今日は特別な金曜日です。イエスが捕まって十字架に架けられたことになっている金曜日で、聖金曜日とも言います。この日に毎年世界中でマタイ受難曲を演奏していまして、クリスチャンもそうじゃない人も一堂に集まり、イエスの受難の物語を聴きます。日本でもコレギウムジャパンがオペラシティータケミツメモリアルホールで演奏しました。
この物語は知ってる人は知っている、かなり強烈な内容になってます。「捕まえろ!鞭で打て、十字架に架けろ!」とまぁ刺激的な言葉。クリスチャンの世界ではイエスは私たちの罪のために身代わりになって死んだことになっているので、それはもうトラウマになるほど。一緒にこの苦しみを感じ、一年の垢を落とすというか浄化される気持ちになる。そして3日後のイースターで復活をお祝いする。という一連の流れ。コンサートを聴きながら一緒に苦しむ3時間でもあります。
マタイ受難曲の曲はどれも美しく、心の中にスーッと入ってきます。特に有名なアリア、ヴァイオリンとアルトが歌うニワトリが3回泣く前に歌われる曲ではコンサートマスターの寺神戸亮さんが切ないほど、美しい心の声を淡々と演奏されました。(寺神戸亮さん、私sajimakiのアイドルでして、勝手にダーリンと呼ばせていただいているのですが、その話はまたいずれ。)私が以前演奏したアウスリーベは歌詞の「ニヒト」の所が強かったのが印象的。苦しい否定の言葉。
タケミツメモリアルホールはステージの上が尖っていて、私にとっては教会堂のようなイメージで、音が天上に上っていく感じ、序曲と1部終曲はパイプオルガンと児童合唱(昨日は中高生の女声合唱)が2階から天使の声のように降ってきてマタイをこのホールで演奏する意味を感じました。