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遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

面白古文書 『重言見立為御心得』

2025年04月02日 | おもしろ古文書

久しぶりの面白古文書です。

ひねったお題はないのですが、やはり赤(不明)が出ました。読者諸氏のあたたかいサポートをお願いします(^.^)

右欄(東)と左蘭(西)の見立てが対応している(全部ではない)ので、右、左を対照させて載せます。

17.6cm x 22.9cm 。江戸時代後期(天保年間)。

重言見立 
為御心得(おんこころえのため) 
行司
 半紙の紙 
 実子の子 
 施(ほどこし)の施行 
 重宝な宝

頭取  
 長町の長サ  
 厳(きびし)い厳(せつ、折?)かん 
 御ごぞさ(御御造作) 御造作:お手間、苦労
勧進元 
 大キな大佛 
 唐(から)の唐人

右:
大関 御御堂様
関脇   用水の水
小結 大キイ大名
前頭   山中(やまなか)の山中(さんちゅう)
前頭 勝負(かちまけ)の勝負附(しょうぶづけ)                勝負附:勝負の結果を書いたもの。
前頭   美しい美女
前頭   歩(かち)歩行(あるく)   歩(かち):徒歩
前頭   舟の船頭
前頭   赤いひぢりめん

左:
大関 神前の前
関脇 新米(しんまい)の米
小結 風呂屋のふろ
前頭 昼中(ひるなか)の白中(はくちゅう)
前頭 借銭(しゃくせん)の借(かり)
前頭 寺子の子
前頭 城下した
前頭 家内の内(うち)  家内:家屋の中
前頭 正月の月

 

右:
同 御神酒の酒
同 実子の子
同 小さい小おんな
同 すて子の子
同 何日(いつか)の日
同 抜身ヲ抜く
同 燈明を燈(とも)す
同 行列で行(いく)
同 ふり袖のそで
同 乗ものにのる
同 白髪の髪

左:
同  新酒のさけ
   持びょう(病)持(もち)
同  大井川の川
   月夜のばん(晩)  
   珍しい珍ぶつ(物)
   巻物の一チ巻
同  流行が流行(はやる)
   日雇に雇(やとわ)れ
同  下(しも)へ下(くだ)る
   目のミへぬ目くら
同    つめたひ冷めし
           遠い遠方

右:
同   都合(つごう)合(あわ)して
同     そろばんの名さん(算)
同  うたいうたう(謡い謡う)
同  さいせん(賽銭)の銭
同  黒いびんろうじ(檳榔子)   檳榔子:檳榔子の実で布を黒色に染めた。黒色は檳榔子黒とも言った。
同 ももだにのもも(桃谷の桃)
  晴天の日より(和)
同 今の当世風
  赤いしょうじょう(猩々)
  寺のぼうさん
世ハ人 干物(かんぶつ)物(もの)
  叡山の山

左:
同 夫ふ(夫婦)の二人づれ
  明朝そうちょう(早朝)
同 寺丁のてら      丁<=>町
  こち(東風)風がふく
同 水の水かミ
  耳がつんぼ
同 こわいこわめし(強飯)     強い:元々は古語(女房言葉)、「固い」の意、現在も広く使用。
  新しい新たく(宅)
         
       信のゝおしな(信濃のお品?)
世ハ人
     くさいへ(臭い屁)
  穴(くさ)の穴(あな)  

 



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7 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (Rancho)
2025-04-02 13:00:59
一つ目は珠水かも知れませんが、、、
二つ目と三つめは見えにくいです。

番付も持っていらっしゃるなんて、、、
すごいですね。

大型本で、番付を集めたものがありますが、この番付は特に面白い内容ですね。

興味深い資料を公開してくださいまして、ありがとうございます。
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Unknown (ぽぽ)
2025-04-02 14:05:15
遅生さんへ
言葉遊びみたいな感じですかね??
今回のものは前のものより読みやすいように感じました。かながふっているのがありがたいです。
毎回思うのですが200年前でもまるで外国語です笑(^^)
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Ranchoさんへ (遅生)
2025-04-02 15:45:48
確かに、珠の字にもみえますね。私もいろいろと考えてはみたのですが、「〇水の水上」で重言となるとなかなかピッタリと当てはまりません。
番付けには、実に色々なものがありますね。そのなかで、なるべくウィットに富んだものを探しては、紹介してきました。あらかたは済みました。絵解きが残ってますが、メチャクチャに難しいので、もう少し言葉遊びや生活面白百科を続けます(^^;
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ぽぽさんへ (遅生)
2025-04-02 15:50:28
私も前回のものよりはやさしいと感じました。印刷が不鮮明で読めない所は仕方ありませんね。
重言なんて、一番簡単な言葉遊びですが、当時の人たちもきっと「馬から落ちて落馬した」などと言って、ワイワイやっていたかと思うと、江戸時代がグッと近づきますね。
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遅生さんへ (Dr.K)
2025-04-02 16:09:36
「重言」と言いますと、私など、「馬から落馬する」とか、「事前に予約する」とか、「観梅を観にに行く」などしか浮かんできませんが、これは、随分と多くを集めましたね(^_^)
当時は、このようなもので、言葉遊びというか、言葉の勉強もしていたのでしょうか(^-^*)
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Dr.Kさんへ (遅生)
2025-04-02 16:51:45
そうですね、おそらく江戸時代は、今より、言葉や文字について、悪く言えばおおざっぱ、よく言えば寛容だったのではないでしょうか。学校やマスコミもないし、あて字はごく普通に使っていたようです。筆順をやかましく言うようになったのも明治以降ですし、重言なんか、それこそ、ワイワイやる時のお題みたいなものだったのではないでしょうか。
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Unknown (Rancho)
2025-04-02 19:16:26
確かにそうですね。

はじめに見えたのは其時だったのですが、
疎水
というのも考えていました。

間違ったことを書き込み申し訳ございませんでした。

後の二ヶ所の文字は、私は目の調子が悪く見えていません。

いずれにせよ、面白い番付があるものですね。
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