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中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

限定 牛肉炒河粉 ~関帝廟通り・太合殿~

2008年04月28日 | 中華街(関帝廟通り)

 石毛直道著『文化麺類学ことはじめ』によると、麺の作り方には手延べラーメン系、そうめん系、切り麺系、押しだし麺系、河粉系と5つの系列があるという。
 “手延べラーメン系”は道具を使わず手だけで延ばす方式だ。小麦粉を練って寝かせた塊りを半分のところで折り返して引っ張り1本を2本にする。その作業をどんどん繰り返していくと2本が4本、4本が8本、8本が16本、16本が32本…以降、64・128・256・512・1024・2048・4096・8192と倍増し、13回で16384本と、とてつもない本数になる。
 “所得倍増計画”ならぬ“麺の本数倍増計画”だ。どこかマージャンの点数計算と同じ数字が出てくるよね。ちなみに、これがお菓子版になると白龍髭というのがあるそうだ。

 手延べといっても、倍倍に本数を増やすのではなく、手繰って手繰って1本のままどんどん長くしていく方式もある。一本麺だ。横浜中華街でもこれの専門店「山西麺荘」という店が関帝廟通りにあった。あっという間に消えてしまったが、現在は系列店の「京華楼」で食べられるので、未食の方はお試しあれ。 
 
 2番目の“そうめん系”は油を塗布して引き延ばしていく方式。千切れやすさを油で補強しながら線状にしていくのだ。もちろん手延べもある。その代表例が日本の素麺(ソーメン)だろう。
 ちなみに素麺と冷麦は形態がそっくりだが、その違いは油を塗布しているか否かである。

 3番目の“切り麺系”。練って薄く板状に延ばした小麦粉を折りたたみ包丁で切っていく。饂飩屋でよく見かける方式だ。これを折りたたまず、小さなハンカチ状に切った麺を棋子麺という。餃子やワンタン、シュウマイの皮の先祖だ。

 4番目の“押しだし麺系”は心太(トコロテン)方式といえる。練った小麦粉の塊りを専用の容器に入れ、押すことによって小さな穴から線状化した麺を作り出す。これは中華よりもイタリアン、コリアンで多く見受けられる。代表例がスパゲッティ、マカロニ、韓国冷麺、ビーフンなどだ。

 そして最後の“河粉(フォーフェン)系”。上記4種は、素材ではなく線状の作り方によって分類されていたが、この河粉系というのは線状化の方式に特徴があるのではなく、ウルチ米を水に浸し独特な操作によりコメ粉の皮膜を作るということで、石毛直道氏は5番目に列挙している。
 練って平べったくしたコメ粉を包丁で切った、いわばキシメンとかヒモカワみたいなもの。ヴェトナム料理に「フォー」というのがあるが、おそらくそのルーツは中国の“河粉(フォーフェン)”にあると思う。

 さて、前置きが長くなってしまったが、この河粉が関帝廟通りの「太合殿」に数量限定で出ていたので、先日のランチでいただいてきた。
 冒頭にも写真を掲載したが、これがその料理“牛肉炒河粉(にゅうろうちゃぉふぉうふぇん)”。見た目は焼きうどんか焼きキシメン。麺の幅員は5ミリ。
 一本すすり上げてみると、もっとモチッとしているのかなと思っていたのだが、意外とサックリした食感でなかなか美味しい。牛肉もタップリ入っているし、モヤシはシャキッと炒められている。調味料に何を使っているのかよく分からないが、醤油系の味わいだった。

 この限定メニューとしては他に、肉燥飯(400円)、憺仔麺(500円)というのもある。こちらは一人前が小さなドンブリなので、飲んだ後の〆用かもね。


 食後の杏仁豆腐。もちろんサービスだ。コッテリした甘みではなく、程よい感じに仕上がっている。スープも付いて850円。
 お店の方の愛想もいいし、満足なランチであった。


〔お店データ〕
■店名 太合殿
■住所 中区山下町189-4
■電話 045-662-3117
■定休 水曜日

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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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6つ目の系列 (陸羽)
2008-04-29 01:16:44
6つ目の系列に、瀬粉というのがあります。
小穴の開いた器に、粉を溶かした液体を入れて、
穴からスープに落とし込むと麪になるやつです。

石毛先生は、ちょっと調査不足だったみたいですね。
返信する
へえ~、勉強になります (酔華)
2008-04-29 10:12:06
◇陸羽さん
さすがよくご存知で。そんな作り方があるなんて、すごいですね。
返信する
Unknown (つちころり)
2008-04-29 18:40:20
アーリマさんのところから飛んできました。
凄い…まさにデータベースですね。

もう閉店したようですが、大珍楼別館にも
同じような麺がありましたよね。
ファンでした~
返信する
いらっしゃいませ (管理人)
2008-04-30 05:31:06
◇つちころりさん
大珍楼別館にもあったんですか。それは食べていませんでした。残念…
返信する
Unknown (アリーマ)
2008-04-30 23:37:06
河粉、確か『楽園』にもありました。
ベトナムの「フォー」・・・なるほど!
面白いですねー。
返信する
Unknown (酔華)
2008-05-01 07:03:36
◇アリーマさん
「楽園」にもありましたか。今度調べてこよ。
返信する

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