うちの軒下に、この時期ツバメさんが来ること20年あまり。
近年、玄関のドアを変えたため4年ほど来なかったのですが、
今年、久しぶりにいつもの定位置にやってきました。
殻が落ちていたのは4/22。
今回初めて知ったのですが、1日に一個ずつ産むらしいのですね。
正直、これまで、
わーい、今年も来てくれた〜
親鳥がエサあげるし、眺めてるだけだし、巣立つ日が楽しみ♪
なだけで、知識をわざわざ得ていなかったのですが、今年は違いました。
6/1早朝5:30すぎ。
「巣が落ちちゃったのっ。もうだめっ、うわーんっ」
の取り乱した声に起こされて、玄関を開ければ、
高さ3mほどのところから、乾いた土で出来た巣が根こそぎ落ちていて、
完全粉砕。
産毛が生え揃えたばかりの、孵化10日目ほどのグレー色の雛たちが、地面のあちこちに散らばっていました。
巣が途中で落っこちるとか、初めてです。
よく見ると、今回、藁があまり入っていませんでした。
強度性がたりなかったのでしょうか。
(後で調べると、藁がこの頃入手できないそうです)
もう助からないだろう、と、紙箱にタオルを敷いて、1匹ずつ、そっと置いていきました。
5羽中、1羽は打ち所が悪かったらしく、眠るような可愛い顔のまま、動かなくなっていたので、
その子をガーゼで包み、まだ息をしている4羽の雛たちのそばに置いてあげて、
一旦、食事に家に入りました。
重い気持ちで、再び玄関を開けたところ、
まばらに置いていたはずの雛が、
かたまって、ふうふう、息をしてるじゃないですか。(驚)
しかも、親鳥が、まだちゃんと、エサをあげに、地面に降りてくるんですね。
これはもう何が何でも助けなくては。
ちょうどこの日、
動物病院に行く用事があったので、獣医さんにお聞きしたら、
「親鳥があきらめなければ育ちます。巣の素材は、実はそれほど問題ではない。」
とのこと。
家に戻って10時半、扉を開けたところで、
パパンがお世話になっているところの社長さんから、ちょうど電話がかかってきました。
お忙しいのに、いろいろ調べてくれて(感涙)。
こういう事例は他でもありそうなので、市役所に電話してみれば答えがあるかも、と嬉しいヒントをいただき、早速連絡。
市役所の交換手さんが、そのまま、市内の鳥の博物館の職員さんに繋いでくれました。
「カップラーメンの容器など、ガムテで固定して吊るせば、
巣の場所が、前の場所より、ちょっと離れていても、親は感知します。」
とのこと。
近頃カップラーメンとはご無沙汰でしたので、急いで買いに行って食べようかと思ったけれど、
その時間も惜しいほど、ヒナに、せっせと親がご飯をあげているので、
急遽、車庫の一番奥に、ありもの素材で、ようやくお昼すぎに設置。
元あったところより1.5mは軽く離れている上に、
人間の手がすぐに届く、地上2m強のところ。
長年ツバメが来ても、そこに巣を作ったことは、まずありませんが、
警戒されちゃうけど、そこしか、作るには届かず、しょうがなく。。
で、結果、ヒナが、キャーキャー鳴くと、
元あった場所に、親鳥が行きかけるんですが、
そっち?と、すぐに気付いてくれまして。ワァォ(*・ω・,,人)゚
職員さんのおっしゃってた通りでした。さすが鳥の専門家はすごい!
その日の夕方、
お星様になってしまった、かわいいヒナちゃんを、
「次は、ちゃんと大人になって、空を飛ぶんだよ」と、お見送りし、
残りの4羽は、何が何でもサポートして、巣立たせるんだ!と奮起。
それからの日々は、
ツバメの活動時間は、家の前に車を置き、
ツバメの寝る時間は、車庫に戻す毎日。
ということで、
二つ前の日記の謎のメモは、そういうことだったんです。
あのあと、車を早朝出す時間のベストは3:37でした。
でも、日に日に、空が明るくなるんですね。
自転公転の神秘。
は、ともかく、
天敵がきたら、熊手で追い払おう、と、常に近くに置いて、
ヘビは木酢が嫌いと聞けば、夕刻定時にシュッシュと、スプレーで周りを吹きかけ、
「年中、うちの子をねっとり見てんじゃないよ!」
と親鳥に、超至近距離飛行で威嚇されながら(もしかしたら熱烈挨拶かも)、
毎日ハラハラ過ごし、
設置してから9日目、ここまで育ってくれました(感涙)
親鳥すごい!
そして、子育て支援ヘルパーも、2.3羽いました。
守られて、すくすく育った雛たち。
設置したカゴの底が深いため、
うんこが、外に出されることがなく、
寄生虫にやられるんじゃないかと心配して、
6/2に再び、鳥の博物館に連絡。
大丈夫、とのことで、一安心。
6/9、上の写真のあと、私の目の前で、2羽が無事、巣立って行きました。
写真は、1羽目の子。
ボケててすみません。
ヒナが飛び立つ時、親鳥2羽が、私に羽の風圧かけるレベルの至近距離で、
激しくホバリングでバサバサ。
威嚇してたのか、テンション高くて嬉しかったのかは、
今もよくわかりません。が、私も相当嬉しかったです!
巣立ってから2週間は、自力でご飯が取れないらしく、
巣立ったひなは、うちの前の電線に止まって、ご飯もらってました。
残る2羽。
どうしよう。残されちゃった空気が充満です。
一羽は、腕の付け根にまだ、産毛が生えていて、
もう一羽は、胸毛がまだグレーです。
多分、最後に生まれた子なのでしょう。
見るからに、まだ全然飛べなそうです。
この子たちがちゃんと巣立ちますように。
毎日、神棚に、しつこいくらいお祈りしていましたよ。
↑正月くらいしか参拝しない無宗教な私ですみません。
親鳥は、ちゃんと残りの子たちにご飯をあげに来てくれるのか。
放棄したら、私が育てる。(鳥をほぼ触ったことがないけど)
ミルワームとか、超キモいらしいけど、気張る!
と心に決めた6/9の夜。
翌朝10日、昨日腕の付け根の産毛の子が、無事巣立って行きました。
残る一羽。
すごく寂しそうに、困ったように、つかまり立ちしています。
ですが、
親が、何度も巣立ちするように促していましてね。
この日の午後は、違う鳥が集団でちょっかい出しにきたりもしていたので、
私も熊手を持って、待機していました。
でも産毛の様子から、多分明日だろうな、と思っていたら。
日没前に、巣立ちしました!
巣立ちしました。。
ええ、もうね、これ一昨日の晩、私ずっと号泣です。
嬉しそうに飛んでいるのを見ていたんですよ。
「やったー!飛べた!兄弟のところに行ける!」
そんなウキウキが伝わってきました。
そうだ、カメラ、と一旦家に入って、すぐに戻ってくる間に
初飛行で、車にはねられて。
最初気づかなかったのですが、
親鳥が必死になって私に伝えてきて、白いお腹を出して苦しんでる雛に、ようやく気づきました。
車道の真ん中で、一生懸命起きようとしているのです、が、そのまま力尽きてしまいました。
つやつやの大人の毛になって、これから、というときに。
落下した時のひなちゃんの隣に、埋めてあげました。
2羽とも、次はちゃんと大人になって、何年も生きるんだよ、と願いを込めながら。
最初ショックすぎて、涙も出ませんでした。でも、夜は号泣でしたね。
一晩経った翌日も泣きましたが、
思えば、落下した時に、もうだめだ、と思っていたひなが、
人間の作った、無骨な巣にもかかわらず、ちゃんと育ち、親鳥も諦めず、巣立ったことは、
一応、幸せな結果だったのかもしれない、と。
少なくとも3羽はちゃんと巣立てましたし。
巣立った子達が、寝に帰ることは初日からなかったので、
先ほど、早いけれど撤去しました。(自然の巣の場合は次の年まで設置したままです)
最後の子がよく座っていた場所のガムテに産毛が付いているのを見ると、泣けちゃいます。
と、感傷に浸っている横で、
すでに、ツバメのつがいが、うちの定位置で、巣作りのチェックをしているとかw
今度は落ちないの、しっかり作ってよ〜。
私も藁を探しておくよ。
毎日、ガレージのヒナたちの声に聞き耳を立てているのがすっかり習慣になっていて、
巣がなくなった今、静かになったのが、寂しいです。
いつも巣立つと、親子で、
うちの前の電線を5線譜の音符のように並んでくれるのが恒例なのですが、
今回は、一度もないです。
が、
先ほど、寂しいな、と思いながら、見あげたら、
大人のツバメが、私に近づいてきて、
頭上30センチのところで、穏やかで緩やかに、コンパクトな旋回を2回して、1m先の電線に留まりました。
多分、親鳥かも。
挨拶に来てくれたのかも。
と、思いました。
ちなみに、今回使った道具。
園芸用の吊るすカゴに、
食器を拭く布巾を内側に敷いて、中に、粉砕した元の巣の土を入れ、
ガムテで固定。
定位置に、つっぱり棒で、吊り下げました。
もし、また入用になったら、
次は底面に、ウレタンや、プチプチ梱包で底上げして、
ウンコを外に出しやすい作りにしてあげようと思います。
そして、今回の件、頼りになる、お向かいのおじさんに、たくさん助けてもらい、大感謝です。
蛇や野鳥を平気につかめる、自然に強いおじさんて、素敵だな〜。