無量大数 - 10の68乗の世界

個人用ストレージもテラバイトオーダーに到達した昨今、世界に散らばるさまざまなジャンルのトピックを拾います。

FASTECH360Sいよいよお披露目

2005-06-10 22:17:36 | 交通問題
究極の、という形容詞をつけてもいいかもしれない。

農道空港、スーパー林道など、問題外の公共事業が跋扈するせいで、公共事業全般に対する国民の眼は厳しさを増している。かくいう筆者もその一人だ。プライマリ・バランス達成は無論大事だと思う。だが、本来社会資本の充実は健全な経済活動を支える基盤として役割は大きく、また民間企業が単独でするには向かないものも多い。突き詰めるべきはただ1点、取捨選択をしなければならない。お金がないのだから、やはり費用対効果が高い事業だけに限定して進める必要がある。

航空路線で世界一の旅客流動を誇る東京-札幌間で計画されている北海道新幹線は河川・道路・港湾・空港など数ある公共事業の中でもずば抜けて費用対効果が高い。下モノの鉄道施設と今回登場した車両を組み合わせれば、乗り換え回数の多い航空機より利便性が高い3時間台前半での運行も可能となる。

新幹線批判派の方のよくある誤解のひとつに東京-博多間との比較がある。東海道・山陽は開業が古く、線形が悪いので速度が出ない。ノンストップに近い運転でも4時間台後半が限度であり、現状の1割シェアの改善がかなり難しいのはやむをえないと思う。

しかし東北北部・北海道区間は過疎地帯であり、線形が非常によく、また車体傾斜システムの支援により400km/hでの連続巡航も可能だ。これにより航空機との競争力は格段に上になる。

環境負荷(環境税導入はぜひやって欲しい)を考えるとき、また関東空域の逼迫を考えるとき、羽田再拡張よりも優れた選択が北海道新幹線の整備である。が、思考が30年前の新幹線のイメージで固まっている一部の政治家・プレス関係者には理解が難しい事柄であるのだろう。

彼らへの地道な説得が必要である。

余談だが、整備新幹線3線のうち、費用対効果でもっとも劣る長崎新幹線がスーパー特急方式で同時着工というのはやはり解せない。儲かるものに先にお金をつぎ込むことは民間ではあたりまえだが、政治色の濃い事業では無理な相談なのか...

最新の画像もっと見る