遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

大皿・大鉢18 呉須赤絵*天下一魚藻紋大皿(2枚)

2021年12月18日 | 古陶磁ー大皿・大鉢・壷

呉須赤絵魚藻紋大皿、2枚です。

ほとんど同じ作りですが、わずかな違いもあります。

全体に、左の皿が右よりもクリアーです。

左大皿:

径38.3㎝、高台径18.3㎝、高8.1㎝。明時代末期。

中央に「天下(一)」の文字が、その周囲に干支?のような字が書かれています。「天下一」が書かれた呉須赤絵は、日本からの注文品だと言われています。

外周には、魚藻紋が描かれています。赤絵の藻はクリアーですが、魚紋の方は、黒輪郭線が消えています。

底にはT、これは符丁?

付着した砂は大粒です。

右大皿:

径36.8㎝、高台径18.1㎝、高7.8㎝。明時代末期。

先の大皿より、全体にくすんでいます。

中央には、やはり赤で文字が書かれています。「天下一」のつもりでしょうが、「大工」に見えます(^^;

魚の模様はくっきりとしています。赤色は先の品よりやや薄め。

高台に付着した砂は細かい。

茶褐色の胎土と、その上に書けられた白釉の様子がよくわかります。

掛け残しの所をみてみると、白釉は二度掛けされていることがわかります。先の大皿も、同じように白化粧されています。

呉須赤絵のように、色釉を使って上絵を描き、焼成した焼物は、色絵部分が擦れて薄くなりやすいし、剝脱によって絵自体が欠けることも多いです。今回の呉須赤絵も、あちこちに、みすぼらしい所があります。従来、経年の使用によってこのような色絵の劣化がもたらさられるといわれてきましたが、今回の2枚の赤絵大皿を眺めるうちに、別の可能性もあるのではないかと思うようになりました。少し時間をかけて検討し、いずれ、ブログで報告します。

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする