前の記事、『L’avventura(情事)』のつながりです。
『Trust me』は、ミケランジェロ・アントニオーニの『L’avventura(情事)』の映画主題歌として、
ジョヴァンニ・フスコが作曲し、ジュゼッペ・カッシアが作詞した楽曲で
イタリアの歌手、ニコ・フィデンコが英語で唄っていました。
(イタリア語のレコードもあるようですが、日本ではほとんど知られていません)
当時、イタリア映画の主題歌は必ずヒットするという傾向があり、
この曲も、サントラ盤、ファウスト・パペッティ楽団、そしてニコ・フィデンコの競作としてリリースされました。
ラジオ関西の電話リクエストでは、1962.2.25放送の4曲目にニコ・フィデンコで紹介されています。
次のレコードもYOUTUBEにUPされていますので、是非聞き比べてみてください。
( サントラ盤= http://www.youtube.com/watch?v=r8zDl2WiTd4 )
( ファウスト・パペッティ楽団= http://www.youtube.com/watch?v=h1sMoSanuuQ )
しかし、当時のラジオのベストテン番組であった『グレラン・今週のベストテン』や、OBC『今週のヒットレコード』には登場しておらず、マイナーヒットに終わったようです。
この曲がランクインしたのは、1962.3.4 放送のミュージックインショップ(ラジオ京都)の今週のベスト5で 『情事のテーマ』として第4位に、
クロスヒットパレード(ラジオ京都)の最終水曜日には今月のベストテンを発表していましたが、1962年4月の第7位にランクインした程度です。
作曲者のジョヴァンニ・フスコ (1906.10.10~1968.7)は、戦後間もなく映画音楽にも携わるようになり、
『女ともだち(1955)』『さすらい(1957)』『情事(1960)』『太陽はひとりぼっち(1962)』『赤い砂漠(1964)』など、アントニオーニ作品を多数手がけています。
他にも 『二十四時間の情事(1958)』『太陽の誘惑(1960)』『くち紅(1960)』『堕落(1963)』『戦争は終わった(1965)』などの名作をも担当、イタリア映画音楽界の重鎮でした。
下はニコ・フィデンコの『トラスト・ミー』YOUTUBEより
ニコ・フィデンコはその前年にもイタリア映画『太陽の誘惑』を ”what a sky” というタイトルで英語で唄っています。