私の好きな作家に佐藤愛子という人がいます。
文壇にオモネラナイ気骨のある大衆作家です。また怒れる作家としても知られています。怒っている中にもその文章にはユーモアがあって、思わず吹き出すほど笑わせられてしまいます。
私は10代後半から20代前半にかけて「娘と私」などのエッセイをよく読みました。
その後は少し作品から離れていたのですが、最近ひょんな縁でまた佐藤愛子の本を読み始めました。
今や齢80過ぎ。しばらくぶりに作品を読んでも、未だ怒りは収まらず、相変わらず怒りながら最近の世の中を憂いていらっしゃるようです。
そしてこの間読んでいた本の中にこのような文がありました。
"私が初めて『愛子』という自伝を出しましたときに、室生犀星さんから葉書をいただきました。
「小説を書くことは、親を討ち、兄弟姉妹を討ち、友を討ち、己を討つことです」この言葉が、ずぅーっと私の中にありました。
詩人の吉田一穂さんからは、こうも言われました。
「女になんか小説は書けんよ。何でかというと、女は、いつも自分を正しいと思っているから」
これも犀星さんの言葉と同じように私の中に、植え付けられました。"
昔の人は、後進にずいぶん厳しい言葉を言ったものです。
でも、今はこんなふうに厳しくて身のひきしまる、そして愛のこもった訓戒を言ってくれる大人はいなくなってしまいました。
多分、今はそんなことを言っても、「なに訳分からないこと言ってるんだか」とか「女性蔑視!」とか「私に限ってそんなことは絶対にない!」とか言われてどこかに追いやられてしまうでしょう。
年長者からの年下の者への導きの言葉が失われてしまったことを寂しく思い、感傷的になったのでありました。
文壇にオモネラナイ気骨のある大衆作家です。また怒れる作家としても知られています。怒っている中にもその文章にはユーモアがあって、思わず吹き出すほど笑わせられてしまいます。
私は10代後半から20代前半にかけて「娘と私」などのエッセイをよく読みました。
その後は少し作品から離れていたのですが、最近ひょんな縁でまた佐藤愛子の本を読み始めました。
今や齢80過ぎ。しばらくぶりに作品を読んでも、未だ怒りは収まらず、相変わらず怒りながら最近の世の中を憂いていらっしゃるようです。
そしてこの間読んでいた本の中にこのような文がありました。
"私が初めて『愛子』という自伝を出しましたときに、室生犀星さんから葉書をいただきました。
「小説を書くことは、親を討ち、兄弟姉妹を討ち、友を討ち、己を討つことです」この言葉が、ずぅーっと私の中にありました。
詩人の吉田一穂さんからは、こうも言われました。
「女になんか小説は書けんよ。何でかというと、女は、いつも自分を正しいと思っているから」
これも犀星さんの言葉と同じように私の中に、植え付けられました。"
昔の人は、後進にずいぶん厳しい言葉を言ったものです。
でも、今はこんなふうに厳しくて身のひきしまる、そして愛のこもった訓戒を言ってくれる大人はいなくなってしまいました。
多分、今はそんなことを言っても、「なに訳分からないこと言ってるんだか」とか「女性蔑視!」とか「私に限ってそんなことは絶対にない!」とか言われてどこかに追いやられてしまうでしょう。
年長者からの年下の者への導きの言葉が失われてしまったことを寂しく思い、感傷的になったのでありました。
二日酔いの先輩より。
一度見てみるとよろし。
これからなにがおこるか、わからんからの。
先輩からこれだけは忠告しとく。
酒は飲みすぎるな。
以上。