トイレ２題

　　　　　　　　　▲写真は有料トイレ。善隣門近くのチャイナスクエアにあります。

　中華街で飲み食いして、その後は散歩といったコースを考えている人は多いと思います。
　でも、その際に注意しなければいけないのはトイレ問題です。
　エビチリ、麻婆豆腐を食べながら生ビールをグビグビ、紹興酒をカッポカッポ、さらに酔い覚ましだなんて言って烏龍茶をングングやった貴方、店を出るときにトイレに行ったから大丈夫だと思っていやしませんか？　膀胱内のビールの残存量は大丈夫ですかぁ。
　健康のためと言って杜仲茶を飲みながら薬膳料理を食べた貴女！　杜仲茶には利尿作用があるんですよぉ。薬膳の中にもその効用がある漢方が入っているでしょう。
　で、中華街散策だといって寒い中を歩き回るとどういうことになるか。
　尿意です。
　近くにトイレがあればいいのですが、中華街には広州料理は多くあっても、公衆便所はほとんどありません。そして、皆さんご想像のとおり、悲惨な事件が起きるのです。
　顔面蒼白、脂汗タラタラ、下腹を押さえながら右往左往している、田舎から出てきた親爺さんたちをよく見かけます。幸いなことに、中華街大通りで立小便をしている呑んだくれは、まだ見たことがありませんが、いつこんな光景が出現してもおかしくはないでしょう。

探偵団が見つけたトイレ。さて、どこでしょうか。 ヒント：某有名店の近く これ以上は教えられません。ご自分で探してね。

　そこで大切なことは、トイレの把握です。
　中華街探偵団は様々な路地裏まで探索しており、そのたびに素晴らしい発見をすることがあります。なかでも、トイレを見つけたときは、思わずジャンプして喜んでしまいます。
　「こんなところにトイレがあったのかぁ」
　「隠れ家的なマイ便所だ」
　「○○飯店で食べた後、小便をしたくなったらココだな」
　
　いま、「洗手亭」という名の公衆トイレが、加賀町警察署裏にありますが、これができるまでは大変だったのです。
　２０年以上前、中華街に来るお客さんを対象にしたアンケート調査がありました。その結果報告書には困っていること、改善してほしいこととして、次の３つが上位に上げられていました。
　・接遇サービス
　・トイレ
　・段差

　２００５年、大通りの改修が行われ、段差は是正され歩きやすくなりました。各店の接遇サービスも以前よりは格段に良くなっています。
　そして最後に残ったのがトイレ問題。山下町公園にトイレを、という計画もあったようですが、前述したとおり公衆便所は加賀町警察署の裏という、まったく中華街のハズレの位置になりました。
　昔、『交番の裏はドブ』などという暴露モノの本がありましたが、ここでは「警察の裏は便所」です。（本題と関係ありませんが）

　関帝廟通りの「三和楼」を出てしばらくして、突然、もよおしてきたらどうするんでしょう。「洗手亭」まで駆けるのでしょうか。お股を押さえながら。
　やはり、公衆トイレは街の中心近くに造ってほしかったなあ。と、理想論を言っても仕方ありません。いま、実用的なトイレマップを作ることが求められています。