11月21日。AM3時起床。
今日はボロブドゥール観光の日。サンライズを見に行くための早起きです。
基本のツアープランでは、お昼に一度ホテルに戻って来るのですが、
我が家はランチをホテル・アマンジオでいただくオプショナルプランを申し込んでいて、ホテルには戻らないので、
早朝にチェックアウトを済ませ、スーツケースなども全部積み込んでの出発です。
約束の3時45分、ロビーに降りてゆくと、日本語ガイドのHさんはもう待っておられました。
ボロブドゥールまでは、クルマで(早朝の空いている道を走るので)1時間ほど。
まだ暗い道をひた走り、やがて目的地に到着。
↓ ボロブドゥール遺跡に隣接するマノハラホテル。
観光の受付カウンターがあり、Hさんが手続きを。
(後で朝食もここで頂きます。)
他にも数組のツアー客が来ていました。
入場証の紙のワッペン →
胸に貼り付けて、
ガイドさんから懐中電灯を借りて、いざ、出発です。
先に行くHさんについてゆきます。
サンライズツア-は、昼間の一般観光とは入り口が違っていて、近道を通るのだとか。
(その代り入場料金も高いそうです。)
やがて、前方に遺跡の姿が見えてきました!
ボロブドゥールとブランバナンの遺跡観光は、バリ島からの「日帰りツアー」もあります。
でも、アメリカCNNの「死ぬまでに見たい27の絶景」の第1位に、この夜明けのボロブドゥール遺跡が選ばれたこともあると知って、こちらに泊まって早起きするほうを選びました。
いよいよ真ん前に到着。
この石段をてっぺんまで登ります。↓
悪天候の場合は中止になることもあるそうですが、幸いまずまずのお天気でラッキーでした。
石段は、段差が大きいところが多く、踏み代が狭くて、思っていた以上に上り下りが大変でした。
頂上に着きました。
眼下にこの風景が広がっています! ↓
まだ夜明け前で、薄暗く、朝もやの中のところどころに照明の明かりが灯っています。
雲が多そうなので、太陽が見れるかどうか、ちょっと不安。。。
30~40分待ったでしょうか、
夫が「あそこに見える!」と。(5時半ごろです。)
お!やった!やった!!
見事とは言えませんが、まあまあのご来光を見ることができました~!
(もっと好天ならムラビ山のきれいな遠景が見えるそうですが、残念ながらそちらは見えませんでした。)
周囲がだんだんと明るくなってゆきます。
ジャワ島は、現在はイスラム教の島ですが、この ボロブドゥールは、仏教の遺跡。
建造されたのは8世紀で、アンコールワットより少し早い時期。
19世紀の初めに発見されるまで、密林の奥深く埋もれていたという点もアンコールワットに似ています。
何年にもわたって発掘と修復工事が重ねられて、現在に至っているそうで、1991年に世界遺産に登録されました。
「はい、写真撮りましょう、並んでください、」とHさん。
全体は、9層の階段状になっていて、これが一番上の層。 ↓
釣鐘のような形の「ストゥーパ」は、中に仏像が置かれています。
下の層は、俗界に近くて、上に上がっていくほど、無欲で悟りの境地に近づくのだとか~。
↓ 上の層のストゥーパの窓は、四角い形で狭く、俗界から遠のいているけれど、下の層のストゥーパの窓は、菱形でより開放的で、俗界に未練があるのだそうです。
いちばんてっぺんのストゥーパは、もういっさい俗界とは無縁なので、窓がひとつもありません。 この中は、仏像も入っていないそうです。
外の囲いが壊れてむき出しになっている仏像が2つくらいありました。
以前は、中の仏像に触ると願い事がかなうとかで、皆が触ったそうですが、
今は禁止されていて、近くで警備員が見張っています。
「仏像に触ってはいけないけれど手を入れるだけならOK」とHさん。
写しますよう、手を入れて~、はい、パチリ。
↓ 「ここからの背景も撮影ポイントだよ」とHさんは、サービス精神旺盛でたくさんツーショットを写してくださいます。
はい、この階段もね。
一段降りてください~。パチリ。
良いアングルだと思ってカメラを向けていると、すぐにやってきてカメラに手を伸ばし、
並んで、並んで~。パチリ。
なので、すみません、私たちが入っている写真ばかりで--。(載せていないものがもっとたくさんあるのです^^;)
↓ 修復作業の説明の掲示。
平日の朝なので比較的すいていて、ゆっくり観光ができました。
層と層の間は回廊になっていて、壁面にはレリーフがびっしりとほどこされています。
Hさんは、上から順番に下りて行って、各フロアの回廊のレリーフや構造物、使われている石の種類などについて解説をしてくださいました。
↓ 雨水を排出する吐水口の装飾です。
この頃には、頂上で一緒だった大手ツアー会社の観光客などはとっくに引き揚げてしまっていました。サンライズだけ鑑賞するとすぐに移動するようです。。。
遺跡の説明の合間に、Hさんからはいろいろなお話も伺いました。
彼には大きな夢があり、それは、イスラム教の聖地メッカにお参りに行くこと。
メッカに行ったことがある人とない人とでは、名前の前につける称号(?)が違い、
儀式のときに身に着ける衣類(帽子だったかな?)の色なども違っていて、
あの人はメッカに行った人だとひと目でわかるそうです。
お二人のお子さんのいる4人家族で、いまは生活費がかかるのでメッカに行く余裕はないとおっしゃっていました。
フロアのうちのひとつは、お釈迦様の生涯を描かれたレリーフが並んでいました。
生まれる前から誕生するまで~裕福な王家で世間とは隔離されての成長~結婚~世の中の現実を知って修行の道へ~解脱~布教~亡くなるまでが1枚1枚のレリーフにびっしりと記されていて、
Hさんは、それを丁寧に詳しく説明してくださいます。
このフロアは、ぐるりと1周全部、かなり時間をかけて回りました。
恥ずかしながら、私はお釈迦様について何も知らなくて、初めて聞く話ばかりでした。
敬虔なイスラム教徒のHさんに、仏教について教わったのでした。
この遺跡は、仏教のお坊さんたちにとっても大切な聖地で、レリーフは、修行の教材の役目をしているそうで、
1段目の回廊のレリーフをすべて理解しなければ次のフロアに上がれないそうです。
2時間半以上かけて遺跡をしっかり見ることができました。
石段の上り下りで、もう足はくたくたです~。
↓ 遺跡の遠景。
遠足らしい女生徒たちがいました。
朝立ち寄ったマノハラホテルに戻ります。
来るときは真っ暗てよくわからなかったホテルの周囲。
朝食です。
ビュッフェスタイルの、インドネシア料理でした。
この時点で、まだ8時前・・
早起きすると1日が長いです。
この後、「ボロブドゥール寺院遺跡群」として共に世界遺産に登録されている2つの遺跡に案内してくださいました。
↓ ムンドゥツ寺院
ボロブドゥールの東約3キロメートルのところにある、こじんまりとした寺院の遺跡です。
中に入ると・・・
天井の高~~~~~~~い部屋に、3つの石仏がありました。
(別々に写したのを並べたので、大きさというか比率がまちまちです^^;)
中央にあるのがお釈迦様、向かって左側が観世音菩薩像、 右側が金剛手菩薩像で、高さは3メートルくらいあります。
照明などは無い暗い場所で大きなものを写そうとしたのでうまく撮れなかったのですが、後で帰国してから調べてみたら、中央の如来像はその美しさに定評があり、非常に美術的価値が高いものだそうです。
↓ 入り口の横の壁のレリーフは、鬼子母神です。
反対側には毘沙門天のレリーフがありました。
↓ 寺院の近くにあった巨大なガジュマルの木。
他でもいくつか目にしましたが、お供え物が置かれたりご神木のように扱われているものもありました。
この後、もう1箇所、ボロブドゥールとムンドゥツ寺院の真ん中あたりにある世界遺産、パオン寺院にも行きました。
パオン寺院は、 ムンドゥツ寺院とよく似た建造物ですが、建物の中には何もなくてがらんどうでした。
ムンドゥツ寺院の見学中に、デジカメの電池残量が少なくなっているという表示が出てしまい・・・
(ボロブドゥールであれだけたくさんパチパチと気前よく写した結果なのでしょうけれど)焦りました。
まだこの後、憧れのホテル「アマンジオ」のランチが待っているのに。
それに、それに、午後はボロブドゥールと並ぶ本日のメインイベント、ブランバナン寺院の観光が控えているのに~!
これから先はデジカメはここぞというときだけ使うことにしよう~。
という事情もあって、残念ながらパオン寺院の写真がありません。
似たような(それぞれに文化遺産的価値は高いのでしょうが)レリーフをいっぱい見て、写真を撮るのに疲れてきたこともあったのでしょうね。
ボロブドゥール寺院遺跡群の観光の後は、ホテル・アマンジオで昼食です。
アマンジオは泊まるのはちょっと手が届かない高級なリゾートホテル。
で、せめてランチに行ってみたい~と訪れるのを楽しみにしていました。
クルマは小高い山の中へ入っていきます。
そして、到着です。
緑が広がる広々とした敷地。
美しくそして驚くほど静かです。
メインのエントランスの横には、蓮の花がたくさん咲いていました。
まだ食事にはちょっと早かったので、ホテルの中をお散歩させていただきました。
マンゴーの木がいっぱい。
ハルマニスという種類でとても美味しいそうですが、まだ食べごろまでにはちょっと早いようです。
どこからか鶏の鳴き声が聞こえてきましたっけ~。
建物は石造りで、客室は、全部ヴィラのようです。
中はテレビもないのですよ、とHさんが言ってました。
石のタイルの上に、トカゲの姿を複数目にしました。
非日常・・・この言葉がそのまま当てはまる環境です。
ロビーに入ると、お線香の匂いがしました。
蓮の花とお線香、なんだか天国みたいな(行ったことありませんが)ところだと思いました。
ロビーを突っ切ったところにレストランがあり、
正面には、密林の向こうにボロブドゥール遺跡が見えます。
時間が早いせいもあって、最初は他に誰もお客さんがいませんでした。
広くて平和で静かな空間を貸切で、ビンタンビールで乾杯です。
レストランのスタッフが記念写真を撮ってくださいました。
お料理は、西洋料理とインドネシア料理の2通りのコースから選びます。
夫は、西洋料理を、私はインドネシア料理にしました。
私の前菜 ↓
夫の前菜 ↓
BGMなど何もない静寂の中に、遠くからコーラン(←訂正 アザーン)が聞こえてきました。
スピーカを通してだと思いますが、全然耳障りではありません。
ジャワ島に来てから何度も聞いているコーラン(ではなくてアザーンというお祈りの時間のお知らせ)は、不思議に惹かれるものを感じました。
私のメインディッシュ ↓
夫のメインディッシュ ↓
私のデザート ↓
夫のデザート ↓
アザーンの声は、ふだんのお祈りのときより長い時間流れ続けています。
そのうちに、全然違く方向から(やはり遠いスピーカから)違う声の調べが加わりました。
二つの声は、まるで掛け合うように流れ続けました。
お祭りか何か特別の行事で、これこそコーランだったのかもしれません。
お料理は全部美味しかったです。
時間的にも余裕があったので、お茶ものんびり頂きました。
今回の旅行の中でいちばんゆったりとした食事の時間でした。
ロビーの片隅で待機されていたHさんと一緒にホテルを出発します。
↓ これはホテルの壁に飾られていたジャワ語(?)の文字の額。
Hさんによるとインドネシアには400以上の方言があり、違う地方の言葉はお互いに理解不能なのだとか。
それで「インドネシア語」という共通語が作られたのだそうです。
街中の看板や新聞で見るアルファベット表記の文字がそれでした。
地元の言葉とインドネシア語と。こちらの方は皆バイリンガルなのでしょうね。
ホテルを出たクルマは、山を下りて、だんだんと市街地の方へ戻ってゆきます。