エスティマ日和

『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』2章まで収録の、エッセイ集です。独立しました。

モアレ対策

2005年11月15日 | CG
「モアレ」は、画像にたずさわっていれば必ずかかわる、実にありがたくない現象です。
もっともそれは我々にとっての話で、一方では芸術になっていたり、
あるところでは、科学や医学にも役にたっていたりもするのですが、
とりあえず、弊社においてはメーワクな存在です。

画像処理におけるモアレは、大きく2種類あって、
ひとつは、スキャンの時に印刷物の凹凸によって生まれるもの。
もうひとつは、定期的な模様(タイル等)によって幾何学模様が起こすものです。
いずれも面倒ですが、今回はプロもビックリ、スキャナーのモアレ対策についてお話します。

紙のものをスキャナーで読み込むと、必ずこの「モアレ」に出会うことができます。
こんなやつです。


これは、実際には実に美しい写真で、ざらざらした模様はありません。
このザラザラがモアレで、どんな人が、どんな高価な機械でスキャンしても起きます。
紙やインクの凹凸による乱反射ですから、紙のざらつきが大きいと、当然モアレも派手になります。

あまりに画像が荒れるために、弊社でも「模荒れ」という「肌荒れ」の類似語みたいに思っていた人間がたくさんおりましたが
moire という、れっきとした外来語です。語源はフランス語。
言われてみれば「マドモアゼル」とかと似ていないこともありません。
したがって鼻から空気を抜きながら発音します。
はい。「もアれ~ン」。
よくできました。

しかし、紙のものから取り込むのがスキャナーのメインたる役割ですから
なんとかしたい、と、誰でも思います。
このため、スキャナのソフトウェアには「モアレ除去」機能がついているものも多くあります。
でも、それで満足できない場合。あるいは、歯がたたないほどのモアレが起きるときは?

本当のプロ中のプロたちは、これにゼルという薬品を用いて来ました。
スキャン時のモアレは紙の凹凸による乱反射から生まれるため、この凹凸を薬品で埋める手段です。
ところが。このゼル。信じがたいほど高価な薬物で、末端価格(?)は50gで5000円くらいします。
すでに闇で取引されている一部薬剤のような価格ですから、カタギ(?)の手を出すレベルではありません。

では簡単なモアレ対策は?

あります。
まず第一にスキャンする角度を変えます。つまり紙を置く角度を変えてみます。
するとどうでしょう?
まるで教育テレビの小学校理科のようなジングルとともに(ちゃりらりらり~ん)
モアレの大きさが変わります。
この中から最も現れにくい角度を選びます。
角度の変え方には、一定の法則がありますが、残念ながら、とてもここいらで説明できる量ではありません。
仕方ないので、あてずっぽうでやってください(笑)。

次に画像処理ソフトで画面を超拡大します。
すると見覚えのない、写真とは関係のない色の点がいっぱい見つかります。
こいつらがモアレの正体です。
量にもよりますが、PhotoShopの場合、この色をスポイトで拾って、「色の置き換え」、または「色相彩度」で、
色別に変えてしまいます。
するとモアレは、みるみるうちに消えていきます(ように見える)。

そんなことやってられない、という素人衆は、
仕方がないので、ガウスぼかし、というやつで、画像ごとぼかしてしまいます。
その後、輪郭だけをシャープでもどせば、それなりの画像ができあがります。
最後のものが最も一般的手段で、スキャナソフトのモアレ除去もこれを利用していることが多いのですが
なにしろ、画像がぼける、のと、モアレの色が入り込んでしまうという欠点があるため、
我々は「最後の手段」にしています。



以上、まぁ、だまされたと思ってやってみてください。
もしダメだったら、本当に「だまされた」だけのことです。

はい。「もアれ~ン」。

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1 コメント

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なるほど (じゅんでる)
2008-03-08 23:51:01
年末に年賀状の写真を選ぶときに
写真館で撮った家族写真が良かったのでそれに決めました

でもファイルじゃないので5年程押し入れに仕舞っていたスキャナーちゃんで取り込もうとしました

・・・が!なんだこりゃ!

そうなんですCGさんのおっしゃる「もアれ~ン」で
顔に小さな点々で色んな色がついてるし

PhotoShopはありますがスポイトのような高等技術はできないので
結局何度もスキャンやり直して別名で保存を繰り返し・・・
ディスクトップは同じようなファイルだらけになって結局どれが良かったのか何が何だか判らなくなってしまいました

今度は角度を変えて挑戦してみます♪
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