エッセイ -日々雑感-

つれづれなるままにひくらしこころにうつりゆくよしなしことをそこはかとなくかきつくればあやしゅうこそものぐるほしけれ

ある日の会話 ― タンゴテフテフ ―

2016年09月17日 | 雑感

2016年9月13日

西本願寺には大きな銀杏の木が二本ある。 

家内は本堂に向かって左にある銀杏が枝振りが面白くて気にいっているらしいが、右の銀杏の方が立派だ。

その下に京都市指定保存樹“イチョウ”という立札がある。

            

                                          

 

「昔“いちょう”は“いてふ”と書いたな。 あ、そういえば “てふてふが一匹だったん海峡を渡っていった” という詩があったな」と 私が言うと、「高校の教科書にのっていたっけ?   ちょうちょって、どれくらいの距離飛ぶのかしらね。大きいものと小さいものとの対比が際立って うまい詩ねぇ 」と家内。      安西冬衛の一行詩だ。

韃靼(だったん)海峡は 現在の間宮海峡で、ユーラシア大陸と樺太(ロシア名サハリン)の間の海峡だ。

 

父や母の若いころは旧仮名遣いだった。 

私が学生だったころ、同じ研究室の一年下の後輩が学生結婚をした。 50年以上前のことだ。

新婦は京都府北部の人だった。同輩のKが結婚式の司会をつとめた。 初めてのことだからずいぶん緊張したという。 

 彼が言う。  祝電を紹介するときのことだった、送り主の中に “タンゴテフテフ○○” というのがあって、なんのことかわからない。   やっと “丹後町長” と分かった時にはホッとした、焦ってえらい苦労した。

 

同窓会で会うたびに彼はその話を愉快そうに持ち出す。  50年前の丹後町長さんはまあ今の私らの歳くらいだったろうから、旧体文で当然だ。

 といふわけで、けふいちにちも、なんとなしにすぎゆくなり。


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