遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

大皿・大鉢15 染付日本地図大皿 ~ブルータスお前もか~

2021年12月13日 | 古陶磁ー大皿・大鉢・壷

以前に、伊万里黒船文明開化大皿を紹介しました。明治初期の物なのですが、時代を記録した文明開化物の先駆けとして、資料的にも面白い品です。この皿に味をしめて、二匹目のドジョウを狙ったのが今回の品です。

径 43.5㎝、高台径 20.2㎝、高 8.5㎝。江戸後期(のはず)。

江戸後期には、日本と異国との関係がやかましくなり、一般の人々の間にも日本の地理的な移置、特に日本地図に関心が高まりました。伊万里焼では、地図皿が多く作られ、人気を博しました。

江戸時代の諸国が書かれています。

青海波や地紋の描き方も丁寧です。

女護嶋や小人國などは、当時、信じられていた空想の場所。

裏面の波模様や「乾」銘は、江戸後期に特有のもの。

こんな「壽」も、江戸後期ならありかなと。

地図皿は、通常、国ごとに凸型になっているのですが、この品はフラットな面に、国境と国名が書かれています。ちょっと引っ掛かったのですが、「凸型ではなく直接描かれた地図皿もある」という記述をどこかで読んだような記憶(不確か)があり、まあいいだろうということになりました。そして、この日本地図大皿は、ずっと故玩館展示室のA席に置かれてきました。

ところが最近、明治初期、一時的に存在した県を調べる必要があり、まず、江戸時代の国名のチェックのため、この大皿をあらためて見直してみました。いつもの事ですが、品物をしっかりと見るのは、この時が初めて(^^;

そしてついに・・・大?発見!????

な、な、な、な、なんと・・・・「武蔵 東京」とあるではありませんか Σ(・□・;)

陶工の嘲笑う顔が目に浮かんできます(^^;

最初の写真のキャプションを訂正せねばなりません(^.^)

径 43.5㎝、高台径 20.2㎝、高 8.5㎝。江戸後期(のはず)。

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径 43.5㎝、高台径 20.2㎝、高 8.5㎝。現代。

            

ps. この皿は、少し古い箱に入っていて、昭和13年の新聞紙が敷かれていました。これも、私の本物バイアスに加担した訳です(^^; この皿が、明治初期に作られた可能性はゼロではありませんが、宝くじで当たるよりも確率は低い(^.^)

 

コメント (6)
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