL)をJ Allergy Clin Immunol(2017; 139: 29-44)などに発表した。ピーナツアレルギーの発症を予防するために、高リスク児を含む乳児に対し、早期にピーナツが含まれる食品を与えることを推奨している。同GLは2010年に発行された米国の食物アレルギー診断・管理GLのピーナツアレルギー予防に関する追補版としてまとめられたもの。昨年(2016年)3月に公表された草案(関連記事)に対するパブリックコメントが反映された最終版となる。
◇ 「重度の湿疹+卵アレルギー」の高リスク児にも検査の上で摂取を推奨
同GLは、2015年2月に報告されたLEAP試験(関連記事)の結果を受けて策定された。生後4~11カ月の高リスク乳児約600例を対象とした同試験では、ピーナツの早期摂取によって5歳までにピーナツアレルギーを発症するリスクが81%減少することが示された。
GLでは、ピーナツアレルギーを発症するリスクの高さを、
① 重度の湿疹、卵アレルギーのいずれか、または両方がある乳幼児
② 軽度~中等度の湿疹がある乳幼児
③ 湿疹または食物アレルギーのない乳幼児
―の3段階に分類。
最もリスクが高い①に対しても、特異的血中IgE検査(sIgE)および/または皮膚プリックテストを実施し、必要に応じて食物経口負荷試験を実施した上で、生後4~6カ月にピーナツが含まれる食品を与えることを推奨している。また、②に対しては生後6カ月前後に、③に対しては各家庭の希望や文化、習慣に応じて適切な時期に、ピーナツが含まれる食品を与えることが推奨されている。
なお、草案では①の高リスク児に対する検査アルゴリズムにおいて、皮膚プリックテストで膨疹の直径が大きくピーナツアレルギーの可能性が高い乳児には「ピーナツの摂取を回避すべき」とされていたが、最終版のアルゴリズムでは「専門医による評価と管理を継続すべき」と変更されるなど、推奨内容の一部が変更されている。
米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)アレルギー・免疫・移植部門のDaniel Rotrosen氏は「LEAP試験によって明らかにされた(ピーナツの早期摂取による)ベネフィットは極めて大きく、科学的な信頼性も高かったことから、ピーナツアレルギー予防に関する指針を策定することで同試験から得られた知見を活かす必要性に迫られた」と、今回のGL策定の背景について説明している。
同GLの草案は昨年3月に公表され、その後45日間に104件のパブリックコメントが寄せられたという。今回発表された最終版にはその一部が反映されたとしている。
日本で言えばソバアレルギーのイメージが近いですね。
さて、そのピーナッツ・アレルギー予防にアメリカ政府が指針を出しました。
なんと従来行われてきた除去と真逆の「乳児早期からの摂取を推奨」というコペルニクス的展開で、さらにすでに湿疹や卵アレルギーのあるハイリスク患者さんも含むという大胆なもの(ただし専門医の管理下でという条件付)。
これは、卵アレルギー予防に早期摂取が有効、という流れと同じですね。
■ ピーナツアレルギー予防に指針、NIH 〜発症予防に早期からのピーナツ摂取を推奨
(2017.01.06:Medical Tribune)
米国立衛生研究所(NIH)は1月5日、小児科医や家庭医などの医療従事者を対象としたピーナツアレルギー予防に関する臨床ガイドライン(GL)をJ Allergy Clin Immunol(2017; 139: 29-44)などに発表した。ピーナツアレルギーの発症を予防するために、高リスク児を含む乳児に対し、早期にピーナツが含まれる食品を与えることを推奨している。同GLは2010年に発行された米国の食物アレルギー診断・管理GLのピーナツアレルギー予防に関する追補版としてまとめられたもの。昨年(2016年)3月に公表された草案(関連記事)に対するパブリックコメントが反映された最終版となる。
◇ 「重度の湿疹+卵アレルギー」の高リスク児にも検査の上で摂取を推奨
同GLは、2015年2月に報告されたLEAP試験(関連記事)の結果を受けて策定された。生後4~11カ月の高リスク乳児約600例を対象とした同試験では、ピーナツの早期摂取によって5歳までにピーナツアレルギーを発症するリスクが81%減少することが示された。
GLでは、ピーナツアレルギーを発症するリスクの高さを、
① 重度の湿疹、卵アレルギーのいずれか、または両方がある乳幼児
② 軽度~中等度の湿疹がある乳幼児
③ 湿疹または食物アレルギーのない乳幼児
―の3段階に分類。
最もリスクが高い①に対しても、特異的血中IgE検査(sIgE)および/または皮膚プリックテストを実施し、必要に応じて食物経口負荷試験を実施した上で、生後4~6カ月にピーナツが含まれる食品を与えることを推奨している。また、②に対しては生後6カ月前後に、③に対しては各家庭の希望や文化、習慣に応じて適切な時期に、ピーナツが含まれる食品を与えることが推奨されている。
なお、草案では①の高リスク児に対する検査アルゴリズムにおいて、皮膚プリックテストで膨疹の直径が大きくピーナツアレルギーの可能性が高い乳児には「ピーナツの摂取を回避すべき」とされていたが、最終版のアルゴリズムでは「専門医による評価と管理を継続すべき」と変更されるなど、推奨内容の一部が変更されている。
米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)アレルギー・免疫・移植部門のDaniel Rotrosen氏は「LEAP試験によって明らかにされた(ピーナツの早期摂取による)ベネフィットは極めて大きく、科学的な信頼性も高かったことから、ピーナツアレルギー予防に関する指針を策定することで同試験から得られた知見を活かす必要性に迫られた」と、今回のGL策定の背景について説明している。
同GLの草案は昨年3月に公表され、その後45日間に104件のパブリックコメントが寄せられたという。今回発表された最終版にはその一部が反映されたとしている。