CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

入院中毎日リハビリしてますか?

2005-11-05 19:30:00 | リハビリ
「今日は日曜日だから、抗生物質の点滴はお休みです。」

・・・・肺炎で入院した患者さんに、こんな馬鹿な話、あり得ないですよね。

 ところが、リハビリテーションの場合は、どの病院でも日曜日はお休み。脳卒中なので回復する時期が限られていても、廃用症候群で日に日に衰えている状態が目に見えていても、日曜日、祝日はお休みになる場合がほとんどです。国公立系の病院では、さらに土曜日もお休み。年末年始やゴールデンウィークには、10日くらいリハビリテーションが行われない状況すらあります。
 これはリハビリテーション部門が怠慢だからでしょうか?それは違います。療法士1人あたりの治療数は1単位20分として、1日18単位という上限が決められていますから、これ以上はどうしようもありません。最大の問題である病床数に対する療法士の数が著しく少ないという現状を解消しなければ、療法士が夜中まで働いても日曜日のリハビリは実現しません。そうです。経営者の責任というわけです。
 週に5日のリハビリで手一杯の病院が、1年365日リハビリを実現するためには、単純に考えても現状の5分の7倍の増員が必要です。リハビリの専門家から見て、1日2単位(40分)必要なのに1単位しか実施できていない場合や、本来リハビリが必要なのにリハビリ依頼が主治医から出されていない潜在的な適応が数多くありますので、ほとんどの病院で療法士を2倍増、3倍増しなければ、まともなリハビリ医療はできないと考えています。
 私がいる病院でも、ようやく来年度から理学療法士が2倍、作業療法士が4倍、言語聴覚士が3倍に増えます。365日リハビリ体制までもう少しです。
(現在、365日体制でリハビリを行っている1000床規模の急性期病院はないと思います(あったらご連絡下さい)。また、回復期リハビリテーション病棟で毎日リハビリをやっている病院は、FITで有名な藤田保健衛生大学七栗サナトリウムと、関西リハビリテーション病院など少数です。当然人件費は高くなりますが、極めて効果的であり、短期間の入院で回復しますので、徐々にこの体制の病院は増加しています。そして高密度短期間の治療になりますので、トータルの医療費は少なくて済むはずです。)
                    (道免和久)

『筋緊張』という用語について

2005-11-04 08:17:10 | リハビリ
『筋緊張』という用語の納得できる定義を見たことがない。
そういう私も、脳卒中の機能評価SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)を開発する中で、特に無批判に『筋緊張』という項目を作ってしまった。他動的な運動に対する抵抗を評価する、と定義されているので、これはこれで問題は少ないと思われるが、どうも釈然としない。
伸張反射の亢進もその他の反射亢進も痙縮も固縮も随意的抵抗もgegenhaltenも拮抗筋同時収縮もstiffnessもviscosityも、全部、区別なく『筋緊張』と呼んでいる医師や療法士が多い。しかも、『筋緊張』が亢進するような動作や治療は避けるべき、という根拠なき『暗黙の了解』に支配されている人が多い。
教養をもち、『無知の知』という謙虚さをもって、患者さんと向き合い、医学研究を進めて欲しいと思う。

気分転換 ~はじめてのインド料理

2005-11-03 22:32:40 | ライフ
はじめてのインド料理―HEALTHY WAY TO INDIAN COOKING

文化出版局

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休日、気分転換によくカレーを作ります。時間がかかる種類は作れませんが、この本の通りにすれば、簡単にそれらしい味を出すことができます。スパイスだけは揃える必要がありますが、その他は近くのスーパーでOK。この記事のタイトルは「はじめての・・・」ですが、この本は台所の水分でしわしわになるほど、頻繁に使っていて、掲載されているカレーは全種類作りました。
是非おためし下さい。

多変量解析のはなし

2005-11-01 21:08:04 | リハビリ
多変量解析のはなし―複雑さから本質を探る

日科技連

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学位研究(脳卒中の機能評価SIAS)や脳卒中の予後予測の研究をしている頃、この日科技連の大村平さんのシリーズは、大変、参考になりました。他にも「評価と数量化のはなし」や「予測のはなし」などの著書があり、難しそうに思える統計をわかりやすく解説しています。