建交労長崎県本部

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4人が遺族補償不支給取り消し訴訟を起こす!

2016年06月02日 11時22分31秒 | 活動報告
遺族組合員4人が国の決定を取り消す裁判を長崎地裁に起こす
建交労九州支部長崎分会の4人の遺族組合員が5月31日、長崎労働基準監督署長(国)のじん肺遺族補償不支給決定の取消しを求めて、長崎地裁に提訴しました。
 4人の夫はそれぞれ県内の炭鉱や造船関連の現場、鉄工所などの粉じん作業に長年従事し、長崎労働局長がじん肺管理2(故H・Nさん)、管理3イ(故H・Kさんと故K・Iさん)管理3ロ(故A・Uさん)と決定し、労基署長は何れも続発性気管支炎の合併症を認め、労災補償を受けていました。じん肺の原因となった粉じん作業も一番長い人は44年間にもおよび、一番短い人でも27年間の粉じん作業歴を有します。51歳と58歳で亡くなった二人は、同じ炭鉱の坑内電気工として一緒に働きました。
死因の間質性肺炎はじん肺症の一つ
 4人の死亡原因は、何れも間質性肺炎ですが長崎労基署は、「じん肺は急速に進むことはない」ので原因は「じん肺」とは関係のない「特発性非特異性間質性肺炎」が何らかの原因で発症したもので、認められないとしています。
故K・Iさんは、N大学病院の死亡診断書で「塵肺の急性増悪」と明記されています。4人の労災認定時の主治医でもある高原勇医師は労基署が求めた故H・Nさんの意見書に「じん肺症で間質性肺炎を併発する症例は多い。間質性肺炎の病因は種々あるが、じん肺症もその病因の一つであり、他の原因は認められない(本例の場合)」のべ、故A・Uさんの意見書では「初診時よりX線上、間質性肺炎を多数に示す症状で、同様の陰影がしだいに増強して呼吸困難で死亡している。これはじん肺と直接関係している現象で、死因との因果関係が深い」と回答しています。
間質性肺炎はじん肺の基本的病態
 疫学リサーチセンターの海老原勇医師は、長い臨床経験や疫学調査を通じ「間質性肺炎はじん肺の基本的病態である」と述べ、急速に進行し蜂窩肺(蜂の巣状の陰影)になる事例も上げています。厚生労働省の担当者も全国じん肺キャラバンの要請時に「間質性肺炎だからと言って認めないということではない、総合的に判断する」と回答しています。建交労九州支部長崎分会の組合員だけでも08年から16年までの8年間で15人が間質性肺炎を発症して亡くなっています。
提訴後の記者会見で無念さを語る故H・Nさんの遺族
 提訴後に行われた記者会見で故H・Nさんの遺族は「N大学病院の医師はじん肺が原因と死亡診断書にはっきり書いている。何故、監督署が認めないのか納得できない」と憤りました。




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