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「描く」仕事の現場から

イラストレーター兼デザイナー兼ディレクターTETSUの独り言

イラストレーター意識調査

2009年01月06日 | イラストの話
いろんな方がやっているので、
参考になれば。

Q)どういう仕事をしていますか? しましたか?(モチーフ)
A)・構造図イラスト各種(機械/シューズ/おもちゃ他)
  ・スーパーリアルイラスト
  (バイク/車/サッカー/植物/風景/四季/食材/電子部品/飲料関連)
  ・プロダクト開発イメージ(車/携帯電話)
  ・風景イメージ(里山/用水関連/行政の開発関連)
  ・SP/POP(ハンバーガー、パソコンメーカー、医療関連)
  ・人物カット(老若男女、幼児/10代/20代/30代/40代/50代/60代)
  ・アイコンによる保険内容のイラスト化(例えば、自損事故とか、がん保険とか)
  ・地図(観光地各所/アミューズメント施設関連他)
  ・建築パース(マンション/内装/構造など)
  ・広告用の「光るイメージ」(稲妻/キラキラ/スパーク他)
  ・医療関連のリアルイラスト(血管、内蔵、骨格他いろいろ)
  ・一筆描きによるピクトグラム
  ・コミック/カトゥーンなど
  ・擬人化したキャラクター(人物、動物,物他)
  ・ドット絵/アバターなどの風景や人物キャラクター
  ・アニメーション素材のイラスト

Q)どういう仕事をしていますか? しましたか?(媒体)
A)広告(新聞/TV/Web/バナー/交通/ダイレクト・レスポンス広告系)
  出版(雑誌/書籍/企業誌/行政誌)
  地図/SP・POP/市場調査イメージ
  プロダクト(開発イメージ/プランニングイメージ/スタイルシート各種)
  
Q)得意分野は?(モチーフ)
A)特にない。何でも描く。
  サッカー・スポーツ関連/未来的なもの/光るイメージ/昆虫
  普通、形に出来なそうなものは燃える。

Q)得意分野は?(媒体)
A)基本は広告。

Q)今後どういう仕事がしたいですか?(モチーフ)
A)日本的なもの/スポーツ関連/図鑑など
  軸足をアーティスティックな方向にシフトすることも挑戦したい。

Q)今後どういう仕事がしたいですか?(媒体)
A)WebとCS関連。アニメーション。

Q)作品は手描きですか?CGですか?
A)利用できるものは全て使う。 ケースバイケース。

Q)手書きの場合、画材はどのようなものを使いますか?
A)何でも。わりばし、爪楊枝、ベビーパウダー、コットン、水、
  コーヒー、墨、ドクターマーチン、クサカベの水彩、中国製の
  シャーペン、製図ペン各種、スワンスタビロの色鉛筆、クレパス、
  パステル、洋紙、和紙各種、ほかいろいろ。

Q)コミックイラストを描きますか?
A)描く。

Q)原画を販売していますか?
A)今まではしていない。

Q)原画を販売したいと思いますか?
A)いずれ。
  
Q)グッズを販売していますか?
A)していない。

Q)グッズを販売したいと思いますか?
A) 今のところ思わない。

Q)絵本の絵を描いたことはありますか?
A) ない。

Q)絵本の絵を描いてみたいと思いますか?
A)思う。

Q)立体作品(焼き物を含む)もつくっていますか?
A)作っている。

Q)文章を書くのは好きですか?
A)好き。

Q)仕事で文章を書いてみたいと思いますか?
A) 思わない。

Q)動画の製作にかかわったことはありますか?
A)ある。
  
Q)自分のサイトは持っていますか?
A) ブログだけ。

Q)自前のショッピングサイトは持っていますか?
A) いいえ。

Q)自前ではないショッピングサイトに出展していますか?
A) いいえ。

Q)将来こうなりたいという願望はありますか?
A)ある。媒体に振り回されない強さ/知識を身につける。 
  自分しか出来ないものを持つこと

Q)具体的にいうと?
A)リアルイラストの歴史的な価値の検証とその再考。
  モノを作ること、創造することにたいして、イラストの
  果たす役目を大きくして行きたい。後進の育成。

Q)「イラストレーターのできることってもっとある!」と思いますか?
A)思う。

Q)今まで、どんなところからお仕事が来ましたか?
A)広告代理店・出版社・農林省・環境省・家電メーカー
  マンションプロバイダー・印刷会社各社・行政関連・
  パソコンソフトメーカー・玩具メーカー・車販売ディーラー
  インターネット広告代理店・広告制作プロダクション
  医療関連広告代理店、エステチェーン、アパレルメーカー
  個人商店、中小企業各種

Q)営業は得意ですか?
A)苦手。

Q)得意とは思わないけど、やってもいい?
A)苦手なので、一度関わったいいクライアントからは
  必ずリピートが来るように頑張る。紹介してもらえるよう
  相手に利益を出す。

Q)出版社には営業に行きましたか?
A)むかーし。

Q)デザイン事務所には営業に行きましたか?
A)はい。

Q)広告代理店には営業に行きましたか?
A)いいえ。

Q)その他の企業、お店、個人に営業に行ったことはありますか?
A)いいえ。

Q)交渉ごとでうまくいった例・しっぱいした例
A)例というか、「ホウレンソウ」他、基本を怠ると失敗する。
  特に「相談」が活用できないうちは失敗をたくさんした。
  人に話を「聞く」技術があれば、たいていの失敗は防げる。

Q)料金をどのように決めていますか?
A)仕事のボリュームを初対面の最初のオリエンの時に8割方正確に
  クライアントと問題点含め話合って想定し、出来る場合は、
  その場で、こちらのイメージする予算幅と出来ない場合の料金を伝える。
  細部の行程は不明瞭な場合があるが、行程も含め、最初に見えない場合は
  お互いに工程数と、作業時間、について、再度検証の上、料金予算予測の
  話合いを持つ。幅があってもかまわないが、「可能」な料金帯はこのくらい
  ということは最初に伝えなければ、仕事は受けてはいけないと思っている。

Q)料金表を作っていますか?
A)ない。経験値があるので、料金は頭に入っている。
  ケースバイケースで口頭で提示する。料金表はないが、
  行程含めた見積りは必ず書いている。

Q)税金の申告は青色?白色?年末調整?
A)青色

Q)ギャラの交渉はしますか?
A)必ずする。 しないクライアントさんは10年以上のつき合いがあって
  相応の信頼をしているところだけ。

Q)ギャラの交渉は得意ですか?
A)最低限自分の料金感は話すし、離れていれば理由を糾す。
  理解をし合うことが「交渉」と言っていいなら,得意と言える
  かもしれない

Q)レギュラーは持っていますか? 持ったことはありますか?
A)持っている。過去持ったこともある。

Q)イラストレーターとして食べていく自分なりの工夫はしていますか?
A)全ての制作が営業。全ての納品物とその結果が評価。その結果が全て。
  普段から洋書/デザイン書籍/新聞を見て、世界のトレンドと
  マーケティングは把握する努力をしている。
  資料を見ないでスケッチして、頭と手をつなぐ訓練は毎日する

Q)イラストレーターという職業自体は好きですか?
A)好きも嫌いもない。最初はイラストレーターになると思わなかった。

Q)いまとなっては趣味に戻したいと思いますか?
A)思わない。

Q)絵を描くことは、その作業自体が好きですか? それとも苦痛ですか?
A)好き。産みの苦しみはあって当たり前。苦痛とは思わない。

Q)自分の絵は好きですか?
A)好きな時と嫌いな時がある。
  
Q)イラストレーターになって良かったことは?
A)やっただけ、認めてくれる人がでてくる。形に残る。

Q)イラストレーターになって悪かったことは?
A)僕の場合、ない。

Q)取材(資料集め)は好きですか?
A)空気を吸うのと同じ。

Q)取材(資料集め)はどのようにしますか?
A)昔は、洋書とか書籍を見に書店、に出向くことが多かった。
  今は、自分で出向いて撮った写真を資料にするため、
  撮影テーマを普段から探すために書籍を見る。
  あとは、現場に出向く。本物を見る。

Q)写真を撮るのは好きですか?
A)好き。

Q)イラストレーターとして満足できる収入を得ていますか?
A)得ていない。

Q)有名になりたいと思いますか?
A)仕事は常に有名でありたい 。
  個人としては無名でありたい。

Q)なぜ有名になりたいですか?
A)発言に説得力ができる。結果が全てだから。

Q)海外へ進出しいと思いますか?
A)思う。

Q)英語は話せますか?
A)話せない。

Q)好きな外国語はありますか?(話せなくてもよい)
A)イタリア語とハングル。

Q)個人ですか? 法人(代表)ですか?
A)イラストは個人。

Q)(個人の場合)法人を目指したいですか?
A)目指さない。

Q)会社などに所属していますか?
A)協会は法人なので属している。

Q)将来、フリーになりたいと思いますか?
A)30以降ずっとフリー。

Q)個展をしたことはありますか?
A)ない。

Q)グループ展には参加したことはありますか?
A)ある。

Q)フリマに出展したことはありますか?
A) ない。

Q)ビジネスショーに出展したことはありますか?
A) ない。

Q)自分なりの画風はすでに確立できたと思いますか?
A)ない。

Q)自分に自信はありますか?
A)あるところとないところがある。

Q)これだけは他に負けないというのはありますか?
A)柔軟性と理解力と工夫。

Q)現在、自分の実力に点数をつけるとしたら何点ですか?(100点満点で)
A)まだ40点。本来すべきことが出来ているとは思っていない。

Q)ライバルはいますか?(いれば、その人数)
A)特にない。

Q)目標としているヒトはいますか?(いれば、その人の名前)
A)たくさんいる。有名な方ではないが、優秀な方々。

Q)スランプを感じることはありますか?
A) ある。

Q)好きなイラストレーターは誰ですか?(古今東西)
A)佐々木悟郎、山崎正夫、斎藤雅緒、嶋岡五郎、
  ノーマン・ロックウェル、チェンウェン、黒井健、
  シド・ミード、アレックス・ロス、早川良雄、
  ミュシャ、メビウス、

Q)絵画や彫刻は好きですか?
A)はい

Q)好きな作家は誰ですか?(古今東西)
A)ワイエス、ターナー、ミケランジェロ
  ダ・ビンチ、葛飾北斎、伊藤若冲、東山魁夷、小磯良平、
  カディンスキー、ホアン・ミロ、チャールズ・ベル、

Q)コミックイラストは好きですか?
A)好き嫌いはある。

Q)好きな漫画家は誰ですか?(古今東西)
A)松本零士/新谷かおる/庄司陽子/しりあがり寿
  二階堂進/手塚治虫/鴨川つばめ

Q)デザインに興味ありますか?
A)ある。

Q)デザイナーに知人はいますか?
A)いる。

Q)編集者に知人はいますか?
A)いる。

Q)イラストレーターは単独ではなりたたない職業だと思いますか?
A)思う。

Q)副業はありますか?
A)ある。

Q)それはどんな職種ですか?
A)アートディレクター/グラフィックデザイナー

Q)弟子または助手はいますか?
A)一人前になって巣立ってったのはたくさんいる。

Q)いるとしたら弟子に何を伝えますか?
A)活躍しろよ。いいもの作ってね。

Q)どんな教育を受けましたか?
A)美大卒

Q)あるいはどんな教育がこの職業に役に立ったと思いますか?
A)実社会での経験値。教育はそれがあって、はじめて応用が利く。
  教育だけでは、応用が利かない。

Q)イラストレーターや絵描きはモテますか?
A)さあ??

Q)モテるとしたらその理由
A)さあ??

Q)モテないとしたらその理由
A)それは別の理由では??

Q)作品をパクられた事がありますか?
A)ある。

Q)受注先ともめたことはありますか?
A)ある。

Q)マナーブックは読んだことはありますか?
A)何の?

Q)趣味はなんですか?
A)音楽、昆虫観察、スポーツ観戦、サッカー観戦、イラスト

Q)好きな野球チームはドコですか?
A)日本代表。

Webクロスメディア時代のイラストレーション7

2008年11月28日 | イラストの話
定義の3つめ。
3,イラストレーションは創造性を刺激・活性化し感性
 を育むツールである。


今年から、日本イラストレーション協会で取組みはじめているいくつかの
イベントが、このテーマに関する良いインスピレーションをくれている。
ひとつはJMAAのワークショップ。
イラストレーションや絵を描くことが私たち人間に与える刺激は
やり方によっては,多くの人に非常に良い影響があると考えられる。

子供というのは,非常に感受性が高く、大人では考えられないほどの
インスピレーション、刺激を受信し,そして発信してくる。
イラストなどを媒介して,そういう活動をすることがいずれ、
多くのメンタルに関わる領域でも効能として認められる日が来る
かもしれないと考えている。

それと,以前別のコラムでも触れたが,
現代の情報化社会は「瞬時に」情報の選別が行なわれる。
「高感度」なアンテナを張っている人々にとって、
上質な感性をもって作られたアート性の高いグラフィックは
瞬時に識別され,選択される有能な方法の1つ。

新しいクロスメディアの時代においても、
「高感度」なクリエイティブ作品は
差別化における最有力な手段の1つである。

Webクロスメディア時代のイラストレーション6

2008年11月28日 | イラストの話
定義の2つめ。

2,イラストレーションはコミュニケーションに於いて
 その「時間・正確性」をコントロール又は促進する
 ツールである。(深く的確に伝達するツールである)


これについては説明を要する。

メディアが、マスコミ4媒体(TV・新聞・ラジオ・出版)
という電波・紙媒体が中心だった時代から、Webが
中心的役割を果たしていくであろう新しい時代に入った。
今までは,単一の媒体を相応の認識時間で楽しんできた訳だが,
これからのクロスメディア時代には、ビジュアルグラフィックの
「認識時間」が非常に短くなる。これは、メディアのハードの問題
だけではなくそれを使う側の視聴者、購読者の意識の変化も大きく
影響している。複数のメディアが同一画面などで情報を提供する
環境下に置かれるために「同時処理」の能力が上がると予測される。

まず、今までの新聞や雑誌などの紙媒体の場合、手に取って
見ている時間,ページの認識時間なんていうのがあって、
少なくとも何秒かは見る余裕があったものが、Webのバナー
広告などになると、本当に一瞬。0.何秒かの時間に次の画面に
切り替わってしまう。

あきらかに「認識時間」は短くなる。

クロスメディア時代で、デジタル放送が始まると、
TV画面の中でWebの画面も同時に見つつ、パワーポイント
で企画書書きながら、右下の画面でWikipediaで言葉を調べ,
AmazonやYahooで値段を調べ、Googleで関連を調べ、
合間にTVを見、時間が空いたらCSやTVで放送録画していた
好きな番組だけを見る、いや,録画さえ面倒で、You Tubeや
ニコニコ動画に検索ワードを入れて,お気に入りの世界へ
短時間でたどり着く。まわり道など存在しない。

忙しいったらありゃしないのだが,
すでに、携帯の画面において,若い世代はこれらの予行
演習とスピードについていける情報処理能力を身につけて
おり、いずれ、こうなることに疑いはない。

さて、こうなると2つのことに価値が出てくる。
1つは「認識スピード」の非常に早いもの。
もう1つはその反対。
じっくり見れる「すぐに認識しきれない深み・味のあるもの」だ。
あるいは「リアルな体感を伴う」パソコン外の経験とか。

あとスピードが早くなればなるほど、
「正確に伝える」ことの難易度が上がる。
ゆえに、「正確性がある」ということも
大きな価値となっていくであろう。
また、的確に「印象を伝える」ことも
認識スピードの上がっている状況下では
大切なこととなる。それを可能にするのは
人間の「表現力」というソフトに他ならない。

Webクロスメディア時代のイラストレーション5

2008年11月28日 | イラストの話
定義の1つめ。

1,イラストレーションは、言語を超えて共有・伝達
 するツールである。


イラストレーションは「視覚言語」である。
脳に感覚的,直感的なイメージを言葉よりも早く複雑に、
あるいはエモーショナルに伝えることが出来る。

これは,インターナショナル、ボーダレス、そして
異文化同士のコミュニケーションの要求される現代に
最適なツールという側面を持っていることに他ならない。

アイコンなどによる、世界共通の施設や仕組みの説明など
を見ても分かるように、共通認識として、世界中で活躍
しているのは言語ではなく,視覚言語である。

日本は高度経済成長が一段落したこれからの時代に、
観光などを含め、「日本文化」そのものを海外に発信
することを要求されている。(2006知財推進法など)
そういったミッションに対して、言語を超えて伝わる
ツールとしてのイラストレーションが果たす役割は
小さくない。

Webクロスメディア時代のイラストレーション4

2008年11月28日 | イラストの話
イラストレーションの経済価値
ーその定義と意義ー

で、前述の起業家の人に答えたことを、
後でいろいろ考えつつまとめたのが、
以下の4項目である。
【イラストレーション4つの定義】
---------------------------------------
1,イラストレーションは、言語を超えて共有・伝達
 するツールである。

2,イラストレーションはコミュニケーションに於いて
 その「時間・正確性」をコントロール又は促進する
 ツールである。(深く的確に伝達するツールである)

3,イラストレーションは創造性を刺激・活性化し感性
 を育むツールである。

4,イラストレーションは経済的結果に寄与するツール
 である。(上記それぞれの効果に対する対価として
 イラストレーションの技術料金対価は設定される)
---------------------------------------

使い手(発注側)と描き手がウィン×ウィンの関係
になるために私たち描き手が提供すべきことは上記
に濃縮される。

起業家の方が私に質問されたように、
一般の人々に,イラストレーションの
「効能」「価値」「意義」
は具体的に理解されていない。それが、さもすれば、
いろいろなメディア産業の従属的な「下請」事業者
になりがちなイラストレーターの問題の根源の1つ
でもある。

イラストレーションを使うとこういうことが起こると、
私たちは話せなければいけないのだ。こういうことを
定義するということは私たち自身の技術・知識領域の
ハードルを上げることにもなる、ある意味厳しい選択
の1つだとも思いもするが、避けては通れない。

私たちは今年、イラストレーションの協会を作った。
それは、法的に正式な手続きを踏んだ
日本のイラストレーション業界で初めての業界団体だ。

この業界団体の目標の1つが
「イラストレーションを産業にする」である。

イラストレーションは古代の昔よりずっと職業として
存在する。時代で消えたりしない仕事である。常に
「伝えるというテーマの支援ツール」としてどの時代
にも存在し続けている。

伝えたい「何か」があれば、そこにはイラストレー
ションが存在できる可能性は常にあるのだ。

進化した時代のイラストレーションは「どう伝える」
の「どう」の部分まで踏み込むことが要求されると
考えている。

例えば,
「どのくらいの時間で伝わる」
「どの年齢層の人に伝わる」
「どのくらいの人数に伝わる」
「どういう目的のために伝わる」
他にも,様々な、「どう。伝えたい」に対して
「イラストレーション」の応え方があるだろう。

今まで、このイラストにまつわる「どう?」の
部分の多くはアートディレクターの仕事の領域
として、認識されて来ているようにも感じる。

イラストレーターからアートディレクターになる
方も少なくはない。この2つの仕事の関係性の上
にイラストレーションそのものを考えるヒントが
多くあることも無関係ではない。

では,次のコラムで4つの項目についての
具体的な内容を話そう。

Webクロスメディア時代のイラストレーション3

2008年11月28日 | イラストの話
イラストレーションは「何のために?」
ーある起業家からの質問ー


いきなり、少し脱線するが,
非常に有能な若い起業家に
こう問われたことがある。

「”イラストレーション”というものが経済に
 おいて、どういうメリット/効果がある、と
 いうことを具体的に説明・定義していただけ
 れば,イラストは産業になります」
「イラストって誰にどんなメリットを与えるもの
 ですか?」
「例えば,車は人やモノの移動時間を短縮します」
(ー自動車産業ー)
「例えば,メディアは情報を流します」
(ーメディア産業ー)
「例えば,食品は多くの人が生きるのに欠かせません」
(ー食品産業ー)
「何か必然性のある必要があるという理由の説明はできますか?」
----------------------------------------
そう問われたことはなかったので、
目から鱗が落ちた気分だった。
案件ベースでそれぞれ考えてはいたが,
広義の「イラストレーション」でそれが何なのか
考える暇もなく,日常の技術研鑽や仕事をこなす
ことに追われ,自分が関わっていることの本質を
説明することを意外におろそかにしていた自分に
気づいた。

そういえば、この世界に入って、誰からもそれが
何なのか聞いた事がない。昔、日比野克彦がイラ
ストとは「照らし出す」ことと語ったのを思い出
したくらいだ。

私はこの質問ではじめて頭の中を整理して,
今までの経験は「何のためだったのか」を考えた。

私程度の者がたいそうなことだが、試しに
私案として、イラストの経済的な価値に寄与する
部分を定義してみようと思う。

Webクロスメディア時代のイラストレーション2

2008年11月28日 | イラストの話
Webがわからない(とはいっていられない)
ーその中で見えて来たイラストとは何かー

プログラミング/システムが分からないとはいえ、
それをどういう役目で使うか、は当然本も読んで
いるし、現場で,多くのやり取りをする中で学ん
でもいる。

僕に来る依頼の多くはWebコンテンツにイラスト
を使いたいのだけれど
「どういうイラストをチョイスするか」あるいは
「どうしたら、適したものを作れるか」または、
「こういう結果に導けるイラストは何か?」

という時点での依頼だ。
発注元からの具体的な指示があるケースよりない
状態で相談されるケースがわりあい多いということ
だ。つまり、
「イラストレーションをディレクションする」
ことが発注内容に入ってくるケースが多いという
こと。

これは、「イラストレーション」とは
「何か?」「何のために使うのか?」
ということを説明する作業と非常に重なる。

僕が,こういう案件処理に呼ばれる理由はいくつか
あるが、その転機の1つが、レスターワンダーマン
の著書である「売る広告」を読むきっかけにもなった、
ダイレクト広告の仕事との出会いである。僕の周辺に
日本のWeb広告やダイレクト広告の黎明期を作っている
友人、知人,先人がたまたま何人かいて、彼らの仕事
ぶりや考え方を近くで見て、あるいは伝え聞いて、
身に付いていった感覚だ。

【キーワード】
・レスポンス広告
・コンバージョン率
・レスターワンダーマン「売る広告」
・ダイレクト広告
・One to One
・双方向コミュニケーション

彼らの話や、制作現場を見る機会を多く持ち合わせた
ことで,Web制作者/マーケッターとしての優秀な方々
には100年たっても追いつけないが、その世界に自分の
経験して身につけて来た「描く技術」を「どうすれば
反映できるか」のヒントをたくさん考える時間を持てた。
それは今でも大きな財産だ。出来れば,共有することで
さらにイラストの世界が広がる一助になればなと思う。

Webクロスメディア時代のイラストレーション1

2008年11月27日 | イラストの話
プロローグ

2008年,11月末、年末進行が始まった。
企業の販促ベースの広告に付随した形で
イラストレーションの仕事をしている私に
とっては,12月から翌年の決算期である2月
前後までの何ヶ月かは,年間売上げの半分
以上を稼ぐ,大切な稼ぎ時となる。
(逆に言うと,それ以外の時期は予算のある
販促や広告キャンペーンなどが比較的少ない
時期なのだ。)ここで倍働かなければ、来年
後半がアップアップになる。
営業も制作もここは逃してはいけない時期
なのだ。

今年はWebの大手制作会社様からのお仕事が
次々と発生している。こういうご時世に、
本当にありがたい。

基本的な技術が広告/印刷/マーケティングの
私にWebの制作会社や代理店からいろいろな依頼
が来るにはそれぞれ理由がある。

私がWebのイラストを制作するようになったのは
数年前からだ。その時も今も,自他ともに認める
Web音痴でお恥ずかしいことにHTMLでさえ、
ほんの少ししか分からない私のWebのハード面の
知識は、今の中学生にも劣る。
そんな私がどうやってWebのイラストを制作を
こなしているのか。実はこれを話していく中で、
とても大切なイラストって何だろうということが
深く関わってくる。

少し長いコラムになるけれど,興味のある方は
読んでみて下さい。

動くイラストの需要が続々と。

2008年11月09日 | イラストの話
以前より、様々な理由により、
「アクション」「モーション」のついたイラスト
「アニメーション」的なデザイン処理、
といったものの需要が伸びると話して来たが,
その様相は雑誌のWebとのクロスメディアなどが
進むことや、メディア媒体の多様化により
さらに具体化しつつある。

今週もまた、モーションのイラストを展開する
大手の仕事が2つ始まった。

逆に、静止画は、よりアーティスティックな
表現に価値がおかれるようになってくると感じる。
「ライブ感」「センス」「表現力」
そういったもの。


カットイラストと時間の話。

2008年10月19日 | イラストの話
時間と言っても、ここで話すのは
制作時間のことではない。

メディアが新しくなって行く中、
今まで「カットイラスト」といわれて発注されていたものと、
明らかに手間も暇も概念も違うものが発注されるように
なって来ているという事だ。

それは、私の仕事において、すでに多く散見される。

今までの媒体における「カットイラスト」は「静止画」。
何千分の1かのシャッタースピードで切り取った
(カットした)イメージでなりシーンなりを、
表現者のフィルターにおいてアレンジしたものであった。

では、これからの「カットイラスト」は何が違うのか。
簡単にいうと「連写」的な、あるいはある一定の時間を
内包する(カットした)もの。
ゆるく、前後の動きを加えたもの。

動画/映画のごとく、動く事にストーリー性まで持つ
ところまでは行かず、だが、アイキャッチとして、
Webなどの視認時間の短いメディアにおける認知力を
高め、競争するにはいままでのようにただ「静止」して
いたのでは認知すらされない状況の中で、
今までは一コマで成立していたものが、一コマでは
成立せず、3~10コマ程度の時間感の中でイラスト、カット
といったものの発注が多く起こってくるだろう。
いや、起こっている。

カタログや、企業における説明も、
多くは静止して切り取るセンスに加え、
それを一コマではなく3~4コマの中で
動きつつまとめるセンスが要求されるケースが
急増している。

この場合大切な「センス」のひとつは発想する時点で
「止まっていない」事は当然として、
何かを見る時に必ず、「前」「後」を見る習慣を
つけている事だと思う。「後」を見るのは出来る人は多いが、
「前」をみるのは相当の注意力と集中力、予測力がいるので、
普段からの意識付けが必要だ。

某D社などの制作において、アニメーションから
派生したクリエイティブが主体なので、こういう習慣は
つけて来ていた分、いくらかのアドバンテージの中で
仕事をしているが、今後、この分野の競合者は、むしろ
アニメーターであったり、映像の分野の人間であったり
するのかもしれない。

いままで、作家に「ファイル」を見せて営業してもらったり、
自分もそうして営業して来たが、そんな時代は昨年で終わった。
これからは、動画、CD/DVD、スライドショーといったものが
クリエイティブの営業の中心になる。
軽い静止画にいい値段がつくケースはまれになるだろう。

「業界地図」の風景自体がこういう側面からも
ここ何年かで大きく変わって行くと思われる。