IR絡みの中国資金問題から、中国やロシアや北朝鮮のワケの分からない動きを篠原常一郎さんが分かり易く紐解きます
おはよう寺ちゃん活動中 令和元年12月18日放送分より
Youtubeの公開が早くも終了していましたので、今回は音声無しの文字起こしだけです。
コメンテーター:篠原常一郎さん
IR参入めぐり資金移動か 特捜部、秋元司氏の元政策秘書らを事情聴取
2019.12.17 12:09 SankeiBizより
自民党の秋元司衆院議員(48)=東京15区=の元政策秘書らの自宅が外為法違反容疑の関係先として東京地検特捜部の家宅捜索を受けた事件で、多額の現金を無届けで国内に持ち込んだ疑いがあるのは、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)への日本参入を目指していた中国企業の元役員らだったことが17日、関係者への取材で分かった。
特捜部はIRに絡む資金移動の可能性があるとみて、IR担当の内閣府副大臣だった秋元氏の元政策秘書らを事情聴取するなど捜査している。
関係者によると、中国企業は深圳に本社を置き、インターネット上でゲームやスポーツくじなどを提供する事業を展開。平成29年7月に東京都内に日本法人が設立され、同年頃に元役員が現金数百万円を無届けで国内へ持ち込んだ疑いがあるという。
外為法は100万円を超える現金を持ち込む場合は税関への届け出を義務付けている。
日本では28年12月にIR推進法が成立し、候補地選定をめぐり、誘致レースが本格化していた。
北海道は、複数候補の中から留寿都村ではなく、新千歳(ちとせ)空港に近い苫小牧(とまこまい)市を優先候補地としていたが、鈴木直道知事は今年11月、環境への配慮などを理由に見送りを表明していた。
秋元氏は28年の臨時国会で衆院内閣委員長としてIR推進法の成立に関わったほか、29年8月から今年9月まで内閣府副大臣を務め、IRを担当。中国企業が那覇市で開いたシンポジウムでは、IRに関する基調講演を行っていた。
特捜部は今月7日、東京都内にある秋元氏の元政策秘書と元私設秘書の自宅などを家宅捜索し、任意で事情聴取。10日以降には北海道庁にIRに関する資料提出を求めたほか、留寿都村幹部からも事情を聴くなどして調べている。
篠原:これね、チョッとね、重大な事件ですよね。単にお金の疑惑に留まらないね、中国が行ったっていう点でね、中国による副大臣クラスの政治家に対する工作という側面があるんで。
これはね、秋元さんご自身もね、全面的に協力してね、実際どの様に行われたのか真相を明らかにするのが、再発の防止にもなりますからね。日本の行政が外国から歪められる震源地になっちゃうので、これはチャンとして欲しいですね。
寺島:どういうこの切欠でこうなったのかという事を包み隠さず言って欲しいですね。
篠原:多分、この方に留まらないんではないかと…私はね。IRの問題ってのはね、中国は戦略的に狙ってきてね、特に北海道に作りたいという事は、ズーッとそのぉ、閣僚クラスが北海道に行って、言ってましたからね。
そういう中で起きた事件として注視した方が良いと思いますね。
寺島:IRってアメリカかなぁって思ってましたけれども、中国もなんですね。
篠原:香港とかマカオとかがありますからね。
寺島:なるほど。それで。こんな言い方は適格かどうか分かりませんが、忍び寄ってきているって事ですねぇ。
篠原:まぁ、そういう事ですよね。狙っているって事ですよ。
寺島:中国企業は29年8月に那覇市で開いたシンポジウムで、IR進出を検討していることを表明しています。30年1月には、北海道留寿都(るすつ)村でリゾートを展開する日本の観光会社が、この中国企業からの投資を受けてのIR誘致計画を発表しました。
北海道は、複数候補の中から留寿都村ではなく、新千歳空港に近い苫小牧市を優先候補地としていたが、鈴木直道知事は今年11月、環境への配慮などを理由に見送りを表明していたという事です。
今、私、あのぉ、お伝えした通り、札幌市の観光会社があります。そこに中国企業が出資しているという事なんですね。
篠原:そうなんですよ。今ね、問題になっているんですけど、色々土地とかね、水源地を中国の企業が買っているという事が問題になっているんですけれども。
本来、日本の国民が大事にしてきた観光資源をね、中国の企業の利益の草刈り場にしていくという事でね、入って来るってのは、ある程度しょうがない面もあるけれども。
やっぱりね、バランスの取れた、日本にもキチッとね、旨味の有る様なね、統制していかないとね、本当にやりたい放題やられちゃうという面がね、特に中国企業の場合はありますので。これを機に、色んな事を見直した方が良いんですね。
全然ね、中国の観光客が来ても、利益が全部中国に落ちるという事になるので、地元が潤わないって話もボチボチ出たしているんですよ。その辺もね、チョッと考え直した方が良いですよね。
寺島:あのぉ、中国という括りではないものの、ニセコってスキー場がね、北海道で…。もう8割から9割のお客さんが外国の方で、そしてそれも物凄いお金持ちが行く
篠原:割とね、オーストラリアとか南半球の季節が逆の所から来て、人気があるんですよね。そういうのをね、インバウンドで地元に落としたりする為にもね、今の有り方をチャンと規制すべきはした方が良いと思いますね。
寺島:この金にモノを言わせるというワケでもないんでしょうけど、地価が上がっちゃってねぇ。地元の方々が住めなくなっちゃっているなんていう話もありますよね。
篠原:だから、そういうね、なりふり構わない様な開発っていうのはね、中国の企業は本土でもやって大問題になってますけど、日本でも同じことをやりかねないんでね。
ここはもう、政府の方が監督するっていう感じでね。あのぉ…そろそろメスを入れた方が良いんじゃないかと思います。
寺島:一部では、規制緩和が大事だと言われていますけれども、規制する所は規制しなけりゃいけないって事ですね。
篠原:勿論。なんか関税外障壁を無くせとか色んな事を言われてね、アメリカに言われてやってきたんですけど、そこで漁夫の利で入って来たのは中国なんでね。
そこは新しい問題を起こしているのは、具体的な問題に照らしてね、国会でも審議して欲しいし、必要な法的な規制は作って欲しいですね。
寺島:読売新聞、アメリカ特別代表北朝鮮と接触せず 訪韓中の米国のスティーブン・ビーガン北朝鮮担当特別代表は3日間の訪問日程を終えました。
今日は外務次官らとの会談が予定されています。ビーガン北朝鮮担当特別代表は16日、ソウルでの会見で、私たちはここにいると北朝鮮に板門店での接触を呼びかけましたが、不発に終わった模様だと読売新聞は伝えています。
接触がもし、実現していなければ、北朝鮮が近々何らかの武力挑発に踏み切るとのシナリオが避けられないという観測も浮上しています。現にですね、アメリカ太平洋空軍の司令官は、北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射する可能性があるという認識を明らかにしました。
北朝鮮はアメリカへのクリスマスプレゼントなんて言ってましたけど、これ、どうなんでしょうねぇ。
篠原:あのね、もう、かなり前からですね、ICBMの実験再開の恐れがあるというのはね、アメリカ、日本、韓国の共通した見方なんですね。ですから、これは現実になる可能性は高い。
只ね、私は、過去何年かの状況を見ますとね、もう、何ていうのかねぇ、北朝鮮の通常の対応って感じがするんですね。冬場になってくると、色々経済的につまってくる。食料も不足してくる。
だから制裁を解除するなり、制裁がその侭なら、何らかの措置をとってくれという事をこういう形で示しているという面があるので、まぁ、でも挑発までいくと思うんだけど。
挑発しても彼らはね、アメリカ軍が直ぐに武力行使に踏み切らないっていう風に見てるワケなんですよね。現実にはアメリカ軍は最高度の警戒態勢にありますが、その辺りも見越した上でね、別のカードも他所から出してきて。
だからビーガンさんがね、行ってもね、今は会わないですよ。絶対に。そういう事だと思います。
寺島:っていう事は、もう、接触もしないと。
篠原:アメリカと今は直では接触しないでしょう。第三者を介してくるって感じですね。
寺島:トランプ大統領も16日、北朝鮮で何かが進行しているとすれば、非常に残念だ。北朝鮮で何かがあれば対処する。北朝鮮の動きは注視している。と北朝鮮への軍事介入を示唆するなど、改めて牽制。今、ですから、牽制し合っているという感じなんですね。
篠原:そういう事ですね。
寺島:で、水面下では色んな情報を探り合ってる。
篠原:そうですね。探り合ってるし、中国やロシアなんかはね、事実上、今は北朝鮮の代弁者になっていると見て良いですよね。
寺島:そしてその動きです。中国とロシアです。16日、北朝鮮に対する、国連安全保障理事会の制裁の一部の解除を求める決議案を安保理理事国に配りました。決議案は海産物や繊維製品の輸出禁止等、一般市民の生活に直接かかわるとする制裁の解除を提案しています。
あらゆるレベルでの米朝交渉の進展、これを支持するとして、決議案もあくまでも交渉を進める為だと強調しています。この中国とロシアの動きですか、如何でしょう。
篠原:これはもう、かなり強力に北朝鮮から働きかけを受けてね、特にこの侭だったら、強硬な措置に出ざるを得ないという事を多分、中国やロシアに言われてね、そういう事なら…彼らにとって、今安定が一番の利益なもんですからね。
何とか安定させようということで、こういう制裁の一部解除案ってのを出してくると思うんですけど。
現実には、この一般市民の生活に関わるモノに限るって言ってるんですが、ハッキリ言うと、海外で朝鮮の労働者をね派遣して働かせるのと海産物。これ両方とも軍事に直結してるんですよ。
って言うのは、人材派遣の方はね、私調べた事があるんですけど、まぁだいたい一人当て6万円位で契約するんですよ。数万の単位で出ている…まぁ、多い時で十万人位出てるから、それだけでも、かなりの額ですよね。60億とか、かなりの額になるわけですよね。しかも9割位はピンハネなんですよ。本人には殆ど渡んない。
寺島:9割?はぁ~。
篠原:で、政府の金になるワケですヨネ。同じ様に海産物はどういう事かと言ったら、海産物を仕切ってるのは軍ですから、海産物の収入も軍に直結するという点ではね、これが一般市民の生活に直接かかわるって言いきれないですよ。
そこはやっぱりねぇ、北朝鮮の読みがあるワケで。しかも、これ解除されれば、1年乃至1年半位はね、契約期間続くワケだから、お金も入って来るという事をね、考えた上で、こういう手の打ち方をしてきているなぁと。ロシアと中国にやらしていると。これがだから、何らかの形で前進が無いと、又、こう、話し合いに来る事は無いと思います。
寺島:ない…。アメリカはこれを受けません?
篠原:これはだから、どう判断するかですね。要するに、逆に言うとね、かなりこの間の制裁が効いているという事でもあるんですよ。だから、そこはね、どういう風に判断するかですよね。というのはね、此処でね、妥協できないアメリカ側の動機もあるんです。
何かと言うと、今迄だったらね、韓国との信頼が深かったから、又、韓国とアメリカの演習を開始して、圧力を掛けるってのがあったけど、今、米韓合同練習もかなり信頼感が下がっているので、再開がすぐ出来るって状況じゃないんですよね。
だから1つカードを失っているワケです。アメリカが。この面はね、かなり強行に反対してくるんじゃないかというのが僕の予測ですけどね。
寺島:中国初国産空母が就役 南シナ海管轄の艦隊に配備か 中国で初めてとなる国産の空母が17日、南シナ海に面する海南島三亜に就役しました。
ウクライナから購入した中古の船体を改造したもので、「遼寧」に次いで2隻目の空母となります。今後南シナ海での内外での航行を常態化させて周辺国への力を誇示するものと見られています。中国初の国産空母、篠原さん、こう呼んで良いのでしょうか?
篠原:いやぁ、ただ設計は全部コピーですから。ソビエト時代に作られたモノを全くコピーしてね、で、今「遼寧」ってのは、そのスクラップを直してやったんですけど、あれはもう問題があってね。エンジン外した状態で持ってきたから、エンジンをね、臨時に積んだんですけどね、パワー不足で、スピードが遅いって弱点があるんですよ。
20ノット位しか出ないって言われてますが、そうするとね、飛行機の発着に非常にねぇ、不利になるというかね。風上に向けて一生懸命全力を挙げてね、船を走らせる事で、滑走距離を短くするというのはね、難しくなるんですよね。
しかも中国の技術では、カタプルトって言ってね、機械力でね、バーッと蒸気力で飛ばす様な。飛行機を飛ばす様なシステムが出来てないんで、スキージャンプって言って、こう、上に向かせるようになっているんだけれども。これはスピードがカギなんでね。
今回だからね、大きなエンジンを積んで、それなりの船にしたと思うんで、性能は今迄の「遼寧」よりは良いと思うんだけど、元々が旧式の設計の空母なんでね、アメリカの空母と同列にするワケにはいかないし、後、もう1つは空母ってのは、単体では弱いわけです。
補助艦艇が無いと。例えばイージス艦が1空母について1隻付く様にしないといけないけど、中国には未だ、その体制は全然ありません。ですから、益々船をいっぱい作って、軍事費をつぎ込んでって事になるんで、かなり中国にとっては桎梏になるんではないのかなぁという思いもありますね。
寺島:ええまぁ、そのアメリカへの対抗姿勢を示すという意味もあるでしょうし、あとその海上交通路の防衛。シーレーンね。海上交通路の防衛に初めてとなるインド洋への展開。これも視野に入れているという見方もあるんですねぇ。
で、中国は上海で3隻目の空母も建設中だと。アメリカ軍の空母は定期的な整備補修・訓練・即応体制のローテーション方式で運用されている。中国もこの3隻目が就籍すると、ローテーションを組む事ができ。こういう向きもあるんですけれども。
中国は更に、この初の原子力空母も含めた6隻体制を計画していると言ってます。これだけ増やして行こうという背景は、アメリカに対抗しようとしているんですか?
篠原:っていう事もありますけど、もうアメリカは11隻体制ですからね。もう、話にならんワケですよ。アメリカ並みにするには補助艦艇も含めて、まだまだ何十年って掛かる話なんですね。それよりも中国にとって、資源輸入っていうのはかなり緊急の課題なんで、シーレーン防衛って事を考えているんですね。
僕これ、胡錦涛さんの時代に、胡錦涛の政策ブレーンから聞いた事あるんですけどね、できれば2010年迄に6隻体制にしたいって言ってたんですね。かなり遅れているんですよ。技術力がなくて、十分な性能のモノは作れてないっていうのがあるんで、6隻体制にするにもあと十年はかかると思えるんですね。
これで海軍力を作っていくんだけれども、今、全体として中国の経済が鈍化している中で、どれ位、この軍事費をつぎ込めるかって、不透明な所もあるんで、簡単にはいかないなぁっていうのが僕の思いですけどね。計画がだって十年位遅れてますから。
寺島:そんな中で、日本から見ると、中国って国をですねぇ、相変わらず、沖縄の尖閣諸島の沖合には、中国の海警局の公船が4隻1時間半に渡って領海侵犯しただとか。
そんな中、河野防衛大臣が、十年ぶりに中国に行くんですねぇ。日中防衛大臣会談を行うと。この狙いは何なんですか?
篠原:先ずアレですよね。相互に透明性を高めてね、不測の事態ですね…何かこうお互いにね、力比べをしてて、何か不測の事態になってしまう為に、日中ホットラインをつくるって事でやってきて、具体化かなり進んでいる様ですけどね。
更にそういう事を進め乍ら、無駄なね、そういう緊張関係をなくしていくっていうこと。実はですね、その二段目としてですね、やはりね、お互い話し合って、無駄な防衛力強化は経済発展の阻害要因にもなりかねないんで、そこを話し合って、素地を作るって事でしょうね。
寺島:それが狙いの1つと。
その日中防衛大臣会談は以下の様になりました。
↓
日中防衛相会談 河野氏、挑発止めぬ中国にクギ
2019.12.18 20:23 政治 政策
歓迎式典に臨む河野防衛相(左)と中国の魏鳳和国務委員兼国防相=18日、北京(防衛省提供・共同)
河野太郎防衛相は18日の日中防衛相会談で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での領海侵入など軍事的挑発行為の自制を求めた。来春の習近平国家主席の国賓来日を控え、日中両国は友好モードを強調している中、安全保障上の懸念解消が先だとの姿勢を強調した形だ。
会談の冒頭、中国の魏鳳和国務委員兼国防相は10年ぶりの防衛相訪中を「防衛関係の改善と強化について非常に意義がある」と歓迎し、融和を強調した。
ところが河野氏は「お目にかかれてうれしい」と述べるとすぐに「各種の懸念が存在している」とクギを刺し、尖閣諸島周辺での中国側の動きに言及した。
今回の訪中は、前任の岩屋毅防衛相(当時)と魏氏との合意によるもので、河野氏は現況での訪問に積極的ではなかった。合意通りに訪中を実現させたかったのは中国側だった。
安倍晋三首相と習氏は昨年10月の会談で「競争から協調」の日中関係を確認し、防衛交流は過去になく進んでいる。
海上自衛隊は今年4月、中国での国際観艦式に護衛艦を派遣。中国海軍は返礼として、10月に駆逐艦を横須賀に入港させ、海自と共同で親善訓練を行った。中国軍艦の日本来港は10年ぶりだ。
しかし、その裏で中国は軍事的挑発を止めようとしない。訪中当日の18日も、尖閣諸島周辺の領海外側の接続水域を中国当局の船が航行した。航行は10日連続となる。今年の接続水域航行は延べ1千隻を超え、過去最多だ。
このうち領海に侵入したのは約120隻を数える。7月にはロシアの爆撃機と編隊を組み、竹島(島根県隠岐の島町)や尖閣諸島に接近した。
浜田靖一防衛相(当時)が訪中した10年前と比べ、中国の脅威は格段に増した。軍事予算は公表されているだけで約2・5倍に膨らみ、2012年には初の空母を就役させた。
こうした厳しい現状を踏まえ、河野氏は会談で「懸念について率直に議論すると同時に、今後の交流の進め方についても意見交換したい」とし、自制と関係改善が「セット」であるとの認識を示した。
安倍政権が「日中関係は完全に正常な軌道に戻った」と関係改善に向かってきた中、自民党の国防族議員は「官邸や外務省が言いにくいことを河野氏は主張したのだろう」と語った。(北京 田中一世)
©2018 The Sankei Shimbun All rights reserved.
寺島:次はこれについてお伺いします。日ロ平和条約締結交渉とアメリカの存在感 茂木外務大臣は昨日からモスクワを訪問しています。日ロ平和条約締結の交渉のですね、交渉責任者を務める茂木外務大臣にとって、初のロシア訪問。
ロシアのラブロフ外相と日ロの平和条約締結の交渉、これを巡って、日米同盟が支障になっていると主張した事に関して、先月茂木大臣会見で発言しました。
発言では領土問題を解決して、平和条約を締結していくという非常に大きな交渉の中の1つの重要な論点という認識、こういう風に述べています。篠原さん、この発言はどうですか?
篠原:あのぉ、実はこれ、毎度毎度出てくるんですけど、ソビエトがあった時代から、この日米同盟っていうのがね、いつもネックになってきてるんですね。向こうの立場でですけどね。
要するに日米同盟ってのは、日米地位協定と分かち難く結びついていて、日米地位協定ではね、日本の領土内ではアメリカはね、何処でも望むところに基地を作れるって事になってるんですよね、一応ね。実際はね、そんな一方的なモノではないですから。日米の交渉があるんだけど。
それがある限りね、日本に返したらすぐにね、そこに基地を作らないとは限らないじゃないかという事でね、主権を返せないっていう1つの論拠になっているワケですよね。
寺島:それが論拠になっているという事ですか。会談では北方4島でに共同経済活動と元島民の為の人道的措置等も協議するという事ですねぇ。北方4島、今年10月末から1月初めにかけて共同経済活動のパイロット事業として、初めて観光ツアーを実施しました。
しかしロシアは4島はロシア領の立場を変えていません。ロシア側の姿勢、これは当然と言えば当然なんですか?
篠原:そうは言ってもね、そう、言わざるを得ないっていうところでしょうね。痛し痒しなんですよ。ロシアにとってもね、かなり遠い地域なんですよ。モスクワからも遠いし、行政的なサービスをやるにはかなり不効率な地域なんですよ、ロシアからすると。
逆に元々ね、僕も視察に行った事がありますけど、対岸の根室市と本来一体的にね、発展すべき地域なんで。現実的にはね、経済協力で。経済協力の担い手って地元なワケですよ。
地元と交流している中でね、かなり4島のね、今のロシアの住民たちの生活も支えられてる面もあって、経済的な協力もやらなきゃいけないと。
両立するのはかなり難しいですよね。経済協力をしながらね、本来はね、第2次世界大戦の終わりの処理でもね、此処を占拠し続けるのは不当な事なんだって事をね、法律的な論点も含めて、主張していくって事を常に2本立てで進めていくという状況でね、変えてく鍵だと思いますね。
寺島:あと…先程篠原さん仰った様に、この日米地位協定ですよね。コレを変えていくって手はどうなんですか?
篠原:これはでも…他の面でもね、沖縄で米軍犯罪をね、日本側がね、裁けるようにしてくれという事を含めて、なかなかこれ、進んでないワケですよね。ここは日米地位協定を本腰を入れて変えていくと。日本の意思で、変えられるんだって所をね。
例えば全部について変えなくてもね、示せる事が又、ロシアに対してもね。メッセージになるんでね、そういう事は是非やるべきだと思いますよね。現実に自立した国同士のね、同盟って形には、未だ条約上なってないんですよ。そこは完全にしていくって事でね、一人前の国としての日本を見せないと、約束が守れないんじゃないのって言われるんでね。
あと、もう1つ僕は思っているのは、やっぱりプーチン大統領のね、任期が終わっちゃうと、又、遠のくと思うんですよ。既にもう70数年たっているワケですけどね。で、痛し痒しなんですけど、プーチンさんもね、チョッと今、支持率に陰りが見られるんですよ。
特に若年層にね、人気がなくなってきたんでね、此処をどう見るかって事ですね。今の内にこっちも決めてを打つか、まぁ、ひとつアレですけど、経済政策を進めてね、景気をよくしてあげる。今ロシア苦しいんですよ。クリミアなんかの併合の問題もあるんでね。
経済制裁受けて苦しい問題もあるんで。これでも…助けちゃうと、国際的に日本は何なんだって言われかねないのですが、少なくとも極東ロシアについてはね、経済発展の方向をね、協力して作っていくってのも、平和を保つ上でも大事ですしね。その辺、バランスとったね、対策が必要かなと思いますね。
寺島:日本ロシアの両政府、今日ですね、貿易経済に関する日ロ政府間委員会、これを開きます。医療水準の向上とか、エネルギー開発、先端技術の協力…こういったモノなど8つの項目で対ロシアについての経済協力について話し合う。こういう話合いは大事なんですね。
篠原:大事ですよね。特に、地域の資源と産業開発ですね。ここがかなり大事で、ロシアってには、資源はあるんだけれども、産業がなくて、雇用を創出出来てないという経済のね、ホントに弱点があるので、此処でね、日本がどう力を発揮するかって事がね、ポイントになると思いますね。
寺島:比較化に軍事衝突。どうなる米朝問題の行方 北朝鮮の朝鮮中央通信は先週土曜(12月14日)北西部の西海(ソヘ)衛星発射場で、再び重大な試験が実施されたと伝えました。この衛星発射場、北朝鮮が一旦、解体を約束した施設で、1週間前にも非常に重要な試験が成功したという発表がありました。
北朝鮮の非常に重要な試験が成功した、この言葉の持つ意味なんですが、篠原さんはこれをどう捉えていらっしゃいますか?
篠原:これはね、過去のアメリカのトランプ大統領、或いはそれ以前の実務者の協議の中で、アメリカと北朝鮮が話し合った中身から判断すれば、長距離の弾道ミサイルについてはね、開発凍結するって事を一応ですね、約束してたんんですね。
ところがまぁ、事態が進展しない事に苛立ってですね、アメリカにも脅威を与えうる長射程のICBMの開発を再開するよって事を暗に臭わしている言葉ですね。
寺島:という事は、今まだ、この試験が成功したという事は、長距離の何らかのモノが成功したって事ではないの?
篠原:でもあのエンジンの燃焼実験をやったって事が、報道ではね、あの衛星写真から確認されてますよね。非常に重要な部分なワケですよ。ある意味では弾道でも用いる
寺島:飛ぶんですもんね。
篠原:そういう事なんです。飛ばす上で一番大事な部分なんでね。それはねぇ、アメリカに対して重大なメッセージになったのは間違いないです。
寺島:そして北朝鮮、アメリカに対する更なる挑発行動としては、ICBM大陸間弾道ミサイルの発射、あと核実験の再開も考えられると。
現にですね、アメリカ太平洋軍の司令官が北朝鮮が長距離弾道ミサイルと発射する可能性があるという認識を明らかにしました。まぁ、北朝鮮、アメリカへのクリスマスプレゼントだと言ってますけど。この辺りはどうですか?
篠原:20年前の確か98年だったと思いますが、青森県の三沢を飛び越えて太平洋側に落とす様なICBMの実験をですね、北朝鮮はやったワケですよね。こういう力を既に持っているワケで、当然ですね、強烈なメッセージを出そうとしたら、そういう事も有り得るなと。
で、そういう事に基づいて、アメリカ軍も、或いは自衛隊も準備をしてると思います。そういう事でね、これ再開する事は有り得るんですが、核実験はね、かなり微妙なんですね。って言うのは、今、中国とロシアが、仲裁にでようとして、安保理に色々決議案を出しているっていうのがね。
中ロはね、核実験には絶対に反対の立場なんですよ。建前上はね。ですから、中ロが今、北朝鮮の為に動くとしたらね、このICBMの発射実験どまりっていう事でね、揺さぶりをかけているっていうのが、今の見方として正しいんじゃないかと思います。
寺島:さてその北朝鮮の非核化の可能性についての話。これも出てまして、ソウルを訪れていた、昨日の夕方以降にもう日本に来ているビーガン北朝鮮担当特別代表が会見で、北朝鮮の米朝の担当者に向けて、未だ遅くはないと発言しています。
非核化等を巡る実務者協議の再開をビーガン北朝鮮担当特別代表が呼び掛けたと。そうすると可能性はある?
篠原:率直に言うと、今の体制ではないと思います。今の体制は核武装、核開発と言う事で体制を維持するという事が一つの遺訓政治といいまして、先代、先々代から遺訓になっていて、それを奉じて守るっていうのがね、チュチェ思想に基づくですね、体制の特徴ですから、これは絶対に捨てないと思います。
色々とね、交渉の中身として続ける事はあってもね、無くすって方向で北朝鮮が舵を切ることはないんで、寧ろ彼らにとっては、体制維持の一つのカードにずっと使い続けるだろうと。こちらとしては、段々追い詰めてね、倒れるのを待つ。実際はそういう所だと思いますけどね。
寺島:先程ですね、中国とロシアの話も出て来ました。国連安全保障理事会に北朝鮮に対する制裁の一部を解除する決議案を提出したと。これ中国とロシアは何を望んでいるんでしょう?
篠原:安定ですね。当面、直ぐに暴発するような…今のね、金正恩体制に移る時期に、延坪島って所が攻撃されたりね、あれの指揮を執ったのが金正恩だとされてるんですね。
実はそういう形であの食糧不足の時に挑発してですね、あれ、直ぐに中国が食糧援助に応じてですね、鞘に収めたって所があったんですが、そういう不安定化ね、中国とロシアにとっても北朝鮮ってのは、何するか分からないっていうのがあるので、中国もロシアも懸案を抱えています。
ロシアはシリアやウクライナの問題を抱えていて、中国はウィグルの問題も有れば、香港の問題、台湾の問題もあります。ここで又新たな問題を抱えたくないので、取り敢えず沈静化したいという事でね、それじゃあ経済的な安定を与える為に二つの分野、水産物とかそういうモノの輸出再開とか、人材派遣の問題を何とか認めてやってくれって事だと思います。
寺島:それを…安保理ってのは拒否権がありますから、アメリカが呑むのかどうかって所がポイントですねぇ。
篠原:アメリカが揺るぎなくやってるのはね、結局非核化が無いとしてもね、先ず、核開発を進めさせない。その為には財源を閉ざさなければならない。今言った2つでも結構な財源になってしまうんですよ。その辺はね、いい顔はしないと思いますね。だから、なかなかこの交渉は困難だと思います。
寺島:このロシアと中国が言ってる表面的なモノはいい。一般国民を助けるという様な表現をしてますけれども、これが篠原さんが仰るには、軍の方に入って行くお金なんですね。そういう流れになっていると。となると、又、同じ様な事が繰り返される。
篠原:そうなんですねぇ。これ迄のねぇ、北朝鮮を巡る交渉史を見ると、その繰り返しなんですよ。そこはアメリカも十分検討して、教訓を得ているので、なかなかこれは容易に応じないだろうなっていうのが私の予想ですけどね。
寺島:そんな北朝鮮とアメリカを巡ってですね、北朝鮮が、アメリカとの比較化交渉の期限、これを巡って米朝両国の深刻な対応が露呈している。年明けには…北朝鮮が年末と区切っていますから…年明けには軍事衝突の可能性が高まっているという指摘もあるんですが、これ軍事衝突の可能性を篠原さんはどう、ご覧になりますか?
篠原:軍事衝突はねぇ、多分回避されると思います。何故かっていうとね、今、経済制裁の結果、これは観測ですよ、観測ですけど、かなりねぇ、通常兵力、北朝鮮の通常兵力が疲弊してましてね。具体的には燃料が無いワケですよ。
だから実働出来ない。今はだから、実態的に戦力を維持出来てるのはミサイル戦力だけなんですよね。ミサイルと撃つという事はあるかもしれないし、それで被害が出る事はあるかもしれないですけども、本格的に地上軍が動くとかね、そういう形での衝突はないだろうと思われます。
現実にですね、今、アメリカの偵察機が飛びたい放題飛んでますけども、それに対してね、有効な措置ってのが、とられてないです。北朝鮮側から飛行機が飛んでくるとかね。そういう事がなかなかしにくいみたいで。結構ねぇ、厳しいんじゃないですか。北朝鮮にとっては。
寺島:今、アメリカの大義ってところを見た時に、その武力衝突に入るですね。それは未だ乏しい?
篠原:乏しいですね。アメリカの側はね、やはり合法性というのを重視するんですね。あとは議会の問題なんでね。だから、何らかの、これはもう北朝鮮に分が無いよという様なね、これチャンと守らないとね、もう一段厳しい制裁止むなしという決議が無い限りは、アメリカ側から攻撃行動に出る事は無いです。
寺島:さて、そんな中トランプ大統領はですね、16日、北朝鮮で何かが進行しているとすれば非常に残念だ。北朝鮮で何かがあれば、対処する。北朝鮮の動きは注意して見ていると北朝鮮への軍事介入を示唆する等、改めて牽制はしていますけれども、これは牽制?
篠原:牽制ですね。
寺島:となれば、まぁ、それで何らかのメッセージを北朝鮮側に出しているという事なんですねぇ。となると現時点では北朝鮮もシグナルを出している?
篠原:出しています。
寺島:で、アメリカはアメリカでトランプ大統領がTwitter等で、北朝鮮側に読み取れよという風に言っている段階。
篠原:そういう段階ですね。
寺島:治め処がないですよ。
篠原:今の所、どこで治めるか、こう言ったら何ですけど、見ものですね。
再燃する北朝鮮への国連制裁緩和論議 非核化めぐり年末の攻防、中ロが支援
再燃する北朝鮮への国連制裁緩和論議 非核化めぐり年末の攻防、中ロが支援PDF版
おはよう寺ちゃん活動中 令和元年12月18日放送分より
Youtubeの公開が早くも終了していましたので、今回は音声無しの文字起こしだけです。
コメンテーター:篠原常一郎さん
IR参入めぐり資金移動か 特捜部、秋元司氏の元政策秘書らを事情聴取
2019.12.17 12:09 SankeiBizより
自民党の秋元司衆院議員(48)=東京15区=の元政策秘書らの自宅が外為法違反容疑の関係先として東京地検特捜部の家宅捜索を受けた事件で、多額の現金を無届けで国内に持ち込んだ疑いがあるのは、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)への日本参入を目指していた中国企業の元役員らだったことが17日、関係者への取材で分かった。
特捜部はIRに絡む資金移動の可能性があるとみて、IR担当の内閣府副大臣だった秋元氏の元政策秘書らを事情聴取するなど捜査している。
関係者によると、中国企業は深圳に本社を置き、インターネット上でゲームやスポーツくじなどを提供する事業を展開。平成29年7月に東京都内に日本法人が設立され、同年頃に元役員が現金数百万円を無届けで国内へ持ち込んだ疑いがあるという。
外為法は100万円を超える現金を持ち込む場合は税関への届け出を義務付けている。
日本では28年12月にIR推進法が成立し、候補地選定をめぐり、誘致レースが本格化していた。
北海道は、複数候補の中から留寿都村ではなく、新千歳(ちとせ)空港に近い苫小牧(とまこまい)市を優先候補地としていたが、鈴木直道知事は今年11月、環境への配慮などを理由に見送りを表明していた。
秋元氏は28年の臨時国会で衆院内閣委員長としてIR推進法の成立に関わったほか、29年8月から今年9月まで内閣府副大臣を務め、IRを担当。中国企業が那覇市で開いたシンポジウムでは、IRに関する基調講演を行っていた。
特捜部は今月7日、東京都内にある秋元氏の元政策秘書と元私設秘書の自宅などを家宅捜索し、任意で事情聴取。10日以降には北海道庁にIRに関する資料提出を求めたほか、留寿都村幹部からも事情を聴くなどして調べている。
篠原:これね、チョッとね、重大な事件ですよね。単にお金の疑惑に留まらないね、中国が行ったっていう点でね、中国による副大臣クラスの政治家に対する工作という側面があるんで。
これはね、秋元さんご自身もね、全面的に協力してね、実際どの様に行われたのか真相を明らかにするのが、再発の防止にもなりますからね。日本の行政が外国から歪められる震源地になっちゃうので、これはチャンとして欲しいですね。
寺島:どういうこの切欠でこうなったのかという事を包み隠さず言って欲しいですね。
篠原:多分、この方に留まらないんではないかと…私はね。IRの問題ってのはね、中国は戦略的に狙ってきてね、特に北海道に作りたいという事は、ズーッとそのぉ、閣僚クラスが北海道に行って、言ってましたからね。
そういう中で起きた事件として注視した方が良いと思いますね。
寺島:IRってアメリカかなぁって思ってましたけれども、中国もなんですね。
篠原:香港とかマカオとかがありますからね。
寺島:なるほど。それで。こんな言い方は適格かどうか分かりませんが、忍び寄ってきているって事ですねぇ。
篠原:まぁ、そういう事ですよね。狙っているって事ですよ。
寺島:中国企業は29年8月に那覇市で開いたシンポジウムで、IR進出を検討していることを表明しています。30年1月には、北海道留寿都(るすつ)村でリゾートを展開する日本の観光会社が、この中国企業からの投資を受けてのIR誘致計画を発表しました。
北海道は、複数候補の中から留寿都村ではなく、新千歳空港に近い苫小牧市を優先候補地としていたが、鈴木直道知事は今年11月、環境への配慮などを理由に見送りを表明していたという事です。
今、私、あのぉ、お伝えした通り、札幌市の観光会社があります。そこに中国企業が出資しているという事なんですね。
篠原:そうなんですよ。今ね、問題になっているんですけど、色々土地とかね、水源地を中国の企業が買っているという事が問題になっているんですけれども。
本来、日本の国民が大事にしてきた観光資源をね、中国の企業の利益の草刈り場にしていくという事でね、入って来るってのは、ある程度しょうがない面もあるけれども。
やっぱりね、バランスの取れた、日本にもキチッとね、旨味の有る様なね、統制していかないとね、本当にやりたい放題やられちゃうという面がね、特に中国企業の場合はありますので。これを機に、色んな事を見直した方が良いんですね。
全然ね、中国の観光客が来ても、利益が全部中国に落ちるという事になるので、地元が潤わないって話もボチボチ出たしているんですよ。その辺もね、チョッと考え直した方が良いですよね。
寺島:あのぉ、中国という括りではないものの、ニセコってスキー場がね、北海道で…。もう8割から9割のお客さんが外国の方で、そしてそれも物凄いお金持ちが行く
篠原:割とね、オーストラリアとか南半球の季節が逆の所から来て、人気があるんですよね。そういうのをね、インバウンドで地元に落としたりする為にもね、今の有り方をチャンと規制すべきはした方が良いと思いますね。
寺島:この金にモノを言わせるというワケでもないんでしょうけど、地価が上がっちゃってねぇ。地元の方々が住めなくなっちゃっているなんていう話もありますよね。
篠原:だから、そういうね、なりふり構わない様な開発っていうのはね、中国の企業は本土でもやって大問題になってますけど、日本でも同じことをやりかねないんでね。
ここはもう、政府の方が監督するっていう感じでね。あのぉ…そろそろメスを入れた方が良いんじゃないかと思います。
寺島:一部では、規制緩和が大事だと言われていますけれども、規制する所は規制しなけりゃいけないって事ですね。
篠原:勿論。なんか関税外障壁を無くせとか色んな事を言われてね、アメリカに言われてやってきたんですけど、そこで漁夫の利で入って来たのは中国なんでね。
そこは新しい問題を起こしているのは、具体的な問題に照らしてね、国会でも審議して欲しいし、必要な法的な規制は作って欲しいですね。
寺島:読売新聞、アメリカ特別代表北朝鮮と接触せず 訪韓中の米国のスティーブン・ビーガン北朝鮮担当特別代表は3日間の訪問日程を終えました。
今日は外務次官らとの会談が予定されています。ビーガン北朝鮮担当特別代表は16日、ソウルでの会見で、私たちはここにいると北朝鮮に板門店での接触を呼びかけましたが、不発に終わった模様だと読売新聞は伝えています。
接触がもし、実現していなければ、北朝鮮が近々何らかの武力挑発に踏み切るとのシナリオが避けられないという観測も浮上しています。現にですね、アメリカ太平洋空軍の司令官は、北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射する可能性があるという認識を明らかにしました。
北朝鮮はアメリカへのクリスマスプレゼントなんて言ってましたけど、これ、どうなんでしょうねぇ。
篠原:あのね、もう、かなり前からですね、ICBMの実験再開の恐れがあるというのはね、アメリカ、日本、韓国の共通した見方なんですね。ですから、これは現実になる可能性は高い。
只ね、私は、過去何年かの状況を見ますとね、もう、何ていうのかねぇ、北朝鮮の通常の対応って感じがするんですね。冬場になってくると、色々経済的につまってくる。食料も不足してくる。
だから制裁を解除するなり、制裁がその侭なら、何らかの措置をとってくれという事をこういう形で示しているという面があるので、まぁ、でも挑発までいくと思うんだけど。
挑発しても彼らはね、アメリカ軍が直ぐに武力行使に踏み切らないっていう風に見てるワケなんですよね。現実にはアメリカ軍は最高度の警戒態勢にありますが、その辺りも見越した上でね、別のカードも他所から出してきて。
だからビーガンさんがね、行ってもね、今は会わないですよ。絶対に。そういう事だと思います。
寺島:っていう事は、もう、接触もしないと。
篠原:アメリカと今は直では接触しないでしょう。第三者を介してくるって感じですね。
寺島:トランプ大統領も16日、北朝鮮で何かが進行しているとすれば、非常に残念だ。北朝鮮で何かがあれば対処する。北朝鮮の動きは注視している。と北朝鮮への軍事介入を示唆するなど、改めて牽制。今、ですから、牽制し合っているという感じなんですね。
篠原:そういう事ですね。
寺島:で、水面下では色んな情報を探り合ってる。
篠原:そうですね。探り合ってるし、中国やロシアなんかはね、事実上、今は北朝鮮の代弁者になっていると見て良いですよね。
寺島:そしてその動きです。中国とロシアです。16日、北朝鮮に対する、国連安全保障理事会の制裁の一部の解除を求める決議案を安保理理事国に配りました。決議案は海産物や繊維製品の輸出禁止等、一般市民の生活に直接かかわるとする制裁の解除を提案しています。
あらゆるレベルでの米朝交渉の進展、これを支持するとして、決議案もあくまでも交渉を進める為だと強調しています。この中国とロシアの動きですか、如何でしょう。
篠原:これはもう、かなり強力に北朝鮮から働きかけを受けてね、特にこの侭だったら、強硬な措置に出ざるを得ないという事を多分、中国やロシアに言われてね、そういう事なら…彼らにとって、今安定が一番の利益なもんですからね。
何とか安定させようということで、こういう制裁の一部解除案ってのを出してくると思うんですけど。
現実には、この一般市民の生活に関わるモノに限るって言ってるんですが、ハッキリ言うと、海外で朝鮮の労働者をね派遣して働かせるのと海産物。これ両方とも軍事に直結してるんですよ。
って言うのは、人材派遣の方はね、私調べた事があるんですけど、まぁだいたい一人当て6万円位で契約するんですよ。数万の単位で出ている…まぁ、多い時で十万人位出てるから、それだけでも、かなりの額ですよね。60億とか、かなりの額になるわけですよね。しかも9割位はピンハネなんですよ。本人には殆ど渡んない。
寺島:9割?はぁ~。
篠原:で、政府の金になるワケですヨネ。同じ様に海産物はどういう事かと言ったら、海産物を仕切ってるのは軍ですから、海産物の収入も軍に直結するという点ではね、これが一般市民の生活に直接かかわるって言いきれないですよ。
そこはやっぱりねぇ、北朝鮮の読みがあるワケで。しかも、これ解除されれば、1年乃至1年半位はね、契約期間続くワケだから、お金も入って来るという事をね、考えた上で、こういう手の打ち方をしてきているなぁと。ロシアと中国にやらしていると。これがだから、何らかの形で前進が無いと、又、こう、話し合いに来る事は無いと思います。
寺島:ない…。アメリカはこれを受けません?
篠原:これはだから、どう判断するかですね。要するに、逆に言うとね、かなりこの間の制裁が効いているという事でもあるんですよ。だから、そこはね、どういう風に判断するかですよね。というのはね、此処でね、妥協できないアメリカ側の動機もあるんです。
何かと言うと、今迄だったらね、韓国との信頼が深かったから、又、韓国とアメリカの演習を開始して、圧力を掛けるってのがあったけど、今、米韓合同練習もかなり信頼感が下がっているので、再開がすぐ出来るって状況じゃないんですよね。
だから1つカードを失っているワケです。アメリカが。この面はね、かなり強行に反対してくるんじゃないかというのが僕の予測ですけどね。
寺島:中国初国産空母が就役 南シナ海管轄の艦隊に配備か 中国で初めてとなる国産の空母が17日、南シナ海に面する海南島三亜に就役しました。
ウクライナから購入した中古の船体を改造したもので、「遼寧」に次いで2隻目の空母となります。今後南シナ海での内外での航行を常態化させて周辺国への力を誇示するものと見られています。中国初の国産空母、篠原さん、こう呼んで良いのでしょうか?
篠原:いやぁ、ただ設計は全部コピーですから。ソビエト時代に作られたモノを全くコピーしてね、で、今「遼寧」ってのは、そのスクラップを直してやったんですけど、あれはもう問題があってね。エンジン外した状態で持ってきたから、エンジンをね、臨時に積んだんですけどね、パワー不足で、スピードが遅いって弱点があるんですよ。
20ノット位しか出ないって言われてますが、そうするとね、飛行機の発着に非常にねぇ、不利になるというかね。風上に向けて一生懸命全力を挙げてね、船を走らせる事で、滑走距離を短くするというのはね、難しくなるんですよね。
しかも中国の技術では、カタプルトって言ってね、機械力でね、バーッと蒸気力で飛ばす様な。飛行機を飛ばす様なシステムが出来てないんで、スキージャンプって言って、こう、上に向かせるようになっているんだけれども。これはスピードがカギなんでね。
今回だからね、大きなエンジンを積んで、それなりの船にしたと思うんで、性能は今迄の「遼寧」よりは良いと思うんだけど、元々が旧式の設計の空母なんでね、アメリカの空母と同列にするワケにはいかないし、後、もう1つは空母ってのは、単体では弱いわけです。
補助艦艇が無いと。例えばイージス艦が1空母について1隻付く様にしないといけないけど、中国には未だ、その体制は全然ありません。ですから、益々船をいっぱい作って、軍事費をつぎ込んでって事になるんで、かなり中国にとっては桎梏になるんではないのかなぁという思いもありますね。
寺島:ええまぁ、そのアメリカへの対抗姿勢を示すという意味もあるでしょうし、あとその海上交通路の防衛。シーレーンね。海上交通路の防衛に初めてとなるインド洋への展開。これも視野に入れているという見方もあるんですねぇ。
で、中国は上海で3隻目の空母も建設中だと。アメリカ軍の空母は定期的な整備補修・訓練・即応体制のローテーション方式で運用されている。中国もこの3隻目が就籍すると、ローテーションを組む事ができ。こういう向きもあるんですけれども。
中国は更に、この初の原子力空母も含めた6隻体制を計画していると言ってます。これだけ増やして行こうという背景は、アメリカに対抗しようとしているんですか?
篠原:っていう事もありますけど、もうアメリカは11隻体制ですからね。もう、話にならんワケですよ。アメリカ並みにするには補助艦艇も含めて、まだまだ何十年って掛かる話なんですね。それよりも中国にとって、資源輸入っていうのはかなり緊急の課題なんで、シーレーン防衛って事を考えているんですね。
僕これ、胡錦涛さんの時代に、胡錦涛の政策ブレーンから聞いた事あるんですけどね、できれば2010年迄に6隻体制にしたいって言ってたんですね。かなり遅れているんですよ。技術力がなくて、十分な性能のモノは作れてないっていうのがあるんで、6隻体制にするにもあと十年はかかると思えるんですね。
これで海軍力を作っていくんだけれども、今、全体として中国の経済が鈍化している中で、どれ位、この軍事費をつぎ込めるかって、不透明な所もあるんで、簡単にはいかないなぁっていうのが僕の思いですけどね。計画がだって十年位遅れてますから。
寺島:そんな中で、日本から見ると、中国って国をですねぇ、相変わらず、沖縄の尖閣諸島の沖合には、中国の海警局の公船が4隻1時間半に渡って領海侵犯しただとか。
そんな中、河野防衛大臣が、十年ぶりに中国に行くんですねぇ。日中防衛大臣会談を行うと。この狙いは何なんですか?
篠原:先ずアレですよね。相互に透明性を高めてね、不測の事態ですね…何かこうお互いにね、力比べをしてて、何か不測の事態になってしまう為に、日中ホットラインをつくるって事でやってきて、具体化かなり進んでいる様ですけどね。
更にそういう事を進め乍ら、無駄なね、そういう緊張関係をなくしていくっていうこと。実はですね、その二段目としてですね、やはりね、お互い話し合って、無駄な防衛力強化は経済発展の阻害要因にもなりかねないんで、そこを話し合って、素地を作るって事でしょうね。
寺島:それが狙いの1つと。
その日中防衛大臣会談は以下の様になりました。
↓
日中防衛相会談 河野氏、挑発止めぬ中国にクギ
2019.12.18 20:23 政治 政策
歓迎式典に臨む河野防衛相(左)と中国の魏鳳和国務委員兼国防相=18日、北京(防衛省提供・共同)
河野太郎防衛相は18日の日中防衛相会談で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での領海侵入など軍事的挑発行為の自制を求めた。来春の習近平国家主席の国賓来日を控え、日中両国は友好モードを強調している中、安全保障上の懸念解消が先だとの姿勢を強調した形だ。
会談の冒頭、中国の魏鳳和国務委員兼国防相は10年ぶりの防衛相訪中を「防衛関係の改善と強化について非常に意義がある」と歓迎し、融和を強調した。
ところが河野氏は「お目にかかれてうれしい」と述べるとすぐに「各種の懸念が存在している」とクギを刺し、尖閣諸島周辺での中国側の動きに言及した。
今回の訪中は、前任の岩屋毅防衛相(当時)と魏氏との合意によるもので、河野氏は現況での訪問に積極的ではなかった。合意通りに訪中を実現させたかったのは中国側だった。
安倍晋三首相と習氏は昨年10月の会談で「競争から協調」の日中関係を確認し、防衛交流は過去になく進んでいる。
海上自衛隊は今年4月、中国での国際観艦式に護衛艦を派遣。中国海軍は返礼として、10月に駆逐艦を横須賀に入港させ、海自と共同で親善訓練を行った。中国軍艦の日本来港は10年ぶりだ。
しかし、その裏で中国は軍事的挑発を止めようとしない。訪中当日の18日も、尖閣諸島周辺の領海外側の接続水域を中国当局の船が航行した。航行は10日連続となる。今年の接続水域航行は延べ1千隻を超え、過去最多だ。
このうち領海に侵入したのは約120隻を数える。7月にはロシアの爆撃機と編隊を組み、竹島(島根県隠岐の島町)や尖閣諸島に接近した。
浜田靖一防衛相(当時)が訪中した10年前と比べ、中国の脅威は格段に増した。軍事予算は公表されているだけで約2・5倍に膨らみ、2012年には初の空母を就役させた。
こうした厳しい現状を踏まえ、河野氏は会談で「懸念について率直に議論すると同時に、今後の交流の進め方についても意見交換したい」とし、自制と関係改善が「セット」であるとの認識を示した。
安倍政権が「日中関係は完全に正常な軌道に戻った」と関係改善に向かってきた中、自民党の国防族議員は「官邸や外務省が言いにくいことを河野氏は主張したのだろう」と語った。(北京 田中一世)
©2018 The Sankei Shimbun All rights reserved.
寺島:次はこれについてお伺いします。日ロ平和条約締結交渉とアメリカの存在感 茂木外務大臣は昨日からモスクワを訪問しています。日ロ平和条約締結の交渉のですね、交渉責任者を務める茂木外務大臣にとって、初のロシア訪問。
ロシアのラブロフ外相と日ロの平和条約締結の交渉、これを巡って、日米同盟が支障になっていると主張した事に関して、先月茂木大臣会見で発言しました。
発言では領土問題を解決して、平和条約を締結していくという非常に大きな交渉の中の1つの重要な論点という認識、こういう風に述べています。篠原さん、この発言はどうですか?
篠原:あのぉ、実はこれ、毎度毎度出てくるんですけど、ソビエトがあった時代から、この日米同盟っていうのがね、いつもネックになってきてるんですね。向こうの立場でですけどね。
要するに日米同盟ってのは、日米地位協定と分かち難く結びついていて、日米地位協定ではね、日本の領土内ではアメリカはね、何処でも望むところに基地を作れるって事になってるんですよね、一応ね。実際はね、そんな一方的なモノではないですから。日米の交渉があるんだけど。
それがある限りね、日本に返したらすぐにね、そこに基地を作らないとは限らないじゃないかという事でね、主権を返せないっていう1つの論拠になっているワケですよね。
寺島:それが論拠になっているという事ですか。会談では北方4島でに共同経済活動と元島民の為の人道的措置等も協議するという事ですねぇ。北方4島、今年10月末から1月初めにかけて共同経済活動のパイロット事業として、初めて観光ツアーを実施しました。
しかしロシアは4島はロシア領の立場を変えていません。ロシア側の姿勢、これは当然と言えば当然なんですか?
篠原:そうは言ってもね、そう、言わざるを得ないっていうところでしょうね。痛し痒しなんですよ。ロシアにとってもね、かなり遠い地域なんですよ。モスクワからも遠いし、行政的なサービスをやるにはかなり不効率な地域なんですよ、ロシアからすると。
逆に元々ね、僕も視察に行った事がありますけど、対岸の根室市と本来一体的にね、発展すべき地域なんで。現実的にはね、経済協力で。経済協力の担い手って地元なワケですよ。
地元と交流している中でね、かなり4島のね、今のロシアの住民たちの生活も支えられてる面もあって、経済的な協力もやらなきゃいけないと。
両立するのはかなり難しいですよね。経済協力をしながらね、本来はね、第2次世界大戦の終わりの処理でもね、此処を占拠し続けるのは不当な事なんだって事をね、法律的な論点も含めて、主張していくって事を常に2本立てで進めていくという状況でね、変えてく鍵だと思いますね。
寺島:あと…先程篠原さん仰った様に、この日米地位協定ですよね。コレを変えていくって手はどうなんですか?
篠原:これはでも…他の面でもね、沖縄で米軍犯罪をね、日本側がね、裁けるようにしてくれという事を含めて、なかなかこれ、進んでないワケですよね。ここは日米地位協定を本腰を入れて変えていくと。日本の意思で、変えられるんだって所をね。
例えば全部について変えなくてもね、示せる事が又、ロシアに対してもね。メッセージになるんでね、そういう事は是非やるべきだと思いますよね。現実に自立した国同士のね、同盟って形には、未だ条約上なってないんですよ。そこは完全にしていくって事でね、一人前の国としての日本を見せないと、約束が守れないんじゃないのって言われるんでね。
あと、もう1つ僕は思っているのは、やっぱりプーチン大統領のね、任期が終わっちゃうと、又、遠のくと思うんですよ。既にもう70数年たっているワケですけどね。で、痛し痒しなんですけど、プーチンさんもね、チョッと今、支持率に陰りが見られるんですよ。
特に若年層にね、人気がなくなってきたんでね、此処をどう見るかって事ですね。今の内にこっちも決めてを打つか、まぁ、ひとつアレですけど、経済政策を進めてね、景気をよくしてあげる。今ロシア苦しいんですよ。クリミアなんかの併合の問題もあるんでね。
経済制裁受けて苦しい問題もあるんで。これでも…助けちゃうと、国際的に日本は何なんだって言われかねないのですが、少なくとも極東ロシアについてはね、経済発展の方向をね、協力して作っていくってのも、平和を保つ上でも大事ですしね。その辺、バランスとったね、対策が必要かなと思いますね。
寺島:日本ロシアの両政府、今日ですね、貿易経済に関する日ロ政府間委員会、これを開きます。医療水準の向上とか、エネルギー開発、先端技術の協力…こういったモノなど8つの項目で対ロシアについての経済協力について話し合う。こういう話合いは大事なんですね。
篠原:大事ですよね。特に、地域の資源と産業開発ですね。ここがかなり大事で、ロシアってには、資源はあるんだけれども、産業がなくて、雇用を創出出来てないという経済のね、ホントに弱点があるので、此処でね、日本がどう力を発揮するかって事がね、ポイントになると思いますね。
寺島:比較化に軍事衝突。どうなる米朝問題の行方 北朝鮮の朝鮮中央通信は先週土曜(12月14日)北西部の西海(ソヘ)衛星発射場で、再び重大な試験が実施されたと伝えました。この衛星発射場、北朝鮮が一旦、解体を約束した施設で、1週間前にも非常に重要な試験が成功したという発表がありました。
北朝鮮の非常に重要な試験が成功した、この言葉の持つ意味なんですが、篠原さんはこれをどう捉えていらっしゃいますか?
篠原:これはね、過去のアメリカのトランプ大統領、或いはそれ以前の実務者の協議の中で、アメリカと北朝鮮が話し合った中身から判断すれば、長距離の弾道ミサイルについてはね、開発凍結するって事を一応ですね、約束してたんんですね。
ところがまぁ、事態が進展しない事に苛立ってですね、アメリカにも脅威を与えうる長射程のICBMの開発を再開するよって事を暗に臭わしている言葉ですね。
寺島:という事は、今まだ、この試験が成功したという事は、長距離の何らかのモノが成功したって事ではないの?
篠原:でもあのエンジンの燃焼実験をやったって事が、報道ではね、あの衛星写真から確認されてますよね。非常に重要な部分なワケですよ。ある意味では弾道でも用いる
寺島:飛ぶんですもんね。
篠原:そういう事なんです。飛ばす上で一番大事な部分なんでね。それはねぇ、アメリカに対して重大なメッセージになったのは間違いないです。
寺島:そして北朝鮮、アメリカに対する更なる挑発行動としては、ICBM大陸間弾道ミサイルの発射、あと核実験の再開も考えられると。
現にですね、アメリカ太平洋軍の司令官が北朝鮮が長距離弾道ミサイルと発射する可能性があるという認識を明らかにしました。まぁ、北朝鮮、アメリカへのクリスマスプレゼントだと言ってますけど。この辺りはどうですか?
篠原:20年前の確か98年だったと思いますが、青森県の三沢を飛び越えて太平洋側に落とす様なICBMの実験をですね、北朝鮮はやったワケですよね。こういう力を既に持っているワケで、当然ですね、強烈なメッセージを出そうとしたら、そういう事も有り得るなと。
で、そういう事に基づいて、アメリカ軍も、或いは自衛隊も準備をしてると思います。そういう事でね、これ再開する事は有り得るんですが、核実験はね、かなり微妙なんですね。って言うのは、今、中国とロシアが、仲裁にでようとして、安保理に色々決議案を出しているっていうのがね。
中ロはね、核実験には絶対に反対の立場なんですよ。建前上はね。ですから、中ロが今、北朝鮮の為に動くとしたらね、このICBMの発射実験どまりっていう事でね、揺さぶりをかけているっていうのが、今の見方として正しいんじゃないかと思います。
寺島:さてその北朝鮮の非核化の可能性についての話。これも出てまして、ソウルを訪れていた、昨日の夕方以降にもう日本に来ているビーガン北朝鮮担当特別代表が会見で、北朝鮮の米朝の担当者に向けて、未だ遅くはないと発言しています。
非核化等を巡る実務者協議の再開をビーガン北朝鮮担当特別代表が呼び掛けたと。そうすると可能性はある?
篠原:率直に言うと、今の体制ではないと思います。今の体制は核武装、核開発と言う事で体制を維持するという事が一つの遺訓政治といいまして、先代、先々代から遺訓になっていて、それを奉じて守るっていうのがね、チュチェ思想に基づくですね、体制の特徴ですから、これは絶対に捨てないと思います。
色々とね、交渉の中身として続ける事はあってもね、無くすって方向で北朝鮮が舵を切ることはないんで、寧ろ彼らにとっては、体制維持の一つのカードにずっと使い続けるだろうと。こちらとしては、段々追い詰めてね、倒れるのを待つ。実際はそういう所だと思いますけどね。
寺島:先程ですね、中国とロシアの話も出て来ました。国連安全保障理事会に北朝鮮に対する制裁の一部を解除する決議案を提出したと。これ中国とロシアは何を望んでいるんでしょう?
篠原:安定ですね。当面、直ぐに暴発するような…今のね、金正恩体制に移る時期に、延坪島って所が攻撃されたりね、あれの指揮を執ったのが金正恩だとされてるんですね。
実はそういう形であの食糧不足の時に挑発してですね、あれ、直ぐに中国が食糧援助に応じてですね、鞘に収めたって所があったんですが、そういう不安定化ね、中国とロシアにとっても北朝鮮ってのは、何するか分からないっていうのがあるので、中国もロシアも懸案を抱えています。
ロシアはシリアやウクライナの問題を抱えていて、中国はウィグルの問題も有れば、香港の問題、台湾の問題もあります。ここで又新たな問題を抱えたくないので、取り敢えず沈静化したいという事でね、それじゃあ経済的な安定を与える為に二つの分野、水産物とかそういうモノの輸出再開とか、人材派遣の問題を何とか認めてやってくれって事だと思います。
寺島:それを…安保理ってのは拒否権がありますから、アメリカが呑むのかどうかって所がポイントですねぇ。
篠原:アメリカが揺るぎなくやってるのはね、結局非核化が無いとしてもね、先ず、核開発を進めさせない。その為には財源を閉ざさなければならない。今言った2つでも結構な財源になってしまうんですよ。その辺はね、いい顔はしないと思いますね。だから、なかなかこの交渉は困難だと思います。
寺島:このロシアと中国が言ってる表面的なモノはいい。一般国民を助けるという様な表現をしてますけれども、これが篠原さんが仰るには、軍の方に入って行くお金なんですね。そういう流れになっていると。となると、又、同じ様な事が繰り返される。
篠原:そうなんですねぇ。これ迄のねぇ、北朝鮮を巡る交渉史を見ると、その繰り返しなんですよ。そこはアメリカも十分検討して、教訓を得ているので、なかなかこれは容易に応じないだろうなっていうのが私の予想ですけどね。
寺島:そんな北朝鮮とアメリカを巡ってですね、北朝鮮が、アメリカとの比較化交渉の期限、これを巡って米朝両国の深刻な対応が露呈している。年明けには…北朝鮮が年末と区切っていますから…年明けには軍事衝突の可能性が高まっているという指摘もあるんですが、これ軍事衝突の可能性を篠原さんはどう、ご覧になりますか?
篠原:軍事衝突はねぇ、多分回避されると思います。何故かっていうとね、今、経済制裁の結果、これは観測ですよ、観測ですけど、かなりねぇ、通常兵力、北朝鮮の通常兵力が疲弊してましてね。具体的には燃料が無いワケですよ。
だから実働出来ない。今はだから、実態的に戦力を維持出来てるのはミサイル戦力だけなんですよね。ミサイルと撃つという事はあるかもしれないし、それで被害が出る事はあるかもしれないですけども、本格的に地上軍が動くとかね、そういう形での衝突はないだろうと思われます。
現実にですね、今、アメリカの偵察機が飛びたい放題飛んでますけども、それに対してね、有効な措置ってのが、とられてないです。北朝鮮側から飛行機が飛んでくるとかね。そういう事がなかなかしにくいみたいで。結構ねぇ、厳しいんじゃないですか。北朝鮮にとっては。
寺島:今、アメリカの大義ってところを見た時に、その武力衝突に入るですね。それは未だ乏しい?
篠原:乏しいですね。アメリカの側はね、やはり合法性というのを重視するんですね。あとは議会の問題なんでね。だから、何らかの、これはもう北朝鮮に分が無いよという様なね、これチャンと守らないとね、もう一段厳しい制裁止むなしという決議が無い限りは、アメリカ側から攻撃行動に出る事は無いです。
寺島:さて、そんな中トランプ大統領はですね、16日、北朝鮮で何かが進行しているとすれば非常に残念だ。北朝鮮で何かがあれば、対処する。北朝鮮の動きは注意して見ていると北朝鮮への軍事介入を示唆する等、改めて牽制はしていますけれども、これは牽制?
篠原:牽制ですね。
寺島:となれば、まぁ、それで何らかのメッセージを北朝鮮側に出しているという事なんですねぇ。となると現時点では北朝鮮もシグナルを出している?
篠原:出しています。
寺島:で、アメリカはアメリカでトランプ大統領がTwitter等で、北朝鮮側に読み取れよという風に言っている段階。
篠原:そういう段階ですね。
寺島:治め処がないですよ。
篠原:今の所、どこで治めるか、こう言ったら何ですけど、見ものですね。
再燃する北朝鮮への国連制裁緩和論議 非核化めぐり年末の攻防、中ロが支援
再燃する北朝鮮への国連制裁緩和論議 非核化めぐり年末の攻防、中ロが支援PDF版