一昨日の深夜の地震とか昨夜の雷雨など新緑の5月にはふさわしくない天候が続いた。
そして4月7日に発令された緊急事態宣言の期間が終了したはずの今朝は強風ながら快晴となった。
とりあえず5月末までとする「延長戦」に入ったのだが、1か月間の半強制的な自粛の代償として、国民一人当たり10万円の支給が土壇場で決まったが、あと1か月も延長されたら、再度「10万円支給」せよという声が国民の声に押されるように与党内からも上がり始めていた。
そんな状況に安倍晋三は、1週間後の状況を見て改めて判断するとした。
「安倍首相「緊急事態宣言」の解除基準、14日めどに公表する考え」
それを受けてかどうかはわからないが、比較的感染者数が少ない県では「休業要請」の解除が行われ始めている。
それにしても腰が定まらない安倍晋三である。
自分で様々な情報を集め分析し判断するということを一切せずに、官邸の経産省の回し者たちの側近からの情報を鵜呑みにしてしまう安倍晋三である。
この数か月間の発言のメディアニュース画面から時系列に並べてみる。
お隣の韓国では2月末には最大9000人超の規模になっていた。
それが時間の経過とともに日韓の状況が逆転してしまった。
news23
— あらかわ (@kazu10233147) May 5, 2020
2月末には新型コロナ感染者数が一日900人を超えた韓国。同じ頃、安倍は韓国より感染者を抑えていると豪語。しかし同時期に韓国は一日一万件以上PCR検査を実施に対し日本は千件程度。検査と隔離を徹底した韓国。検査よりクラスター潰しの日本は、韓国の感染者数の1.5倍、死者は2倍以上に。 pic.twitter.com/624uMFNbhu
「news23 韓国PCR検査の"秘密"に迫る」
— 原口 一博 (@kharaguchi) May 5, 2020
2月29日の安倍首相会見も見ることができる。
「今では、累計感染者数で韓国の1.5倍、死亡者数は2倍となった。」
専門家は、「実際の感染者は、10倍いるのでは?」と言っている。
https://t.co/qi2xKmRZo4
やはりこれでも「韓国には学ばない」ということなのか?
【news23】韓国 PCR検査の“秘密”に迫る
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言っていた。
「安倍首相に近い閣僚経験者のテレビでの発言にはア然としました。〈韓国や台湾はMERS(中東呼吸器症候群)の知見があるが、わが国は経験がないから対応が遅い〉と言うのです。弁解にもならないでしょう。百歩譲って、そうであるならば、余裕の出てきた隣国に知恵を借りるとか、支援を求めればいいものを、アジア蔑視に根差したおかしなプライドが邪魔してそれもしない。その上、効率化優先の新自由主義ムキ出しで、この状況下でも医療費削減を推し進め、公的医療機関の病床削減に644億円も費やしている。失敗を認めなければ、さらなる過ちを積み重ねるのは必至です。どんどん出口は見えなくなっていく」
それでも、忍耐強い日本人は自粛要請をあからさまに破るということはしない。
メディアでは「自粛破り」の連中の行動を拡散しているが、全国民からすれば極一部であろう。
おそらく今後は徐々に自粛要請解除が行われることだろうが、一気に普通の生活に戻れば元の木阿弥になってしまう。
世界各国での対策を、「解説付き画像で見る世界の社会隔離の努力」から紹介しておく。
By Los Angeles Times
スペイン、バルセロナのスーパーマーケットの外で列を作って待つ買い物客。専門家は6フィート(約230cm)の距離を置く事を徹底した場合、COVID-19の拡散を遅らせる可能性があると述べている。
By The Star
マレーシアにあるマクドナルドで注文待ちの列に並ぶ顧客。
By Mashable SEA
3月28日、東京千代田区にあるホテル.グランド.パレスでの卒業式:ビジネス.ブレークスルー大学の学生はロボットを利用し、距離を保ちながら独創的に卒業する方法を考案した。
By Internewscast
シンガポールのショッピング.モールでもフード.コートの一部レストランによる緩い社会隔離が見られる。
By AsiaOne
シンガポールのパナソニックで働いている職員の社員食堂は4方向の仕切りがテーブルに置かれている。
By CNBC.com
中国の湖北省中央部にある武漢のホンダ自動車工場で2020年3月23日に撮影:昼休み中に食事をしている従業員。
By Reuters/Carlos Barria
- マイアミ国際空港の待合室:この日、新型コロナウイルスの症例数が多いニューヨークへの便はキャンセルされた。
さて、ラテンアメリカと日本を拠点に活動する音楽家・作家 八木啓代が久々にブログを更新していた。
<新型コロナについての、ある程度のまとめ>
2020-05-06 八木啓代のひとりごと
・・・前略・・・
なお、その頃の日本の感染研の悪弊はいまだに引き継がれていて、「自前のPCR検査」にこだわるあまり、一度に1000件検査できて結果が4時間で出る韓国製キットなどを意地でも使わないし、むしろ、検査能力の低さをごまかすために、「できるだけ検査しない」→「検査しない方がいい理由なるものを必死で吹聴する」という流れになってしまって、そこから方向転換できなくなっている模様なのが現状であります。
やる気になって、ちゃんと態勢を整えれば、日本でも PCR 検査なんてガンガンできちゃうであろうことは、なぜか外国でだけ使われている日本製の全自動PCR検査機器が存在していたり、慈恵医大病院が自慢しているとおりですね。
新型コロナ Covid-19 に 話を戻すと、みんな忘れていますが、人から人への感染が確認されたのが、1月18日、中国で最初の死者1名が報告されたのが、2月3日です。
つまり、武漢で感染爆発が起こる1月21日ごろまでは、みんな、完全に甘く見てたわけです。
(ちなみに、ネトウヨ系の皆さんは、中国隠蔽説が大好きですが、武漢の保健省は、昨年の12月31日に、肺炎が流行っていることに対して、公式に注意を喚起しています)
また、新型コロナウイルスが人工のものではあり得ないことは、アメリカの遺伝子疫学研究者が、遺伝子変異をトレースして、Medical Science誌に論文を発表し、ほぼ決着がついた形になっています。
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0820-9
(もちろん、論文1本が決定打になるわけではないので、人工説を補強するような論文で査読を通っているものなど1本もない、と言い換えた方が良いかもしれません)
そういう意味で、この新型コロナがけっこうやばい、ということが明らかになってきたのは、3月にはいってからでしょう。で、それでも、3月初頭の時期は、80%以上の患者は軽い病状で回復しているという報道から、それならそんなに過剰に騒がなくても、という空気があったのは事実です。
3月の10日すぎ頃 から、まさかの、急転直下といってもいいほどの世界的な感染爆発とそれにともなう大量死が起こったわけです。
3月7日にニューヨークタイムズが、当初、中国のロックダウンについて、「影響より害が多い」と嘲笑して、2週間後に真逆の記事を掲載することになりましたが、これを安易に笑うべきではありません。後出しじゃんけんは誰でもできるわけで、その時点では、各地で緊急事態宣言は出ていたとはいえ、各国の感染者数なんて数百人レベルで、死者数だって一桁だったわけです。
問題は、このコロナの感染力が半端なかったということです。ほとんどの患者は重症化しなかったとしても、感染者数分母がとてつもない数字になれば、当然、死者も跳ね上がるわけですから。そして、肺炎と言いつつ、通常の肺炎の治療法で回復せず、なぜ、患者が死ぬのかさえ、いまだわからない(だから、治療といっても、対症療法を試すことしかできないうえ、その対症療法も「これは明白に効く」みたいなものがない)からです。
そして、そういう患者が激増したことで、イタリアやスペインで次々に医療崩壊が起こり、ニューヨークも悲惨なことになったわけです。
もう一度言いますよ。後出しじゃんけんで「最初、ああいってたくせに」みたいな議論は、刻々と状況が変わるようなときには、ほぼ無益です。
もちろん、政治主導で、早い時期から最悪の事態を想定した対策して見事に押さえ込んだ台湾や、同様に素早い対処で感染爆発から立ち直った韓国は見事で、まさに賞賛に値するのですが、多くの国は「間違えた」わけです。
問題は、間違えたことではなくて(なぜ、間違えたかは、あとで検証したら良いことで)、間違いが判明した段階で、どうすみやかに軌道修正して、臨機応変に対処するか、ということです。
そこで、「一週間前はこう言ってたのにw」「朝令暮改」とか言って批判するのは的外れでありましょう。状況が刻一刻と変わっているという事実を認識して、最新の状況に素早く対応する姿勢こそが重要なのです。
※ちなみに、この最新の状況に対応するというのは、過去に言ったことを、そんなことは言ってないとか誤解だとか主張して歴史を修正する、ということではありません。過去の発言なり発表が間違いだったとちゃっちゃと認めて、迅速に軌道修正することです。
そういう意味では、ヨーロッパやニューヨークで地滑り的な感染爆発が起こって,とんでもない事態になっているのに、まだオリンピックに固執するとか、クラスター対策とかにこだわって、PCR検査をしないとかというのは、まさに、「間違いがわかっても、それを断固として認めないし、軌道修正も断固としてやらない」「状況は刻一刻変化しているのに、一ヶ月前と同じ事をだらだらやってる」「発熱を4日我慢して重症化した死者が続発したら、我慢しろとは最初から言ってないと言い出す」というのが、最悪なわけで、残念ながら、皆さん、もうそれがどこの国のことを言っているか、お気づきでしょう。
そして、その死亡率について、当初、WHOは2%と見込んでいました。
季節性インフルエンザの死亡率が0.1%ですから、それでも20倍ということですが、それが、イタリアではなんと13%、米国で5.8%以上に跳ね上がっています。5月5日には、世界中での死者が25万人を突破しました。それどころか、イタリアに至っては、3月の超過死者数が例年より1万人多くて、隠れコロナ死者が実はまだまだいそうだみたいなことになっています。
スペイン風邪と比べたら、それでもまだ大したことはないじゃないかと思ってる人もいるかもしれませんが、スペイン風邪の流行った1918年は、第一次世界大戦の時代です。大戦でヨーロッパは疲弊し、人々の栄養状態も悪く、そもそも戦争のせいで疫病情報などもちゃんと伝わっていなかったし、言うまでもなく医学水準は段違いに低かったわけです。結核が不治の病だった時代ですからね。
いまの、100年経って医学が格段に進み、最新の論文がネットでリアルタイムで読める、この時代で、3ヶ月ほどの間に25万人が死んでる、というところ、けっして甘く見ていいものではありません。
国によって死亡率が極端に違う原因は、まだ不明です。とはいえ、重症化率が高いのは、高血圧・糖尿病・肥満ということは判明しているので、この生活習慣病系の人が、アジアと比べて、ヨーロッパや米国に格段に多いことと、それなりに関連がありそうです。
無症状感染者がかなり多いらしいということも、判明しています。日本でも慶応医大病院の来院者の5.97%、神戸市立医療センター中央市民病院3%の人に抗体があることがわかって、その人たちが無症状感染者であったなら、死亡率は劇的に低下することになります。
イタリアや米国も、とんでもない数の無症状感染者がいたとしたら、死亡率は案外、2%以下どころか、1%以下なのかもしれません。
将来的に、各国で抗体の保有率の調査が進んでいくことで、リアルな死亡率もわかってくるでしょう。
ただ、この新型コロナの場合、厄介なのは、死亡率だけではなく、発症して回復したとされる人々にかなりの後遺症が残る例が、これまた多数報告されていることです。重篤化した人は肺胞がかなり破壊されてしまっていて、もう元には戻らないことが確認されていますし、軽症レベルであった人でも、ダイビングなどの激しいスポーツなどがもうできなくなる可能性があります。
また、症例が増えるにつれ、このウイルスは、肺に最も重篤な被害を与えるケースが圧倒的である一方、さらに心臓や血管、腎臓、腸、脳なと゛多くの臓器にまて゛到 達し、腎不全や心臓疾患、脳卒中を起こすことも確認されています。子供の血管炎症である川崎病そっくりの症状を示す子供たちが Covid-19に感染していたことも判明しつつあります。
そういったことから、ウイルスが血管にとりついてそこから攻撃しているのではないかという考え方が有力になってきています。
味覚障害や嗅覚障害が起こることから、脳や中枢神経も攻撃されているのではないか、と考えられてもいます。
要するに、いまだ、対応に追われていて、研究途上。発症や重篤化のメカニズムが解明されていない。だから、治療法も対症療法しかない。
それが、この新型コロナの怖いところです。
ワクチンを期待する報道も多いのですが、今現在開発されているワクチンは、ことごとく、遺伝子解析による RNA ワクチンです。そして、実は、この RNAワクチンは、いまだに実用化に至った例はありません。この新型コロナが、最初の、そして素晴らしい解決になれば、そりゃあ、願ったり叶ったりなんですが、「今まで実用化されたことのない技術」だからこそ、その安全性などについては、慎重に試験されなくてはなりません。私は、間違ってもワクチン反対派ではありませんが、政治家のウケ狙いで、安易に治験を広げるのは怖いことだと思います。
また、それなら、がんがん抗体検査を実施して、抗体がある人に「免疫パスポート」を発行して、そういう人は自由に出歩いたり、介護に当たったりできるのではないかという議論もありますが、Covid-19に感染して、治癒したあと、再感染しているケースもいくつも報告されています。
この再感染が、武漢株と欧州株の違いで起こるのか、抗体があっても何度でもかかっちゃうようなものなのかもわかっていません。ヘルペスみたいに、いったん治ってもウイルスが体の神経節かどこかに棲みついて、体の抵抗力が弱ると何度でも再発しちゃうような可能性だって、捨て切れていません。抗体検査は、実質的な死亡率や重症化率を計測するのには有効ですが、抗体があるから安全と言えないのが現状である以上、ワクチンができても、それが効くかどうか、あるいは今年効いたとして、ウイルスがまた変異したら、そっちに効くかどうかなんて、まだぜんぜんわからないというのが残念な事実です。
要するに、重症化のメカニズムも、再感染のメカニズムもわかっていないので、特効薬とかワクチンのニュースには、安易に飛びつかない方が良いと言うことです。
とはいえ、コロナ死より経済崩壊の方が多くの死者を出しかねない、というのも、また事実です。ひとつの倒産が連鎖倒産を引き起こすのは目に見えています。それこそ死屍累々になりかねない。コロナが収束したときに、個人店が悉く消滅して、チェーン店しか残っていないような恐ろしい風景は、見たくないものです。
そして、抗体所有者の多さから、実際の死亡率、それ以上に発症率はかなり低い可能性も出てきます。
それだけに、現実的には、米山隆一氏が主張されていたように、多くの検査を行って、正確に近い RO 値(基本再生産数=1 人の感染者が生み出す、二次感染者数の平均値)を割り出し、その数値に基づいて、地域ごとに「強い外出制限」を行ったりそれを緩めたりする臨機応変な舵取りを行いつつ、経済的に最も打撃を受ける中小企業や個人営業をしっかり救援する、という政策が合理的かつ現実的なのだと思います。しかしそれには、やはり、為政者がしっかりしていなければなりません。
政治を軽く見てきた国民が、その高い代償を払わされている感が否めない今日この頃ですが、このまま日本に沈没してほしくないのは、誰しも同じでありましょう。
こうなってしまった以上、和牛券が撤回され、あれだけ官邸が抵抗していた10万円給付が決まったように、あきらめないで、しっかり声を上げていくことが大切です。
政府も専門家も当てにできなくなってしまったコロナ禍。
「あきらめないで、しっかり声を上げていくことが大切」なので、最後に「奈良新聞」のこのメッセージを紹介して、現状を変えるのは有権者の賢明な投票行動であろう、とオジサンは思う。