建交労長崎県本部

全日本建設交運一般労働組合(略称:建交労)長崎県本部のブログです。
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石綿じん肺労災不支給取消川名訴訟第10回弁論開催!

2012年10月04日 09時25分49秒 | 活動報告

 石綿じん肺労災不支給取消川名訴訟の第10回弁論が10月3日、宮崎地裁で開廷されました。この日の裁判で原告側代理人は、原告川名勝代さんの亡き夫川名國夫さんが、旭化成延岡工場で働いていた頃の石綿ばく露の状況を把握するために、同社で中皮腫に罹り労災認定されている6人の状況証拠を監督署に調査嘱託として出させるよう裁判所に求めました。そして、故國夫さんの仕事を見ていた同僚と勝代さんを証人尋問として採用して欲しいと申し立てました。また、被告国側も故國夫さんが働いていた時代の健康診断やレントゲンなどを旭化成に調査嘱託として出させるよう求めました。裁判所は、原告、被告双方の申し立てを採用しました。
 6人の中皮腫患者が発症しているように旭化成の製造工場で石綿が使用されていたことは疑いのないことですが、故國夫さんが就労していた、目地小屋(昭和23年1月から昭和39年8月)と呼ばれる所での作業で、どのように石綿にばく露したかを再現することが重要です。原告側は、故國夫さんと一緒に働いていた同僚を探しましたが、目地小屋で働いていた人はすべて亡くなっています。
 国側は、石綿ばく露を過小に評価し、当時の健康診断で他の病気があれば、そのせいにしようとしています。また、死亡の原因が間質性肺炎と血管炎であり、石綿ばく露とは関係がないと言う主張を繰り返しています。
 間質性肺炎や血管炎は、粉じん作業労働者に多発している自己免疫疾患です。石綿じん肺は中皮腫だけを引き起こすのではなく肺がんや間質性肺炎、血管炎などのANCA関連疾患を引き起こします。他の疾患の方が、中皮腫の何倍も多いのです。裁判所は、國夫さんが石綿ばく露を受けなければ、このような病気には罹患しなかったことをきちんと認めて欲しいと思います。
 次回の裁判は、12月21日(金)10:00から行われます。(写真は、宮崎中央法律事務所で開催された報告集会


振動病裁判福岡地裁で勝利判決!

2012年10月04日 08時46分45秒 | 活動報告

 建交労九州支部熊本分会の組合員が、振動障害の労災請求を不支給にされ取消を求めて闘っていた判決が10月3日福岡地裁であり、第5民事部(岩木宰裁判長)は、田川労働基準監督署長の不支給を取り消す原告勝訴の判決を下しました。
 訴えていたのは鹿児島県在住の富永明さん(写真で「勝利判決」の垂れ幕をかかげている人)で、トンネル坑夫としてピックや削岩機などの振動工具を長年使用し、手指のしびれや痛み、冷え、こわばりなどの症状が続くようになり、熊本の病院で振動障害と診断されました。しかし、福岡労働局・田川労働基準監督署は、富永さんの労災申請を不支給にしました。不支給にした理由は、熊本の病院の診断は信用できないので、他の病院に受診命令を出し、不支給にするというあってはならない理由です。
 振動障害は、振動工具の使用を長年続ければ、誰にでも発症するおそれがあるということで、厚生労働省は「認定基準」を定めています。認定基準を満たせば、労災として認めなければならないのです。
 原告団と弁護団、建交労熊本県本部は「認定基準を満たしているにもかかわらず不支給決定をするという行政による振動病認定基準の恣意的運用に断固反対して抗議するとともに、控訴を断念し恣意的運用を改めるよう強く求める」という声明を発表しました。労働者が安心して働き、労災職業病に罹患すれば安心して療養できるようにするために、国は控訴を断念するよう皆様のご協力をよろしくお願いします。