さていよいよ、今回の旅のメインイベント「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」です。
会場は、キッセイ文化ホール。
心配していた駐車場は、既に満車に近い状態でしたが、停めることができました。
↓ ホールの入り口です。
かつては「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」という名称で親しまれてきたこの祭典は
一昨年から「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」 (略称OMF) と名前が変わっています。
楽団の名前は「サイトウキネンオーケストラ」 (略称SKO)がそのまま使われています。
まだ開演までかなり時間があったのですが
外はとても暑かったので中に入って待つことにしました。
二人ともクララと一緒の時のままの格好だったので、私は、まずお手洗いに行って、着替えです。
といっても、リゾート地のマチネーだし、それほど頑張り過ぎなくてもいいのかな・・と、
下はそのまま、上だけキラキラしたラメのアンサンブルに。靴もキラキラしたのに履き替えて、コンサートバージョン完成。
夫は、ウィーンフィルのTシャツの上にジャケットを羽織りました。
ロビーでは、いろんな記念グッズやCDなどが販売されていました。
↓ このポスターは、過去の演奏を収録したDVDのもののようです。
「オフィシャルワイン」も無料でふるまわれていました。
「塩尻メルロー2015」と「松本平シャルドネ2016」
ラベルのデザインは松本城とオーケストラの絵柄です。
グラスにほんの少しずつ・・あとで運転しないといけませんものね。
開演の時間が近づいて来ました。
ロビーからホールの中へ入ります。
お席は、前から3列目
ステージでは、奏者の方々が数人、入れ代わり立ち代わり、入念に本番前の最後の練習中でした。
その方々も全員舞台から袖に引き上げて、係員がマイクなどのチェックを済ませると、
いよいよコンサートの幕開けです
サイトウ・キネン・オーケストラのメンバーが左右の袖から次々と登場。
大宮臨太郎さんは~?と目をこらす私
今年のオーケストラ・プログラムは、A・B・Cの3つがあり、小澤征爾さんが指揮をされるのがBとCだったのでBの公演のチケットを取ったのですが、
臨太郎さんが出演されるのもBとCだったのです (このことは、チケット購入後に知りました。Aの日を買っていたら、演奏は素晴らしかったようですが、残念な思いをしていたことでしょう~)
あ、いらっしゃいました コンサートマスターの後ろあたりの位置です。
私たちのお席は、真ん中よりちょっと右よりだったので、チェロの側。
目の前が宮田大さんでした。(宮田さんも本当にクールでかっこいいですね~)
そして満場の大拍手に迎えられて、小澤征爾さん、登場です。
とても細いけれど、お元気そう~
本日のプログラム ↓
第1部 1曲目 ベートーヴェン 「レオノーレ序曲 第3番」
2曲目 マーラー 「少年の魔法の角笛」より
第2部 ドヴォルザーク 「交響曲第7番 ニ短調 作品70」
この中で 今日小澤さんが指揮をされるのは、1曲めのベートーヴェンだけです。
(かつては、体調不良のために指揮者が変わったり曲目が変更になったこともあるようですが
今日の小澤さんは表情も明るく楽しそうで、まずは予定通り指揮をとられることだけでも嬉しい限りです。)
椅子に腰かけながらの指揮ですが、
タクトをひと振りされた瞬間、オーケストラがびしっと完璧にひとつになった、そのパワーにびっくり。
演奏メンバー全員ががっちりとまとまって、キレのあるサウンドの中を突き進んでゆく感じです。
世界中から馳せ参じた一流の奏者ばかりだし、どの方にとっても演奏しなれた曲だっただろうとは思うのですが、
それでもおそらく音合わせなどにも最小限の時間しか無かったに違いないのに、
さすが小澤さんへの皆さんの尊敬や信頼が想像を超えた素晴らしいものなのだなぁと感激いたしました。
臨太郎さんの表情を見ていても、ものすごい集中力で、小澤さんの僅かな動きも見落とすまいという演奏ぶりでした。
そのうち盛り上がる箇所では2~3回、小澤さんは椅子から立ち上がって指揮をされました
細い身体で、あのぼさぼさの頭で、全身から気迫をみなぎらせながらの様子は
日本の古い屏風絵の「鬼」のようでした。
(私たちの席からはお顔は見えなくて、本当は嬉々とした快活な表情だったのかもしれませんが。)
演奏中の写真はないので、代わりにコレを(笑) ↓
(終演後に、記念に買いました。)
会場内の大きな拍手と歓声の中、小澤さんが退場されると
2曲目はオーケストラの編成が大きく変わるようで、係の方がマイクや椅子、譜面台などを移動させていました。
マーラー 「少年の魔法の角笛」より
指揮は、女性で、アルト歌手でもあるナタリー・シュトゥツツマンさん。
(以前テレビでも見たことがあります。)
そして、コンサートマスターもこの曲だけが女性の奏者。
臨太郎さんはというと、2ndに回られたのかな?中央寄りの後方で、
エ~ン、私の席からは、他の奏者と譜面台に隠れて、全くお姿が見えません。
ソプラノのリディア・トイシャーさん(とても愛らしい方です)が、オーケストラの演奏をバックに、
ドイツ語の6つの歌曲を歌われました。
透明な綺麗な歌声とオーケストラの美しいハーモニー。
プログラムにドイツ語の歌詞と対訳の日本語が書かれていたのでそれを読みながら聴いていましたが
オペラのように字幕があればもっと良かったかも・・と思いました。
盛大な拍手に応えて、アンコールでもう1曲披露してくださいました。
休憩時間。
お手洗いは、例によって長蛇の列。
周りの方の会話の中で、(おそらく小澤征爾さんのお元気な様子に)感激して涙を流されていた方が複数おられたというのが聞こえてきました。
さて、第2部が始まります。
今回もまたまたステージでは椅子や譜面台の大移動がありました。
3曲目 ドヴォルザーク 交響曲第7番の指揮は、先ほどと同じナタリー・シュトゥツツマンさん。
そして、臨太郎さんは、コンマスの隣、N響での定位置(?)です。
ナタリーさんは、底抜けに明るくて元気いっぱいの方。
そしてがっちりと運動選手のようにたくましい体つきです。
終始笑顔で、その元気そのままの迫力ある指揮ぶりでSKOのメンバーを引っ張っていました。
終演後は拍手が鳴りやまず、ナタリーさんとメンバーは、何度もカーテンコールにこたえておられました。
アンコール演奏は無かったのですが、場内が明るくなって席を立とうとしたとき、
下手の2階のほうの窓(照明とかの部屋?)から小澤さんが客席の声援に手を振って応えられているのが見えました。
あそこで聴いておられたのでしょうか?
私たちも、目いっぱい手を振りました。
この場所に来れて、良かったです。
小澤征爾さん、82歳。
来年もまたお元気でOMFでタクトを振ってください~。
コンサートの終演後、夫の感想は、「小澤さんが鬼のように見えた」という点は私と同じ。
そして、コンマスの方の演奏が素晴らしかったと。
へ? 小澤さんと臨太郎さんしか見ていなかった私は、全く気が付かなかったのですが、
夫が言うには、指とか弓の遣い方が独特で、凄いと思ったそうです。
後で調べてみたら、東京都交響楽団の矢部達哉さんのようです。
終演後に臨太郎さんと握手をしながら何やら言葉を交わされていましたね。
都響の演奏って、テレビとかでも見たことがありませんが、機会があればまた聴いてみたいです。
ずっと前から憧れのサイトウ・キネン・オーケストラの演奏をライブで聴けて、
小澤征爾さんの魅力に間近に触れることができ、
しかも臨太郎さんも出演されていて、思い出に残るとても素晴らしい時間でした。
帰りがけに、ロビーのショップで、公式のプログラムや記念品やお土産などを少しばかり買いました。
さあ、この後はホテルに向かいます。