長崎旅行2日目。
大雨を覚悟していたのに、朝起きたら止んでいました
ホテルをチェックアウトして、駅へ。
「ハウステンボス駅」という名前の駅があったことを初めて知りました。
(ちなみにこの辺りの住所は、佐世保市ハウステンボス町でした。)
JRで佐世保駅まで行き、ここでローカル線の松浦電鉄に乗り換えます。
目指すは、相浦(あいのうら)駅。
田舎の景色の中をのんびり走ります。
小さな駅々には駅員さんはおらず、電車も運転士さんだけで車掌さんはいません。
バスのように、整理券と切符を入れる仕組みです。
やがて相浦駅に到着。
少しずつ空が明るくなってきましたヨ。うっふっふ・・・。
歩いて5分ほどで相浦漁港です。
このフェリーに乗るのかな~?
港の待合室が集合地点。
今日の黒島観光は、「させぼパールシー」という会社が企画している、黒島体験のツアー「黒島めぐる」に申し込んでいました。
最初、長崎行きを決めたときから黒島の名前が候補に浮かんだのですが、
島には船で渡るしか手段がなく、島内にもバスやタクシーはなく、レンタカーで行くとしても往復する便も少ない・・・
諦めようかと思っていた時に、このツアーを見つけたのです。
ジャンボタクシーごとフェリーで渡り、現地のガイドがついて島内を案内してくれるというもの。
半日コースと1日コースがあり、どうせならと「島めし」のランチがついていて「ものづくり体験」もできる1日コースを選びました。
集合場所に行ってみると、パールシーの会社の方は開口いちばん「お天気になって良かったですね~!!」
昨日の最終便は欠航になったとかで、今日もてっきりキャンセルになると思われていたそうです。
私たちの他にもう一組、東京から来られていた同年代のご夫婦もご一緒でした。
黒島の歴史など予備知識の説明を受け、さあ、いよいよ乗船です。
ジャンボタクシーの運転手さんも一緒に乗り込みます。
(旅行の荷物を車内に置いておけるのでラクでした。)
岸壁を離れて沖へ~。
途中、高島という島に寄り、約50分で黒島に着きます。
黒島は、周囲約12.5キロの島。
1800年の初めごろに、周辺の地区から隠れキリシタンたちが移住してきて開墾し、
現在も島民の8割がカトリック信者だそうです。
(船が接岸し、港に降り立ったとき、シスターとすれ違いました。)
ジャンボタクシーで、さっそく島内観光が始まります。
黒島の地元の70歳代のOさんが、ガイドをつとめてくださいました。
とても柔和なクリスチャンの男性です。
「良いお天気になって、良かったですね~!」とOさんの最初のあいさつもこれでした。
島内の道路は狭く、段々畑や民家などがある脇をジャンボタクシーは走っていきます。
なるほど、これではバスもタクシーもあるはずがありません。
「ここでちょっと止まってください」と停止した場所がこれ。
・・・・?
道路の下に見える「公園」とOさんが呼ぶ小さな広場は、
昔の役所の跡。
ここで踏絵なども行われたそうです。
地理的に手続きが不便であったという理由で「処刑」が行われることは.なく、
「処罰」のみここで行われたという説明でした。
さ、進みましょう~と再びタクシーが動きます。
とても静かでのどかな山間の道路。
こんな小さな観光スポットを巡ってゆきます。
途中、1台のクルマとすれ違うと、何やら合図をするOさん。
ちょっと照れながら「今のは、ウチのカミさんです」。
海のそばの断崖の見える場所。
この下の浜から最初の移民が上陸したそうです。
途中通り過ぎる保育園や小学校なども案内が入ります。
空はいよいよ青く晴れて、気温も上がってきました。
だんだんと黒島のペースに慣れてきた私たち。
またまたすれ違ったクルマには、Oさんの同級生が乗っておられました
続いて訪れたのは、「信仰復活の地」。
隠れキリシタンからカトリックへ。
洗礼を大浦で受けて島に戻った信者が、初めてここでミサを行った場所だそうです。
黒島の中でのいちばんの見どころは、なんといっても国の重要文化財にも指定されている「黒島天主堂」。
ツアーのプログラムでは、午後に訪れることになっているのですが、小さな島のこと、いろんなスポットをめぐるたびにちらっと視界に入ってきたりします。
が、ガイド.のOさんはいっさいそれには触れません。なので、私たちも見ないふり~
午前中の観光でいちばん印象に残ったのが、カトリック共同墓地。
日本のお墓と外国人墓地が一緒になったような雰囲気でした。
この島では火葬ではなく土葬だそうです。(特別に許可されているそうです。)
黒島の先祖代々の住民たちに混じって、黒島天主堂を作ったマルマン神父もここに眠っておられます。
遠いフランスからこの異国の小さな島にやってきて、布教に生涯をささげた神父の話をOさんから伺い、その生きざまに感動するとともに、今もその神父を敬愛してやまない住民の方々の敬虔な精神にかいま触れた気がしました。
さて、お楽しみのランチの時間です。
島内に2軒あるという民宿のうちの1軒で、黒島の食事「島めし」をいただきました。
新鮮な魚介類、地元産の美味しい野菜、島豆腐・・・
季節の旬の食材を使っての、心のこもった手料理が並びます。
この日は、アワビがひとつずつ入っていました。
煮魚は、その日にあがったものを使うからか、魚の種類が人によってまちまちだったりしました。
どれも美味しくいただきました。
ご馳走様でした~
食後は再びジャンボタクシーに乗って~。
黒島天主堂へ向かいますが、
途中、この大きな木の前で停車。
「アコウの巨木」と呼ばれている
大きな木。
紐のように垂れ下がっているのは生きている「根」です。
いよいよ黒島天主堂に到着しました。
長崎の大浦天主堂は国宝ですが、五島をはじめこの周辺には重要文化財に指定されている教会がたくさんあります。
黒島天主堂は、中でもいちばん早く重要文化財の指定を受けたそうです。
レンガ造りの美しい教会は、マルマン神父の指揮のもと、島民の勤労奉仕で2年がかりで建てられたということです。
中は写真撮影禁止と書かれていますが、
記念撮影くらいならOKですよと許可を頂いて写してきました。
内部もたいへん美しく、
こうもり天井と呼ばれる天井、その下の2階の回廊、1階のアーチと3層になっているのが特徴だと説明がありました。
日曜日をはじめ、週に何度かミサや勉強会が行われているそうです。
本日のメインイベント「ものづくり体験」の時間になりました。
地元でお祝いごとなどのときに作られる「ふくれ饅頭」を、島のお母さんたちに教わりながら実際に作ります。
学校の調理実習のような雰囲気。
小麦粉にお砂糖とお塩少量を加え、ドライイーストで発酵させた生地で餡を包み、サンキライという葉っぱの上に載せて蒸しあげます。
昔はイーストではなく酒種を使ったそうです。
餡は、お母さんたちが前もって小豆から煮て作ってくださっていました。
蒸しあがるのを待つ間、お母さんたちとお喋り。
お魚は、お店で買うのではなく島で獲れたものを分けていただくので、
値段をよく知らないという話。
東京見物にシスターと一緒に行って注目された話・・etc.
とても良い方たちでした。
蒸しあがった熱々をいただきました。
素朴なお饅頭ですが、できたては美味しかったです。
作った「ふくれ饅頭」は、お土産に持って帰りました。
この「ものづくり体験」季節によって内容が変わるようで、
次の週からは「雲丹の殻割り」だったそうです。
獲れたてのウニを食べれるそうで、そっちのほうが良かったかな~なんて声も。
ものづくり体験の会場は、港のすぐそばでした。
帰りのフェリーの出航時間が近づいてきました。
ガイドをしてくださったOさんのお話の中で、印象深かったのは、この島にパトカーがいないということ。
常駐する警察官もいなくて、確か週に2度くらい、佐世保のほうから担当者が来られるというような話でした。
島に家を建てられてから数十年。鍵を一度もかけたことがないそうです。
1ヵ月家を空けたときも鍵はかけず。
周りの家も皆さん同じで、鍵なんかかけるとかえって怪しまれると、笑って話しておられました。
島の方々の純粋さ・素朴さは、想像を超えるものがありました。
そして、移住・開墾という暮らしがさぞ厳しいものだっただろうということが十分にわかり、その日々を支えてきた信仰心の強さもまた想像を超えるものでした。
過疎化の波は、この島にも容赦なくやってきて、現在の黒島の平均年齢は66歳。
人口は500人を割ってしまったそうです。
この先どうなってゆくのか、
人々の平和な暮らしがずっと続きますよう、願いながら、島を後にしました。
ありがとうございました。
この日の夜は、長崎市内へ移動。
相浦~佐世保~長崎と電車を乗り継いで行く予定にしていたのですが、
ジャンボタクシーの運転手さんが、フェリーから降りてそのまま佐世保駅まで、格安料金で送ってくださいました。
佐世保の街中を、ちょこっと観光案内も。
プロ野球の城島選手の家や、佐世保バーガーの発祥のお店、米海軍基地・・
横須賀と雰囲気の似ている素敵な町でしたが、今回はゆっくりできず残念。
佐世保の駅に予定より早く到着、
長崎駅により早く着ける高速バスに間に合いました。
大雨を覚悟していたのに、朝起きたら止んでいました
ホテルをチェックアウトして、駅へ。
「ハウステンボス駅」という名前の駅があったことを初めて知りました。
(ちなみにこの辺りの住所は、佐世保市ハウステンボス町でした。)
JRで佐世保駅まで行き、ここでローカル線の松浦電鉄に乗り換えます。
目指すは、相浦(あいのうら)駅。
田舎の景色の中をのんびり走ります。
小さな駅々には駅員さんはおらず、電車も運転士さんだけで車掌さんはいません。
バスのように、整理券と切符を入れる仕組みです。
やがて相浦駅に到着。
少しずつ空が明るくなってきましたヨ。うっふっふ・・・。
歩いて5分ほどで相浦漁港です。
このフェリーに乗るのかな~?
港の待合室が集合地点。
今日の黒島観光は、「させぼパールシー」という会社が企画している、黒島体験のツアー「黒島めぐる」に申し込んでいました。
最初、長崎行きを決めたときから黒島の名前が候補に浮かんだのですが、
島には船で渡るしか手段がなく、島内にもバスやタクシーはなく、レンタカーで行くとしても往復する便も少ない・・・
諦めようかと思っていた時に、このツアーを見つけたのです。
ジャンボタクシーごとフェリーで渡り、現地のガイドがついて島内を案内してくれるというもの。
半日コースと1日コースがあり、どうせならと「島めし」のランチがついていて「ものづくり体験」もできる1日コースを選びました。
集合場所に行ってみると、パールシーの会社の方は開口いちばん「お天気になって良かったですね~!!」
昨日の最終便は欠航になったとかで、今日もてっきりキャンセルになると思われていたそうです。
私たちの他にもう一組、東京から来られていた同年代のご夫婦もご一緒でした。
黒島の歴史など予備知識の説明を受け、さあ、いよいよ乗船です。
ジャンボタクシーの運転手さんも一緒に乗り込みます。
(旅行の荷物を車内に置いておけるのでラクでした。)
岸壁を離れて沖へ~。
途中、高島という島に寄り、約50分で黒島に着きます。
黒島は、周囲約12.5キロの島。
1800年の初めごろに、周辺の地区から隠れキリシタンたちが移住してきて開墾し、
現在も島民の8割がカトリック信者だそうです。
(船が接岸し、港に降り立ったとき、シスターとすれ違いました。)
ジャンボタクシーで、さっそく島内観光が始まります。
黒島の地元の70歳代のOさんが、ガイドをつとめてくださいました。
とても柔和なクリスチャンの男性です。
「良いお天気になって、良かったですね~!」とOさんの最初のあいさつもこれでした。
島内の道路は狭く、段々畑や民家などがある脇をジャンボタクシーは走っていきます。
なるほど、これではバスもタクシーもあるはずがありません。
「ここでちょっと止まってください」と停止した場所がこれ。
・・・・?
道路の下に見える「公園」とOさんが呼ぶ小さな広場は、
昔の役所の跡。
ここで踏絵なども行われたそうです。
地理的に手続きが不便であったという理由で「処刑」が行われることは.なく、
「処罰」のみここで行われたという説明でした。
さ、進みましょう~と再びタクシーが動きます。
とても静かでのどかな山間の道路。
こんな小さな観光スポットを巡ってゆきます。
途中、1台のクルマとすれ違うと、何やら合図をするOさん。
ちょっと照れながら「今のは、ウチのカミさんです」。
海のそばの断崖の見える場所。
この下の浜から最初の移民が上陸したそうです。
途中通り過ぎる保育園や小学校なども案内が入ります。
空はいよいよ青く晴れて、気温も上がってきました。
だんだんと黒島のペースに慣れてきた私たち。
またまたすれ違ったクルマには、Oさんの同級生が乗っておられました
続いて訪れたのは、「信仰復活の地」。
隠れキリシタンからカトリックへ。
洗礼を大浦で受けて島に戻った信者が、初めてここでミサを行った場所だそうです。
黒島の中でのいちばんの見どころは、なんといっても国の重要文化財にも指定されている「黒島天主堂」。
ツアーのプログラムでは、午後に訪れることになっているのですが、小さな島のこと、いろんなスポットをめぐるたびにちらっと視界に入ってきたりします。
が、ガイド.のOさんはいっさいそれには触れません。なので、私たちも見ないふり~
午前中の観光でいちばん印象に残ったのが、カトリック共同墓地。
日本のお墓と外国人墓地が一緒になったような雰囲気でした。
この島では火葬ではなく土葬だそうです。(特別に許可されているそうです。)
黒島の先祖代々の住民たちに混じって、黒島天主堂を作ったマルマン神父もここに眠っておられます。
遠いフランスからこの異国の小さな島にやってきて、布教に生涯をささげた神父の話をOさんから伺い、その生きざまに感動するとともに、今もその神父を敬愛してやまない住民の方々の敬虔な精神にかいま触れた気がしました。
さて、お楽しみのランチの時間です。
島内に2軒あるという民宿のうちの1軒で、黒島の食事「島めし」をいただきました。
新鮮な魚介類、地元産の美味しい野菜、島豆腐・・・
季節の旬の食材を使っての、心のこもった手料理が並びます。
この日は、アワビがひとつずつ入っていました。
煮魚は、その日にあがったものを使うからか、魚の種類が人によってまちまちだったりしました。
どれも美味しくいただきました。
ご馳走様でした~
食後は再びジャンボタクシーに乗って~。
黒島天主堂へ向かいますが、
途中、この大きな木の前で停車。
「アコウの巨木」と呼ばれている
大きな木。
紐のように垂れ下がっているのは生きている「根」です。
いよいよ黒島天主堂に到着しました。
長崎の大浦天主堂は国宝ですが、五島をはじめこの周辺には重要文化財に指定されている教会がたくさんあります。
黒島天主堂は、中でもいちばん早く重要文化財の指定を受けたそうです。
レンガ造りの美しい教会は、マルマン神父の指揮のもと、島民の勤労奉仕で2年がかりで建てられたということです。
中は写真撮影禁止と書かれていますが、
記念撮影くらいならOKですよと許可を頂いて写してきました。
内部もたいへん美しく、
こうもり天井と呼ばれる天井、その下の2階の回廊、1階のアーチと3層になっているのが特徴だと説明がありました。
日曜日をはじめ、週に何度かミサや勉強会が行われているそうです。
本日のメインイベント「ものづくり体験」の時間になりました。
地元でお祝いごとなどのときに作られる「ふくれ饅頭」を、島のお母さんたちに教わりながら実際に作ります。
学校の調理実習のような雰囲気。
小麦粉にお砂糖とお塩少量を加え、ドライイーストで発酵させた生地で餡を包み、サンキライという葉っぱの上に載せて蒸しあげます。
昔はイーストではなく酒種を使ったそうです。
餡は、お母さんたちが前もって小豆から煮て作ってくださっていました。
蒸しあがるのを待つ間、お母さんたちとお喋り。
お魚は、お店で買うのではなく島で獲れたものを分けていただくので、
値段をよく知らないという話。
東京見物にシスターと一緒に行って注目された話・・etc.
とても良い方たちでした。
蒸しあがった熱々をいただきました。
素朴なお饅頭ですが、できたては美味しかったです。
作った「ふくれ饅頭」は、お土産に持って帰りました。
この「ものづくり体験」季節によって内容が変わるようで、
次の週からは「雲丹の殻割り」だったそうです。
獲れたてのウニを食べれるそうで、そっちのほうが良かったかな~なんて声も。
ものづくり体験の会場は、港のすぐそばでした。
帰りのフェリーの出航時間が近づいてきました。
ガイドをしてくださったOさんのお話の中で、印象深かったのは、この島にパトカーがいないということ。
常駐する警察官もいなくて、確か週に2度くらい、佐世保のほうから担当者が来られるというような話でした。
島に家を建てられてから数十年。鍵を一度もかけたことがないそうです。
1ヵ月家を空けたときも鍵はかけず。
周りの家も皆さん同じで、鍵なんかかけるとかえって怪しまれると、笑って話しておられました。
島の方々の純粋さ・素朴さは、想像を超えるものがありました。
そして、移住・開墾という暮らしがさぞ厳しいものだっただろうということが十分にわかり、その日々を支えてきた信仰心の強さもまた想像を超えるものでした。
過疎化の波は、この島にも容赦なくやってきて、現在の黒島の平均年齢は66歳。
人口は500人を割ってしまったそうです。
この先どうなってゆくのか、
人々の平和な暮らしがずっと続きますよう、願いながら、島を後にしました。
ありがとうございました。
この日の夜は、長崎市内へ移動。
相浦~佐世保~長崎と電車を乗り継いで行く予定にしていたのですが、
ジャンボタクシーの運転手さんが、フェリーから降りてそのまま佐世保駅まで、格安料金で送ってくださいました。
佐世保の街中を、ちょこっと観光案内も。
プロ野球の城島選手の家や、佐世保バーガーの発祥のお店、米海軍基地・・
横須賀と雰囲気の似ている素敵な町でしたが、今回はゆっくりできず残念。
佐世保の駅に予定より早く到着、
長崎駅により早く着ける高速バスに間に合いました。