「描く」仕事の現場から

イラストレーター兼デザイナー兼ディレクターTETSUの独り言

「協働(Coproduction)」次の社会のもう1つの考え方の軸

2009年02月07日 | マーケティング
博報堂生活総合研究所のレポートによる
ソーシャル・リノベーションについて、
前段のブログで述べたが、もう1つ、
Tシャツ・アート展の運営実行委員会で
話合われた中で出ているキーワードとして
重要なものが「協働」である。

私たちが活動させていただいている
(協)日本イラストレーション協会の活動も
基本的に「協働」に他ならない。

これは、旧来の広告費やマネジメント、
スポンサード、パトロンと言った発想の軸とは
全く違う新しい概念といえるだろう。
C to Bにおける考え方の核の1つでもある。

リノベーション(修復)が必要と考えられている
社会において、中心となる価値観はバブルの時期
とは全く違う。売れるが勝ち、売れるが価値、
の時代はすでに終わっている。

企業と買い手だけのWIN×WINの関係ではなく、
それに加えて、「社会(Sosial)」においてもWINで
なくてはいけないという動きはこの数年以上まえより
活発に提唱されているが、もう少し広げて、JILLAの
国連大学における研修で行なった内容でもあるSD
(サスティナブル・ディベロップメント/持続可能な開発)
の概念とも親和性のある、次期社会の中心的な考えの1つが
「協働」と言えるかもしれない。
「協力して働く」の「協力」する関係性が
日進月歩で進化し広範囲に広がっている、それが「今」だ。

JMAAプロジェクトが昨年Tシャツ・アート展の取組みにおいて
イベント紹介の機会をいただいた、SIJ(特定非営利法人
ソーシャル・イノベーション・ジャパン)
の主催するソーシャル
アントレブレナー・ギャザリングの会場では多くの先進的な
ソーシャルビジネスがアワードにおいて表彰されていた。
その中で、語られていた概念の1つがこれだとも聞いている。

「協力して働く」その先に、お互いの望ましい社会がある事業。
目標を1つにしたクリエイターと購買者とNPO,協賛企業,支援企業、
の「協働」によるソーシャル・アート・イノベーション。
協働の先にあるのは、リノベーションされた社会。
そんな夢を現実にしていくイベントを一緒に育てられるといいな。

ソーシャル・リノベーション「新たなC to B」

2009年02月07日 | マーケティング
さて、昨日、今年のTシャツアート展における取組を
日本財団Canpan/久米繊維工業/JILLAによる運営委員会
にて話していた時に出て来たキーワードで、
参加者の方々とも共有しておきたい言葉がいくつもあった。

その1つが「ソーシャル・リノベーション」である。

以下,博報堂生活総合研究所による、
PDFのレポートを読んでみて欲しい。

「第三の安心」社会を修復する生活者

私たちJMAAプロジェクトが関東経済産業局とも共感し、
そして上記運営委員会、そして多くのクリエイターと
共に取り入組むべき課題として考えている
1つのキーワードがこれにあたるのではなかろうか。

このレポートに提案されている新たな企業が必要とする認識に
受け手だった生活者が企業活動さえ変えて行くC to B発想への
があるが、さらにもうひとつのC to B として
Creator to Businessを加えるべく。

クリエイターによる新しいマーケットは
新しい社会とともにある。

新しい時代の1つの軸となるイベントを目指して。
私たちの挑戦は今年もはじまりました。

現実になるマス崩壊後の再編

2009年01月13日 | マーケティング
マスマーケティングが、以前のような形では
維持出来なくなって、「広告」の媒体の概念が
大きく変わりつつある。

僕にはあまりイラストと関係のない
非常に先進的で有能なブレーンが
何人か、いてくれるのだが、いくつかの情報によると
昨年来、危惧していた事態が形になるようだ。

まあ、それはともかく、
広告媒体がTV/新聞/雑誌(紙ではない。たぶん)
/ラジオ/インターネットの5本という分け方自体も、
すでに違う。インターネットが細分化して、
マス崩壊後の予算が流れ出しているが、企業の必要性の
特徴ごとに、流れ出し方が違うのだ。その金額も
従来のものとは桁が違う。「インターネット広告」という
分け方、それ自体があまり正確性を持たない。

基本的にインターネットはリードとして、リーチするまで
の役目しか担えないことが多い。例外はあるが。

自社がどういう形での顧客へのCRMを行なうかによって
あるいはその客層、ターゲットの特性によって、または
商品のUSPによって、やり方は全く違う。

新しい考え方と、戦略が通ることがある。
旧来のマス広告になれているということは、それだけで
ある意味非常に大きな弱点にもなる時代だ。
そこを踏まえないと、どんな大手も競争から脱落する。

マス広告崩壊後の新しい時代。
それは、適切な広告予算で、きちんと顧客ターゲットに
サービスと商品を届けられるための広告の時代。
広告が限りなくコンバージョンと同義のレベルになって行く時代。
CMというものもそう遠くない時間で大きな枠では無くなる。

生き残るためには旧来と違う複合的な視野が求められる。

深夜の牛丼屋にて。

2008年12月21日 | マーケティング
夜11時過ぎ、会議が長引いて夕食を
食べ損ねたので、最寄りの牛丼屋に寄った。

最近、3杯食べると一杯無料という
キャンペーンがあって、しばしば、食すのだが、

昨日は隣の席が年にして
20歳前後の黒いめがねをかけた、
若いきれいな女性。3枚集めたらしい
チケットで牛丼に生卵を頼み、
黙々と食べておられる。もちろん1人でだ。
この子が吉牛に来ているのはなぜだろう?
そんなことを考えないようにしてもつい考え
てしまう、そんなギャップ。

向かいの席では、中川家の弟の方に似た
しかめっ面のスーツ姿の男性。よく、会社員の
人が首から下げている、社員証のホルダーを首
からかけ、店員に皿が汚いから変えろと怒って
いる。そして、皿を変えてもらったあと、
おもむろに、「生卵!」と声をかけている。

その隣には渋い俳優のような男性が、黙々と牛丼
を食べている。

裏には弁当を待つカップル。
入り口付近のカウンターにも、カップルが
「やっぱ、吉牛よねー」とか
話をしながら牛皿と牛丼を食べている。
彼氏は無言でそそくさとどんぶりを平らげる。

この日は、夜の11時過ぎにも関わらず、
店内は満員で、店員の対応が遅いと、
「まだ聞いてもらってないんだけど!」
と声を荒げる客。店員はアルバイトらしき、
おばさんが3人。深夜だけど、明らかに
家族のありそうな40項半から50くらいの女性が
2人に、30代くらいの女性が1人。

一昔前には考えられなかった不思議な
マーケティング層の集まった、夜の吉牛。

今の人々の生活がいかに多様化しているかを
感じずにはおられない食事の時間だった。

【定点観測】広告費と広告量

2008年12月18日 | マーケティング
イラストの料金において、
その分母になる最大の基準金額は
現在、広告費である。

プロダクト/ゲームなどの業界におけるテクニカルイラスト
や、プランニングにおけるイラスト、開発キャラクターまた、
ディスプレイ/POPなどN工藝社の得意なエリアは上記には
属さない。


そういう前提で「現状」を認識しておこう。
電通の出版・研究データ/広告費・広告量
からのデータを引用する。
2008年10月のメディア4媒体のデータによると
TVの東阪名15局、ラジオの東阪10局、雑誌の365誌
そして、新聞119誌(全国紙/スポーツ紙/地方紙/
ブロック紙)において広告量は若干下がったとはいえ、
前年比90%前後で推移していて広告量自体は下がりつつも
何とか、現状維持を続けている。
不況であればあるほど、モノを告知して売る努力は
増やさなければ結果はついてこないからだ。

ただ、元気のいい業界と、そうでない業界は大きく変化
して来ている。
例えば、TVにおいて番組CM,スポットCM共に出稿量が
伸びているのは、
自動車関連、趣味スポーツ用品、流通/小売業、金融/保険業
外食/各種サービス業、官公庁/団体、案内/その他だ。

出稿量が伸びているからといって、料金が上がっている訳では
ないので、仕事は忙しいが経済的に苦しいと感じている、
広告業の方は多いと思う。

反対に、TVにおいて出稿量が下降しているのは、
エネルギー/素材/機械、不動産/住宅設備、出版
情報/通信、交通/レジャー、ファッション/アクセサリー
飲料/嗜好品といった分野。

さて、ここでお気づきの方も多いと思うが、
Web広告は4媒体に入っていない。
つまり、本当の広告における経済的な分母は上記に
Webにおける実態が加味されてはじめてリアルになる。

Web広告に力を入れるが故に上記4媒体へのアプローチが
減っている業界もあり、4媒体の出稿量が減っているから
その業界が不況ではないことは申し添える。

エネルギー/素材などの業界は次世代の中心的産業であり、
世界的にも躍進が著しい業界であることは、共通認識だ。
これらの業界はWebへのシフトが早い。

総括すると、上記4媒体にWebを加えた広告という世界観の中では、
実は、広告業は伸びていて、全体としてのイラストの需要は減って
いない。ただ、今まではメディア4媒体で分配していた予算は、
4割(といわれている)程度がWebに流れ、さらにデジタル放送
多チャンネル化の始まる3年後には5媒体でかつTVのチャンネル数が
100近く増えるわけだ。需要は確実に増えるが、単価は確実に全体
としては下がる。特に、新しいクロスメディアに対応しきれない
旧態依然とした媒体は予算の落ちが激しく、厳しい生存競争に
さらされるだろう。紙媒体は減りデータを前提としたDVDマガジン
なども需要は増える。(動くイラストを今考えてと言ってる理由の
1つはこの辺もある。)その上で、高い価値のものは維持するはず
なので、中抜けと言うか料金と技術が非常に二極化すると予測して
いる。

TVCMの終焉とCS,BS,ネット広告の時代

2008年07月16日 | マーケティング
「パチンコ解禁は断末魔? 信頼も文化も失ったCMの未来(前編)」
http://www.cyzo.com/2008/07/post_735.html

「パチンコ解禁は断末魔? 信頼も文化も失ったCMの未来(後編)」
http://www.cyzo.com/2008/07/post_736.html

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TVCMの信頼が落ちて来ている原因である、
パチンコCMや消費者金融のCMの背景は
広告関係者にはよく知られている。

もともとCMを流すには業界的に「規制」
があったのだが、実弾(つまり、現金)
の取引が出来る業界が減って来て、
大手代理店が生き残りのため、規制緩和
に走ったといわれている。

そして、一時期、消費者金融の業界が
中心となって、広告業界は実弾で潤い、
一見、バブルのように稼げる状態に見え
ていたのが数年前。
これは「●イフル」の事件により、
グレー金利の撤廃が通り、一気に失速する。

そこで、次にターゲットになったのが、
パチンコ業界といわれている。
が、これもいつまで続くか、
消費者金融の業界と比べると
規模の小さいこの業界が、今まで通りの
広告業界を生き延びさせる事はない。
大手を含め、厳しい淘汰がすでに
始まって久しい。

メディアは日々、社会とともに変化を
続けている。

そこで生きるもの達は、
メディアに振り回されない強さを
持たなければいけない。
皆が必死に努力している。
その上で、
明日クライアントの
会社が無くなっても、
私たちは生きていかなければ
いけないのだから。

AISCEAS

2008年04月15日 | マーケティング
以前、AIDMAの法則については、
このブログにも書いた。

そのネット版の考え方ともいえるのが
「AISCEAS(アイシーズ)」

「WEB2.0キーワードブック/翔泳社刊」によると、
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A:Attention
注意(テレビ・店頭・マス広告)→企業アクション(露出量/ギミック)
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I:Interest 
興味(ランキング情報・レコメンド情報・パブリシティ・知人・友人)
→企業アクション(客観化した情報提供)
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S:Search
検索(Google・Yahoo・goo)
→企業アクション(SEO)
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C:Compare
比較(公式サイト・販売サイト・比較サイト)
→企業アクション(コンピタンスの明確化)
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E:Examination
検討(ブログ検索・@cosme・価格コム・MIXI等)
→企業アクション(SMO)
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A:Action
行動(モール・個店舗)
→企業アクション(ユーザビリティ・決済手段の多様化)
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S:Share
共有(ブログ・レビューサイト・口コミサイト)_
→企業アクション(アフターフォロー)
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(web2.0時代のユーザー行動(アイシーズ))

ビジネスに於いてはビジネス2.0という考え方が語られ、
その中では電通の秋山隆平氏、杉山太郎氏が提唱した
ネットで購買プロセスが完結する製品の場合の「AISAS」
(認知→興味→検索→購買→共有)や
ローランド・ホール氏が提唱した消費態度変容モデル
ネットで購買プロセスが完結しない製品の場合の「AIDCA」
(認知→興味→検索→購買→共有)
が紹介されている。

最近、広告代理店業の意味合いが大きく変化して来ていることを
現場で強く感じるとともに、ダイレクトマーケティングが最低限の
広告宣伝のコントロールに於ける基礎技術になっていることを感じ、
かつ、紙媒体の役目が縮小し、Webにおけるマーケティング戦略が
恐ろしい早さで進化し、次から次に以前は壁と思われていたものが
有機的に情報というコードで繋がっていく様々な現場を見る。

日頃何気なく関わり出していることが、すでにその情報コードに
驚くほど多く組み込まれて、すでに自分たちもその情報のスピード
循環の中に入っていることを再認識することが非常に増えて来た。


■ワンダーマンの「売る広告」

2008年02月06日 | マーケティング
「ダイレクトマーケティング」を発明したといわれている
レスターワンダーマンの著書が翔泳社から刊行されている。

以前電通出版から出ていたものが1,000円お安くなって、
改訂版として、さらに新メディアとして拡大し続ける
ワールドワイドウェブについての見解も加筆されるという
この世界に関わるものは確実に「読んどけ!」な一冊
になって再登場。

「伝説と真髄を読む」それがこの本。

「提唱者」というのがいかにして生まれるか、
その恩恵を我々が各自の現場で生かさなければ、
この大発見がいかにもったいないことになるか
ということを多くの底辺に至るまでの関係者が
読んでほしいと感じます。

サムライ社員

2005年04月18日 | マーケティング
昨日、読んでいた本の中に
面白い一節がありました。
それは、「サムライ社員」。

私達はいってみれば、クライアントさんやプロダクション、
デザイン事務所の「支援企業」です。

フリーのネットワークも
要は、仕事を発注する側から見れば、「支援企業」。

その環境にはたくさんの「サムライ社員」がいる
というのです。

サムライ社員は給料の3倍の粗利を稼ぎ、
数字・結果に対する評価を是とし、
そこにいたる過程で言い訳しないプロ
と定義しています。

彼ら「サムライ社員」には4つの共通項があるといいます。
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◆条件1
会社に快感(利益)を与えたあとで、
自分が快感(利益)を得られることを知っている。

◆条件2
「他人がどうあるべきか」ではなく、
「自分がどうあるべきか」を問題とする。

◆条件3
現在、日常業務の中で「自分ができること」の延長線上で
仕事をするのではなく、「着地点」から逆算して行動をきめる。

◆条件4
自分の生活向上以外のことに、お金と時間を使う。
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これらは、とても分かりやすく、
フリーランスの事業者が成功するのに必要な
内容を説いていると思います。
僕も、自己点検してみて、足らなくなっていること、
出来ていないこと、いくつか思い当たって
ハッとさせられました。

意識してやっているのと、
意識していないのでは、
大きな差が出ることの一つだと思います。

参考図書:90日で売上を1.5倍にするマーケティング計画
/中西正人(船井総研)著/同文館出版





近未来のライフスタイル「あなたは?」

2005年03月21日 | マーケティング
「マ-ケターの仕事」
小島史彦著(日本能率協会マネジメントセンター刊)では、
近未来のライフスタイルを
下記の7つに大別している。
ちょうど数年前の予測だ。

私はどれかな~?いや、どれに入りたいかな?
と考える、考えないに関わらず、大別であるから
統計的にはどれかに網羅されてしまう、かも。

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A.資産が多く、クラブライフを楽しむ生活をするグループ
 実年齢は高齢。情報感度は高くない。コミュニティは狭い。

B.専門能力があり高所得で、所得や名声のために日々努力する人のグループ
 自律性が高い。年令はやや若い。消費性向が高い。

C.自立的で共生の考え方を強く持つ。シンプルな生活を好む人のグループ
 多様な趣味を持つ。世界規模のコミュニティに参加している。

D.コミュニティの範囲が狭い、地域や家族を大切にする人のグループ
 ボランティア活動に参加している。現状維持の生活。

E.自己の思いのままに行動する。独立独歩型の人のグループ
 専門技術があり自由に生きる。移動性が高い。

F.社会の何ごとに対しても強い感心を持たない人のグループ。
 高齢者が多いが、若者もいる。生活範囲は狭い。

G.どのグループにも入らない、異質な行動をする人。
 カルトに所属、バーチャル没入症など。
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(以上、抜粋)

う~~ん、僕の場合は「プチB」といった感じか。
友人はEに憧れるがCかなあ‥とかなんとか。

あなたはどれかにあてはまりましたか?