「描く」仕事の現場から

イラストレーター兼デザイナー兼ディレクターTETSUの独り言

チーム化する効用(その2)

2008年07月10日 | チーム化の効用
その1、忘れたよ、
という人が多いに違いない。

何年ぶりかに書くから。
http://blog.goo.ne.jp/cn_scip/c/998d1b0de0b80d708f36a4dfbbdcd91c

「チーム化することで、大きなビジネスに対峙出来る」
JILLA(日本イラストレーション協会)を中間法人として
事業協同組合にしたのは、まさにこの発想による。
フリーランスがそれぞれの個性、事業色を殺さないで、
かつ、連携して「事業」をやるための「協会」。

この認識が今後とても重要になる。
個人的に組める組めないという次元でよく、
同業者同士がお互いのレベル差を軋しあう姿を見る。
個人レベルで考えた時に、僕もわからなくはない。
が、「協会」レベルではこれは起してはならない。

レベル差を放置するつもりはない。
そのための骨格事業として「研修事業」
を入れているのだから。

これから、多くの人の認識と対峙すると思う。
僕の軸はこの考えにある。

■チーム化する効用(その1)

2005年03月25日 | チーム化の効用
これが、大切なことだと
いつ気付き出したのか‥。

話は11年ほど前に遡る。
当時、ぼくは、前述のデザイナーとしての
リハビリの最中だったころだ。

ようやく、小さな仕事ならば
俯瞰出来るようになり出した頃。

そんなころに、独立という形も視野に
入れて考えようということになり、
いろいろな、仕事のできる環境を
考えるようになっていた。

外注のチームがタッグを組むことが
大きな仕事枠を受ける上で、
「信用」としても、「実務」としても
絶対必要であることを理解しだしていた頃だ。

当時、先生は

「いちばんいいのはそのチームに関係する
全てのフリーが個人事業者として、
自立、独立していて、それぞれの営業を
みんなで分担して作業して、こなしていく
そういう集団(コミュニティ)としての評価が
高いものになることだなあ。

それが、いずれ起こる日本型の会社の崩壊の時代を
生き抜いていく個人主義社会における
優れたチームの形になると思うんだ。」

なんてことを予言し(実際にちゃんと当たってた。)
予測されていた。

そういう形が今はネット上などにはたくさんある。
だが、実際には前述の19の成功法則にみる
「コンタクト」の部分の概念が弱いためだと思うのだが、
思うように機能しているように見えないものも多い。

10年の時間の中で僕なりに考え続けて
経験してきたことを熟成する中で、
見えてきた形も、「フリーの自立」と
「フリーのチーム化」を軸にした
個性を殺さない集団の「ゆるやかな組織化」
に他ならない。

このときに重要なのは、何人かでいいのだが、
「一人のフリー(あるいは一つのチーム)がいくつものポジションにおける
適応性を持つ」ことと、全員の「基本戦略についての共通認識」である。

レアルマドリードが今期低迷している。
巨人も4番ばかりそろえてもなかなか勝てない。
だが、モナコはチャンピオンズリーグで優勝し
日本代表は国内組でアジアを勝ち抜いた。

近代のチーム戦略はいろんな形で共通すると考えているのだが、
サッカーも我々のビジネスも同様に上記の二つを徹底していく
ことで、異業種や異能がコラボレーションできるのだと考えている。

このブログでは、これからの何ヶ月かで、これらの
「基本戦略についての共通認識を持ちたい。」

つまり、
「報告」「連絡」「相談」「書面化」
の4つの基本とその効用の認識。
それぞれの「ビジネスフィールドへの理解の深さ」。
ある時は「マーケティング」であり、
「経済」であり。「広告」であり「出版」であり
「商品企画」であり印刷技術」であり。
また「デザイン技術」であり「描く能力」であり。
「色彩」であり、「構成」であり、「表現」
であり。「時代」であり「未来」であり。
そして、ビジネスフォーマットの共有であり、
(「見積」「発注書」「受注書」ほか)

そういったものを全く同じでなくていいのだが、
違うものも含め「理解」として共有することが
大きく、業界全体がチームとしての「実効性」を
持つことに繋がるのだと考えている。

■チーム化する効用(はじめに)

2005年03月23日 | チーム化の効用
ここまで、ずっと予告してきた話。

このブログを立ち上げるきっかけであり、
大きな目的の一つである話を
そろそろ始めようと思う。

このサイトを見ている人の中には
フリーランス志望の若いイラストレーターや
デザイナーさん達が多くいることを
知っているのだが、

その人たちに「フリーになる」ことについて
話してみたい。

この数年間に私が受けたもっとも多くの相談は
「フリーになりたいのだけれど」であった。

フリーになりたい理由は様々だ。
「自立したいから」
「イラストで食べていきたいから」
「会社から自由になりたいから」
「デザインスキルを上げたいから」
ほか、いろいろ。

ところが、自由、自立、といったものを目指して
あるいは好きなことがしたくて独立したにもかかわらず、
実際にはフリーになって、より不自由に束縛されていく人も
少なくない。そういうケースも見てきた。

フリーになった瞬間から、
「経済的な問題」
「生活環境の問題」
「スキルの問題」
「営業の問題」
「事務的な問題」
「コミュニケーションの問題」
など、様々な問題が
あなた自身の判断に委ねられてくる。

そこで直面するのはそれまではいろんなものに守られて
見ることのなかった「現実」の嵐の大海原である。
実際の「自立」はその嵐の大海原に直面することから始まる。

会社で生きていく方が向いている人も少なくない。
「転職」で解決するならその方がいいケースも多い。

ただ、こういう世の中で、
会社も席取りゲームになってしまっている状態では
そういうタイプの人でも
否応なくフリーになってしまう人もいるであろう。

逆にどんなにスーパーテクニックを持っていても、
それを持って、フリーで生きていける
ということにはならない。

フリーランスとして生きていくためにもっとも必要なこと、
それはあなたが「チーム」として意識できる
人間関係を確実に構築していくことに他ならない。

「会社にいても、フリーランスとして通用する人材になる必要がある」
とも言おうと思うのだが、要は
どこにいても、一人ではできないのが「仕事」というものなのだ。

あまり語られていない、
フリーにとって最も大切な「チーム化の効用」について、
これから話してみたい。