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遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

犬山焼呉須赤絵写馬上盃

2021年12月26日 | 古陶磁ー国焼

今回は、犬山焼の呉須赤絵写し馬上盃です。こまごました雑多類の中から見つけ出しました(^^;

正面:

反対側:

側面:

口径 5.3㎝、底径 3.7㎝、高 6.2㎝。明治―大正。

呉須赤絵の雰囲気が良く出ています。

菱形紋は呉須赤絵には無いのですが・・・

龍紋もどこか日本的。

底には、「犬山」の銘が書かれています。

犬山焼は江戸時代から現在まで作られてきた焼物です。愛知県犬山市に窯があり、陶器質の素地に色絵を施した陶器で知られています。乾山写しの雲錦手や呉須赤絵写しの陶器が有名ですが、陶胎染付も作られています。

鉢、皿などの大物に人気があり、品物も多いです。

そんな犬山焼の中では、今回の品物はもっとも小さな部類に入ります。

これなら、下戸の私でも大丈夫(多分^^;)

正月にデビュー予定です。


クリスマス特番:戦前の電飾に、イチかバチかでスイッチON!!

2021年12月24日 | ガラス

これはなんでしょうか?

 

どうやらサンタさんのようです。

シロクマのサンタさんも。

ピエロが花をそえ、

街灯には、雪が降り積もる。

なぜか、ぶどうや、

お盆提灯のようなものまで。

これは、戦前のクリスマス電飾です。薄いガラスで色々な物(長さ3-6cm)が作られていて、ソケットに着けるようになっています。

ソケットの数が足らなくて、やむを得ず、戦力外にまわってもらった品々もあります。

時代物の電線は、布で覆われています。しかも、電線はグリグリに撚ってあります。中で線が切れているかもしれません。電球はOK?

これを入手してから20年経ちました。元々古いのですが、もうそろそろ限界です。

いかにも古びた電球。大分剥げてます。

一番の問題は配線。オリジナルの電線は途中でブチっと切れていました。仕方なく、私があり合わせの電線を繋ぎたし、ビニールテープでとめました。端には、コンセントをつけました。

サンタさんも不安げ。

端のコンセントがスイッチ代わりです。

20年目の正直。イチかバチか、男は度胸。悪くても火花が散って、ヒューズがとぶブレーカーがおちるくらいでしょう(^^;

スイッチオン!❣

・・・・・・・・・・・・・・・

心の闇が去り(大げさ(^^;)・・・

みごとに点きました\(^o^)/

安心したサンタさん、まだ表情がかたい(^.^)

シロクマさんもホッと一息。

日本の灯りで色を添えて、

🎄みんなで、メリークリスマス🎄


呉須赤絵獅子紋中皿(贋物)

2021年12月23日 | 古陶磁ー大皿・大鉢・壷

今回は、呉須赤絵の偽物です。

径 25.6㎝、高台径 14.0㎝、高 5.6㎝。現代。

相当に古そうでしたが、漂白剤に浸けると、別物のようにきれいになりました。きれいすぎます。時代が全くありません(^^;

筆が、全然走っていません。手本を見ながら描いている?(^^;

まるで、人面獅子(^^;

これは人面魚(^^;

青釉、緑釉は熔けきっていません。焼成温度が低すぎます(^^;

高台内には、鉄釉が塗られています。呉須赤絵の胎土に似せようとしたのでしょう(^^;

駆け出しの頃に入手しました。非常にわかりやすい(今では^^;)贋物です。

この品には、本歌があります。一緒にブログアップして、比較しようと思っていたのですが、本歌の獅子皿は人気が高く、そこそこの値段になるので、どうしようかと迷っているうちに時間切れとなった次第です(^^;

 

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古伊万里コレクター、Dr.kさんの超名品、古伊万里芙蓉手大皿に関連した資料です。

工藤吉郎「鍋島の里で焼成された京焼風陶器の水差し」『小さな蕾 No.323』1985年6月(『目の眼 No.324』2003年9月にも同著者による類似の水差しが紹介されています)

工藤吉郎「早すぎた今年の春、そして京焼風陶器七寸皿」『目の眼 No.309』2002年6月

 

蕾コレクションシリーズNo.12 『臨時増刊 小さな蕾 古染付と呉須』1982年86頁 

「伊万里染付芙蓉手花鳥図皿(左、31.5㎝)と古染付芙蓉手花鳥皿(右、30.7㎝)

伊万里染付芙蓉手花鳥図皿:

古染付芙蓉手花鳥皿:

 

 


亀助作『呉須赤絵獅子香炉』

2021年12月22日 | 古陶磁ー大皿・大鉢・壷

今回は、呉須赤絵写しの香炉です。

最大径 8.3m、高 11.7㎝。江戸時代後期。

奔放な絵付けが施された香炉です。

獅子の口から煙が出るようになっています。

相当使い込まれています。内側の汚れは、こびり付いて取れません。

胴に2つ、大きな花が描かれています。

三本の足は、獅子面(鬼面?)になっています。

脚の内側には、焼成時の破裂を防ぐために穴があけられています。

脚の底に、砂が付いています。

香炉の底には、「亀助作」と大きく書かれています。江戸後期の京焼陶工、欽古堂亀祐(きんこどうきすけ、1765~1837)の作と思われます。一般には、亀祐として知られていますが、若い頃は、土橋亀助でした。

江戸時代後期、京都では、青木木米や奥田潁川などの名工が出て、盛んに中国陶磁器の写しを作りました。彼らの作る品には、単なる写しではなく、新たな作品として評されるレベルの物が多くあります。呉須赤絵写しで有名なのが奥田潁川です。欽古堂亀祐はその弟子です。

赤絵の線描だけでなく、獅子の表情なども、どこか優し気(^.^)

 


呉須赤絵もどきの茶碗

2021年12月21日 | 古陶磁ー大皿・大鉢・壷

今回は、呉須赤絵風の茶碗です。

かなり古い桐箱に入っています。

「支那夏茶碗」とあります。紐がすり切れています。

麗々しく仕覆に包まれていたのは、

呉須赤絵風の茶碗でした。

径18.4㎝、高台径7.1㎝、高5.5㎝。明治?

この品は、20年程前、大阪老松の骨董街から少しはずれた所にある、小さな骨董屋でみつけた物です。いかにも趣味でやっているという風体の主人が、4.5疂ばかりの地下室に所狭しと品物を並べて積んでいました。ここは書が中心の店で、よく私は江戸の俳句などを求めました。時々、毛色の変わった陶磁器なども転がっていて、「専門でないのでよくわかりまへん」と言う亭主に、「じゃあ、これも」と、得体の知れない品を格安で持ち帰りました。今回の品もそのうちの一つです。

一見、呉須赤絵かと思いますが、描き方が呉須赤絵より律儀です(^^;

それに、絵のデザインが和風です。

裏側にはほとんど釉薬が掛かっておらず、赤釉、青釉が生地に直接塗られています。模様は呉須赤絵風ですが、赤色が鮮やかで、艶がありすぎます。同じような赤模様(狐火?)の品物を、別の骨董屋で見たことがあります。

江戸後期から、京都や三田、犬山など日本各地で、呉須赤絵を写した陶磁器が盛んに焼かれるようになりました。今回の品も、そのような物の一つだと思われます(私見では、犬山焼)。

器体に白化粧はまったく施されていません。それに、呉須赤絵なら、爪で弾くと、キーンという金属音が響きますが、この品は、コッ、コッとにぶい音をたてるだけです。明らかに、「支那」の焼物ではありません。

悪意か、思い込みか?箱に、「支那焼夏茶碗」と書けば、グレードが上がりと思ったのでしょう(^^;

高台疂付はすべすべして、かなり使い込まれています。

手にもよくフィットするので、和様呉須赤絵茶碗として、来夏、デビューする予定です(^.^)