「描く」仕事の現場から

イラストレーター兼デザイナー兼ディレクターTETSUの独り言

チェンジ。イラストレーターの場合。

2009年02月19日 | ■社会
明日は協会の今季最後の理事会です。
その前に様々な未来に向けてのビジョンを
今日有志の理事で親睦会をかねて、
妄想ブレストを飛ばして来ました。

イラストレーターを生業としている方々は、
この1~2年で、望む、望まないに関わらず、
「生活」において、多くの方が「チェンジ」
を余儀なくされる。そういう認識、予想があります。
今まで、多くのクリエイターのぶら下がって来た
広告・出版・ゲーム・印刷などの業界が
その役割を変えつつあるからです。
一部の新聞は3月以降,利益が7割減になるとも
伝えられています。

大きなメディアが消失した今、その残像が
かすかに残ってはいますが、本質的に,今までと
同じところに同じ大きさのメディアはない事に
気がつかねばなりません。

料金体系も変わります。

イラストレーターが描くべき事、
光を当てるべき事も、広告や、出版が主体だった頃より
少し高い視点のものが求められる。
私たちのハードルも上がっています。

適正価格は「社会的にどれだけ役に立つか」も
ひとつの尺度になる。それは、多くの企業が
そう求められる事と同じ軸線上にあります。
今までより小さな予算と大きな予算が現れます。

多くの立場の方々からお話を聞いています。
そして、多くの方々が向かおうとしている方向に
私たちのアイデア・企画なども偶然にも
沿っているようです。
私たちのアクションはあちこちで化学反応を
始めました。

経済産業省/全国中央会/中小企業庁/環境省
エネルギー資源庁/地方経済/コンテンツビジネス
/NPO/ファッション業界

今までと違う分母が動き出しています。
多くのつながりが10年後までにわたる
クリエイタービジネスの今後をようやく輪郭を持って
見せ始めた、そういう感じを受けます。

私たちは、その先陣として、やるべき事が
いくつもある。クリエイターは自覚を持って
高い理想とともに社会に関わることを要求されます。

プライオリティの順番は
「社会にとって意味のある発信」
「高い意識の表現」

「意味のある消費」「意義のある消費」
そういう意識の高い消費者とのマッチング。

今年もひとつづつ。
準備は進んでいます。




グリーン・ニュー・ディール政策

2009年01月19日 | ■社会
アメリカのオバマ次期大統領がいち早く打ち出した政策に
「グリーンニューディール政策」Green New Deal)がある。

風力、太陽光などのグリーンエネルギーにエネルギーを
転換することに対して5兆円の予算を投入すると言う。
車関連産業の失業者なども多数抱えるアメリカだが
(家を失った人が80万人,職を失った人が二百数十万人いるという)
「政府の関与による雇用の創出」がポイントになって
いるともいわれる。

昨年のTシャツ・アート展で、グリーンエネルギーの
飯田哲也先生の講義にもあったが,グリーンエネルギーの
産業は次世代の産業の中心である。新しい循環社会を作るには、
まずここが革命されていかなければ,世の中は変わらない。

というか,非常に多くのアクションがすでにエネルギー産業
を中心に始まっている。旧来の原子力や、火力、水力ではない
発電による、新世紀の始まりがまさに今なんだと思う。

エネルギー政策にアメリカが本腰を入れて来たら、
ドイツにすでに多大な遅れをとっている日本は
世界から取り残されないように、きちんと考えていけるだろうか。

ここからが、日本のエネルギー政策の国際的な
正念場と言えるかもしれない。

環境省が中心となって、こんなことを始めていたりもする。

「緑の経済と社会の変革」(日本版グリーン・ニュー・ディール)
に関するアイデア・ご意見の募集について。


■環境省「グリーンニューディール」日本版施策公募

はてさて、日本の「環境力」はどこまで国際社会に通用するか。
こういったことも、「自分たちの問題として考える」
ことが求められる。

【訃報】アンドリューワイエス氏死去

2009年01月18日 | ■社会
イラスト仲間chihayaさんのブログ
知ったのだが,大好きな画家のアンドリュー・ワイエスがこの世を去った。
CNN.co,jp/米画家、アンドリューワイエス氏が死去 91歳

もう、30年以上前にはじめて,その画業に触れてから、
その絵はずっと心の奥にある。
僕の中ではこの世で最も素晴らしい絵を描く人ランキング
最上位の1人だ。

長くその絵で私たちを楽しませて下さって
ありがとうございました。
これからも残していただいた多くの絵が私達を楽しませて
くれるでしょう。合掌。

【訃報】福田繁雄逝く。

2009年01月16日 | ■社会
時代を築いた人。
大学時代、いくつかのコンペで,
その講評を受けた経験もあり、
友人の主任教授だったりしたこともあり、で
僕たちの時代は常に福田繁雄という、
「先生」とともに歩んだ。
僕たちが若い時に目指した全てのコンペで
審査員を務めていた。日本のグラフィックデザイン
は、この人抜きでは語れない。

ご冥福を祈ります。黙祷。

国際的グラフィックデザイナーの福田繁雄さん死去

「日常」が「日常」であるうちに。

2008年10月11日 | ■社会
株価暴落、悲鳴列島 大阪の個人投資家「ありえへん」(朝日新聞) - goo ニュース

1万円割れ 投資家ら「底見えぬ」 株価ボードにらみため息(産経新聞) - goo ニュース

【米国発 金融危機】株価下落どこまで 世界経済の命運G7握る(産経新聞) - goo ニュース

株価不安、一段と強まる=金融危機、収束気配なく-東京市場(時事通信) - goo ニュース

フライ・トゥ・キャッシュが鮮明、大和生命破綻で相互不信に拍車(トムソンロイター) - goo ニュース


予想していたように変革は誰の目にも
認識出来るようになって来た。
まだ、入り口でしかない。

いくつか、希望のある言葉を。
とはいえ、素人の世迷いごと。
あくまで個人の考えである事は添える。

・ピンチとチャンスは表裏一体。
かならず、大きな揺れがおこっている時はチャンスも存在する。
不透明な時期だけに手堅い部分をどれだけ堅持していくかは大切だ。
あと節約。そして、芯のある事を損得は考えずに出来る限り続ける事。

・地方に戦後最大のチャンスが来ている。
そう認識すべき。いろいろな面で。

・戦後経済の寿命が尽きたということ。
物事には成長曲線がある。経済もしかり。
戦後経済の寿命が終焉期に入っているに過ぎない。
戦後経済の終焉には当然アメリカの経済破綻も
アメリカの企業主導の破綻も組込まれている。
ドルが世界通貨である事でさえ、幻想に過ぎない。
緩やかな終焉ではないかもしれないが、
日本やEUはリーダーシップをとって、世界経済を
支える役目を担わざるを得ない。中国やインド、
中東・アフリカの新興経済に対して、どう世界を
導くのかは日本次第。
こんな時代は、初めてだが、来るべくして来た時代。

・新しい世界経済の仕組みが出来てくる。
それがいかなるものか、それを見極める事が、
イコールこの時代を生き抜く事に他ならない。

・新しい世界基準が各産業において生まれる。
そんな時代に居合わせること自体、この時代に生まれた私たちは
大きな役目を持って来たという事の証でもある。
希望を持って自分の出来る事を考えきり、行動するのだ。
生き抜いて闘う事が大切だ。

・これまでの常識にとらわれてはいけない。
先人の知恵や、経験を踏まえる事とは別次元として、
メディアも、クライアントも、発注額も、そして、生き方も
全てが今までは参考にならない時代が来ている。
そう言う認識を持つ事が大切だし、大前提である。
「発想力」が「時代」もそれぞれの人生をも創る。

身近な事で言うと、ここ一週間で多くのアカウント交渉を
したが、非常に厳しい交渉がほとんどであった。
数年前の半額でさえ、高い,出せないと言われる時代。
作業時間はカウントされず、無駄なプレゼンも横行する。
当然無駄なものは費用が発生しない。
下請に近いところにリスクはスライドする。
レートは地滑りのように崩れている。
「レート」があるという認識自体がすでに幻想の域に入っている。

発注側のアカウント関係者の悲鳴が毎日のように聞こえてくる。
彼らも一生懸命闘っている。
人ごとではない。私たちは私たちで闘う準備が必要だ。

イラストレーターが寄っかかっていた
出版/TV/広告/新聞、そしてインターネットに至るまで。
多くが再編の中で生き残りの枠を争っている。
メディアが増えるだけ、どの媒体もスリム化して
割り振られる予算は減る。

こんな時代に協会(協同組合)を作っている。
著作権においても、営業価値においても
今までの考え方で物事を進めるつもりはない。
常識とルールは変わる。それが前提。
守るものと新しい時代にあわせて進化させねば
ならない物事が非常にたくさんある。

韓国やアルゼンチンのように、すでに破綻した国の国民が
どのような生活を強いられているか、それを考えると
日本は今、まだ考えて行動する時間がある。

「日常」が「日常」として、私たちにあるうちに。
とはいえ、とても急がなければならない。


日本人という誇りと、発想する環境

2008年10月09日 | ■社会
家族も総出でクラゲ捕り…ノーベル化学賞・若き日の下村さん(読売新聞) - goo ニュース

「科学に関心、いい機会」…各地でノーベル賞記念イベント(読売新聞) - goo ニュース

<ノーベル賞>物理学賞に日本人3氏 南部陽一郎氏と小林誠・益川敏英氏


日本人4人受賞という快挙だった今回のノーベル賞。
日本人の多くが溜飲を下げ、誇りに思い、
その活動に敬意を表したに違いない。

彼らのスピリッツに「大和魂」があったかどうかは定かではないが、
「誇り」がなければ、先進性の高い(30年も40年もして初めて
評価が追いついてくる)研究など続けられはしまい。
非常に素晴らしい出来事。

それにしても、
今回のノーベル賞受賞者は、日本人で、かつ海外在住の方が半分。
小林・益川両氏も首都圏ではない場所でその活動を展開してこられた。
落ちついて、腰を据えて、研究し、結果を出す場所として、
東京/首都圏という場所は希薄になりつつあるのか。

それが全てではない。より大切な要素がそれを達成するという
強い使命感と、愚直なまでの真摯さ、故緒形拳の言った
「不惜身命」であることはむしろ疑いはない。

が、独自性の希薄と都市の平準化は無関係ではあるまい。
どこで発想するべきか、ということは見直すべき軸の1つだ。
そんなことをぼんやり思いつつも、
単純に嬉しくなる、そんなニュースでした。


日本のネット環境が世界一に。

2008年10月07日 | ■社会
日本のネット環境、世界一 英大学院ランク付け(共同通信) - goo ニュース

2位を引き離してのダントツの一位らしいです。
あいかわらず、世界に誇れる技術大国っぷりはまだ健在。

意外でした。
ネットは韓国やインドに引き離されているとばかり
思っていましたが、技術的な環境はトップなんですねー。

使う側への教育体制などが整備されれば、
まだまだ、環境も伸びるということ。


話題のストリートビュー

2008年08月07日 | ■社会
グーグル地図新機能、削除要請次々 職質中の男性写真も(朝日新聞) - goo ニュース

どこで何をしているか、
こんな事もあんな事も出来なくなったり、
誤解を生んだり、発見出来たりする。
いいやら、悪いやら。

神の目はこれよりもすごいであろうが、
人はいろいろ見えない事が
悪い事ばかりではないと思うのだが、
まあ、すごい時代になったなと思う。

まだまだ出てくるんだろうな、
こういう革命的な技術革新。

今って、先般書いた、エネルギー革命も含め
産業革命以上の革命的な変換期である事に疑いは
無くなって来た。

すごい時代に生きている。