細田官房長官は4日の記者会見で、2日に離日したハワード・ベーカー前駐日大使から米国産牛肉の輸入早期再開を再三、迫られていたことを明らかにした。
細田長官によると、離日を控えたベーカー氏は会談のたびに、「我々は米国の牛肉を食べている。特に問題はないんだ」と繰り返した。細田長官が「こっちは全頭検査をしている。あなた方はできないのか」と切り返しても、ベーカー氏は「そこまでの考えはない」と答えたという。
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…まぁ、アメリカのジャイアンぷりに関しては、今更言うほどのことではないというか、半ば猫西は諦めがついているんですが(だってアメリカだし)、今回に関しては幾らなんでもちょっとどうかなあ、と思います。
経済面ででっかくあったんですけど、アメリカは日本に対して条件緩和を求めてるんですよね。生後20か月以内という日本の条件を30か月以内にするように。ところがその隣の記事ではこれまたでっかく、アメリカがカナダからの輸入には反対、と。アメリカの国際獣疫事務局担当官は「ひとつふたつBSEが発見されても、貿易禁止なんてひどい」、でもアメリカの上院は「BSEが確認されたからカナダからの輸入は禁止」…………本気でわけわからんわ。
いくら日本のお役人がアメリカに強く出られると弱気になるといっても、さすがにこのダブルスタンダードには対応できないんじゃないでしょうか。もし何かあれば首が飛ぶどころではすまなくなるかもしれませんし、そもそも日本の消費者は食に関していささか神経質なきらいがあります。風評被害がどれほど広がるかはO-157の事例を見ても明らかですし。アメリカ牛肉輸入再開のせいで再び肉の消費が低迷、ということも十分ありえますしね。
もし輸入を再開するとすれば、当然アメリカ自身が「アメリカと同程度BSEが確認された国から、輸入を受け入れること」がひとつのステップになると思います。いっそのこと、全部無条件で受け入れるかわりに、「BSEによって起因したありとあらゆる被害をアメリカが賠償する」と一筆書かせてみたらどうでしょう。それぐらいの覚悟があれば、輸入をしてもいいのかもしれませんね。…………猫西は店頭にアメリカ産が並んでても買わんけどなー。