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「描く」仕事の現場から

イラストレーター兼デザイナー兼ディレクターTETSUの独り言

車。雑感。

2008年10月10日 | レタッチの現場
最近、高級車/外車といったもののレタッチを
よくこなす。メーカーは何社か、かつ何種も有る。
どこも、某B社のチラシのテイストがお好みのようだ。

車はリアルを求めるだけでは納得されないケースがある。
大切なことは「売る」事だからだ。

ディーラーレベルのチラシになると尚更そう。
メーカーのカタログは「ブランディング」
ディーラーのチラシはターゲットマーケティングなのである。

ま、それはさておき、
今晩もレタッチと朝まで戯れる。
AEには覚悟してもらおう。

そして今晩もレタッチを

2008年09月19日 | レタッチの現場
で、帰ってきましたが、
これから、先日スタジオ撮影した
広告写真のレタッチの続き。

最近モニターが調子が良くなく
(古くなって劣化して来た)
見えづらいところがあって、
早めに投げて、モニターのいい環境で
確認作業をしてもらう事で
何とかこなしていますが、
さすがにモニターいいものに変えないと
気づかない場所も多く、いろいろ不便。
そろそろ限界かもなー。モニター。

リアルな判らない嘘とわかりやすく嘘

2005年03月27日 | レタッチの現場
今日、レタッチをしていて思ったのだが。

レタッチは、ある意味、「嘘」だ。
実際そうなっていないのに、
広告計画の目的にそって
よりよく見せるため作り変える作業だ。

レタッチには2通りの嘘がある。

ひとつは、きれいに見せるため
極力判らないように、自然に見せる
「判らないようにする嘘」。

左右が足らない写真を自然に増やして繋いだり、
右ハンドルを左に変えたり、
ナンバープレートを消したり、
壁の穴を塞いだり。
あるいは、肌のシミやしわをとったり。

もうひとつは、その世界観をより強めるために
「わかりやすく表現するための嘘」

光っていないところが強く光って見えたり、
キラキラしていないところがキラキラして見えたり。
(ディ●ニーなんかは典型)

2つの嘘をつく目的は
「より、広告目的に近い効果を出すため。」

実際よりも「リアル」であろうとすることが
実は、本当の意味では「リアル」ではなく
手がかけられていることを、広告を見ている側は
多分、知らない。

以前、ディ●ニーのポスターの写真合成をしたのだが、
そのアングルは本当に現場にいっても、写真には撮れない
ある意味、架空の理想のアングルだった。
それを、パーツ別撮りして合成して自然に見えるようにして
しかもキラキラさせたりしたのだ。

それを依頼してくれたプロダクションに
どこから、その制作会社を探したのか、
たいそう驚いたのだが、ディ●ニーの
地方から来たというファンから電話があって、
「そちらで作られたポスターのアングルで、
どうしても記念撮影したいのですが、どこに行けば
撮れるのでしょう?」という
質問の電話が来たことがある。

そのアングルは実は、制作者の頭の中にしかない。

担当者はさぞかし伝えにくくて困ったであろう。

またある時は、
ある女優さんのレタッチをしたのだが、
これも、実際の方の写真には
いろいろとレタッチして、
みなさんの見ているものと結構違う
状況にしたことが何度かある。

広告塔としての彼女達の本来理想的である状態を
よくイメージしてレタッチしていくとでもいうのか。

何にしても、制作者サイドに立つ人は
町中に溢れている情報をそういうモノだと
鵜呑みにしないことだ。


レイヤー構造は先を読んで作れの巻

2005年03月17日 | レタッチの現場
要はトラブルを回避したいという話である。

現場でフォトショップのレタッチしたり合成したり
そんな作業をしたことのある人なら、
誰でも何度かは経験があるであろう。

「ここ、こう直してほしいんだけど‥」

今言われてもその途中段階のデータ、もう上書きしちゃったから
残ってね~~よ!

という経験。

元データはとってある。
だが、最新加工データに到る途中のデータが
欲しい時。よくある。

トップの現場の実際のレタッチ会社の
場合、こういうことに対しての対処は
どうとっているのか。

少しだけ話すと、

基本は「マスク処理」。
元データは加工しない。
あるいは保持しておく。

いわば、これが事故防止のコツである。
「補正データ」上で変換やレタッチは済ませる。

そういう割合を極力増やす。

あとは、意識の問題。
クライアントもADも世の中も
「人間」。気は変わることがある。

何十かに先を読んで、
様々なパターンが来ても大丈夫なように
レイヤーを保持し、構造を考える必要がある。

たとえ、出来上がりが同じでも、
そういう対処が信頼につながる。


レタッチ

2005年03月16日 | レタッチの現場
モノクロ広告のレタッチのシゴトをしている。
レタッチは奥が深い。

正直、やり出すとキリがない。

レタッチをやらせてもらっている時は
料理人の気分だ。

素材のよさを引き出す。
そんな作業。

特にすてきな写真にあった時は
見ていても触っていても楽しい。

大切なのは、それがなぜすてきな写真なのか
そのことと対峙することだ。
ちゃんと対峙できているか、
ありのままの素材を理解できているか、
自分の力量にはいつも不安になるのだが、
まず、その理解への努力がなければ、
どんなテクニックも徒労に終わる。

若い頃は、やたらいじくり過ぎて、
レタッチ過多になりがちだったかもしれない。

やっているうちにその楽しさの深みに
はまってくる。
やり方のアプローチは幾通りもある。
選ぶ理由もその場その場で違う。
マニュアルはない。
すべては、「理解」から
「意図」と対話し、隠れている様々な「トーン」と遊び
「粒子」と格闘する
そんな感じ。

カメラマンさんが一生懸命撮ったカット。
アートディレクターさんが懸命に考えたレイアウト
コピーライターさんの切れたコピー。

そんな現場はたぶん、
シビアであっても、きっと楽しい。