『発信アリ』

『着信アリ』。秋本康が書き下ろした超人気ホラーですが、最近の「霊」やら「呪い」は、ずいぶんとハイテクで驚きです。
相手の着信音を変えるとか、動画を送るとか、まぁ、すごいわすごいわ。
操作説明マニュアルは読んだのか？とか、プログラムは書けたのか？とか、様々な疑問はありますが、
それを言ってしまうと、かの『リング』にしても、どうやってブラウン管に受像しているか、という根本的な疑問もわいてきます。
もし、あの「呪われた」ビデオを持つ人が、ワイドテレビだったならどうなるか？とか、
ビデオのトラッキングができていなかったら画像は乱れるか？などなど不思議がいっぱい。
きっとビクターあたりでビデオを開発していた人たちは、鼻で笑って見ているんでしょうねぇ。
「ああ。ありゃVHSじゃ無理だわ」とか言いながら。

ところが、このハイテクな「呪い」。私の携帯電話で実際におきてしまいました。

「発信アリ」。

『着信アリ』も恐怖でしょうが、電話が勝手に発信する、というのもまったく別の意味で恐怖です。
なにしろ着信は内容にかかわらず無料ですが、発信は料金がかかりますからね。

NTT DOCOMOから発売された「ビジネスFOMA M1000」。
あまり店頭にもかざられていないので、ご存知のかたは少ないかも知れませんが
PDA（まぁ、電子手帳でんな）の機能と携帯電話の機能、両方をかねそなえたモトローラ製のFOMA。
売りは、フルブラウズ（インターネットがそのままできる）とパソコンとのスーパー連携。そしてタッチペン操作。

さかのぼること数ヶ月前。イ・ビョンホンが、韓国ドラマ『オールイン』の中で
でかいPDAから、ペンタッチ（スタイラスと言います）でそのまま電話をかけるシーンがございまして、まぁ、そのかっこいいのなんの。
実は「かっこいい」のは、イ・ビョンホンだからなのだ、ということをすっかり無視いたしまして
発売日にはDOCOMOショップで、全財産を「オールイン」。

49,500円。高っ！
でもまぁ、こんな程度で「イ・ビョンホン」になれるなら安いもんだってんで（←なれません）
躊躇することなく購入。

で、M1000の使用記になるのですが。


かつて携帯電話で、これほど解説本の出版されたものもないと思いますが
これほどバグの出た機種もないだろう、というくらい、いろいろやっちゃってくれます。メリケン野郎。

もっとも画期的だったバグは、スケジュールだかToDoだかをいっぱいいれると
「電話をかけられなくなる」というもの。電話なのに・・・。
このほかにも「全登録データが消える」とか、製品とは思えぬバグを連発してくれまして
ファームウエアはアップデートにアップデートを「現在も」重ねております。

だいたいにしてこいつ。あらゆる動作が「信じがたいほどに遅い」。。
たとえば、電話帳の登録は、1件1分以上かかります。フルブラウザ、カメラ、まぁ。遅いわ遅いわ。
何ビットで動いているんだ？モトローラ？真珠湾の腹いせか？

でも、この程度の我慢で「イ・ビョンホン」になれるなら、安いものなので（←なれません）
我慢しておりましたが、つい先日のこと

「電話が勝手に電話をかけてる」

履歴に気づいたときには、すでに10回以上発信していて、まぁ、驚いたのなんの。

以前にもポケットに入っていた携帯が、偶然でリダイヤルを押されていたことはありましたが
これはどうやら違うらしい。
相手にとっては、イヤガラセ以外のなにものでもないわけですが、この相手が超のつくお得意様。
シャレになんない・・・・。

よーし、こうなったらメリケン得意の告訴だ、と、かまえておりましたが、この現象、この1回きりで、その後再発しません。
したがって、心霊現象であったのか、ただのバグだったのかもわからずじまいなのですが（後者濃厚）
秋本康さんにネタとして売れないか思案しております。

まぁ。でも、この程度の「呪い」でイ・ビョンホンになれるなら・・・。（←なれません）