港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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『2月6日』

2019-02-05 14:50:05 | 明日は誰の日

【誕生日】

☆アルベルト・カヴァルカンテイ Alberto Cavalcanti (1897.2.06~1982.8.23)



ブラジルのリオ・デ・ジャネイロに生まれ、フランスに渡って映画界入りし、マルセル・レルビエ監督の装置監督として
従事したのち、1920年代半ばにブームとなったアヴァンギャルド映画で一時代を築いた映画監督です。
サイレント時代の1920年代初めにはヴィクトル・シュストレームやマウリッツ・スティルレルによる写実と神秘の交錯
ともいえる映像美学が発達して頂点を極めましたが、映画は芸術だと考える作家たちはさらにその可能性を求めました。
ダダイズム、シュールレアリズム、アブストラクト(抽象主義)などの手法を用いたアヴァンギャルド即ち前衛映画作家たち…
『アンダルシアの犬』や『黄金時代』のルイス・ブニュエル、『幕間』『眠るパリ』『イタリア麦の帽子』のルネ・クレール、
『ひとで』のマン・レイ、『貝殻と僧侶』のジュルメーヌ・デュラック、『詩人の血』のジャン・コクトーなとが頭角を
現わしてきます。なかでも一段と優れた作品を残したのがアルベルト・カヴァルカンテイでした。
1926年に発表した『時の外何物もなし』は物語もなく主体たる人物も一貫した筋道もなく文字通り『時の外何物もなし』で
大都会パリの姿を「時」によって結びあわせたドキュメント・ショットのみが視覚的シンフォニーとして映画を成立させて
います。まさに純粋映画の極めといった作品でした。
同年の『かわいいリリー』では若干の物語性を取り入れており、1928年の『港町にて』では港町マルセイユを舞台にした
物語を絵画的要素を前面に押し出したロマン作品で、1928年のルイ・デリュックの小説を映画化した『目のない列車』 以降は
商業主義映画に染まっていきました。前衛映画が実験を終えて本格映画に吸収されていくさまは、ある意味でこの世の摂理
だったのかもしれません。
カヴァルカンテイは1934年までフランスに在住していましたが、その後イギリス、ブラジル、オーストリア、イタリアなどで
劇映画を監督していますが残念ながらこれといった活躍を聞くことはありませんでした。

【主要監督作品】
1926年『時の外何物もなし』  Rien que les Heures

1926年『かわいいリリー』  La P'itite Lilie

1927年『港町にて』  En Rade

1928年『目のない列車』  Le Train Sans Yeux
"1947年『悪魔と寵児』   The Life and Adventures of Nicholas Nickleby"


☆フランソワ・トリュフォ François Truffaut (1932.2.06~1984.10.21)



ジャン・リュク・ゴダールと共にヌーヴェルヴァーグ・カイエ派を代表するフランスの映画監督です。
1950年代初めにアンドレ・パザン門下で映画評論誌『カイエ・デュ・シネマ』に映画批評を書きはじめ、アントワーヌ三部作の
序章となる中編作品『あこがれ』で監督デビューを果たしました。翌年には念願の長編『大人は判ってくれない』によって
国際的にも認められるようになり、ゴダールが同年に発表した『勝手にしやがれ』との相乗効果でヌーヴェルヴァーグ・
カイエ派の存在を世界に知らしめることになりました。
また、ゴダールがエッセイの書き散らしや左翼的な活動をする中で、文学的であったトリュフォはカメラという万年筆で
文学を書き上げることに専念し、1961年の『突然炎のごとく』は彼の集大成的な作品になりました。
例によってのきめ細かい描写は1964年の『柔らかい肌』でも発揮され、一方で自伝史ともいえるアントワーヌ三部作である
『二十歳の恋・パリ編』、『夜霧の恋人たち』をも完成させてトリュフォ自身も燃焼してしまったようです。
1960年代半ばにはヌーヴェルヴァーグも衰退をはじめ、さらに堅い盟友であったはずのゴダールとも相反するようになり
ついにはトリュフォの輝きが失せてしまいました。

【主要監督作品】
1958年『あこがれ』   Les Mistons

1959年『大人は判ってくれない』  Les Quatre cents coups

1960年『ピアニストを撃て』  Tirez sur le pianiste

1961年『突然炎のごとく』  Jules et Jim

1962年『二十歳の恋・パリ編』  L'Amour à vingt ans / Antoine et colette

1964年『柔らかい肌』  La Peau douce

1966年『華氏451』 Fahrenheit 451
1968年『黒衣の花嫁』  La Mariée était en noir
1968年『夜霧の恋人たち』  Baisers volés
1969年『暗くなるまでこの恋を』 La Sirène du Mississipi



【ご命日】

★アンドレ・カイヤット André Cayatte (1909.2.03~1989.2.06)



ジャーナリスト、弁護士の傍ら小説でも賞を取るなどの多才ぶりを発揮して映画界入りしたフランスの映画監督です。
詳細は当ブログの『2月3日』をご参照ください。


★ジョセフ・コットン Joseph Cotten (1905.5.15~1994.2.06)



舞台演劇で経験を積みスリラー系の作品で存在感を示したしたアメリカの俳優。
主要出演作品として『市民ケーン』『疑惑の影』『ガス燈』『第三の男』『ふるえて眠れ』などがある。


★フランキー・レイン Frankie Laine (1913.3.30~2007.2.06)



シカゴ生まれのイタリア系米国人で、ジャズ・ポップス・カントリーまで広範囲く活躍した歌手・俳優。
主要歌唱曲として『ハイヌーン』『OK牧場の決闘』『ローハイド』などがある。


★マルティーヌ・キャロル Martine Carol (1920.5.16~1967.2.06)



ブリジット・バルドー以前の1950年代に妖艶な容姿を武器にしてフランスのセックス・シンボルと言われた女優。
主要出演作品として『夜ごとの美女』『浮気なカロリーヌ』『八十日間世界一周』などがある。


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