日中韓歴訪中のヒル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は29日、最終訪問地のソウルで鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一相、宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商次官補と相次いで会談し、北朝鮮の核問題を巡る6か国協議の再開問題について話し合った。今回の歴訪では、北朝鮮を協議に復帰させるため圧力をかけるのに前向きなアメリカと消極的な中韓の間の溝は埋まらなかったとみられる。
ヒル次官補は、会談後の会見で、北朝鮮、寧辺の黒鉛減速炉が、「過去3週間稼動を停止している」と指摘したうえで、「再処理する可能性がある。極めて憂慮すべき問題だ」と事態が悪化する兆候との見方を示した。
ヒル次官補は来週、ロシアを訪問し、アレクセーエフ外務次官とも協議する予定と明らかにした。【ソウル=豊浦潤一】
* * *
中国が消極的なのはまだわかるんですよ。一応議長国で中立なふりはしていますが、もともとは中国が北朝鮮の後ろ盾というか…ぶっちゃけ、中国の子分のよーなものですから。が、韓国がやたら北朝鮮に擦り寄ってるのがよくわからないというか。韓国だけは消極的なんていってないで、本来ならばもっと積極的に北朝鮮を引きずり出さなければならない立場だと思うんですが。世間一般的にたとえると、…そうですね。
北朝鮮:爆弾もって立てこもった犯人。金を要求している。
韓国:犯人とは仲が悪かったはずの双子。説得のために呼ばれたにも関わらず、なぜか北朝鮮に同情的。
中国:北朝鮮のもと上司。
日本:隣家の住人。爆弾が爆発すれば巻き込まれる恐れがあるため、穏便に解決されることを願っている。
アメリカ:警察。前回も同じ騒ぎが起こったとき、多額の金銭と引き換えに爆弾を放棄することを約束させたのだが、同じことが再び起こってしまったため、今回は妥協する余地はほとんどないと考えている。
ロシア:?
………という感じでしょうか。ドラマが1本撮れそうですな。
それにしても、最近の韓国のはちゃめちゃぶりは、生暖かく見守るのを通り越して、本気で心配してしまいますね。「北朝鮮の核は自衛のためだから一理ある」発言、「賠償金をもう一度日本に請求するのもいいかも」発言、「過去を反省しない日本と同じ世界にいるのは苦痛」発言、でも「韓国と日本は共同運命体」発言と、大統領の発言だけでもころっころ変わっているんですが。それだけでなく、昔日本に協力的だった人は財産没収という法案が国会にのぼりそうだったり、日韓基本条約を破棄する法律が国会にのぼりそうだったり。米軍基地への「思いやり予算」を削減したせいで、米軍基地に雇われている韓国民間人が解雇され、「我々に職をー!」と抗議デモが起こったり。アメリカと距離をおいた挙句に、ロシアから兵器を買おうとしたり。
アメリカはなんつーか、カウボーイの国というか……本気で世界の保安官という自画像を夢見ているような、そんなところがありますから。裏切り者には厳しいと思いますし、実際韓国に対しては「お前はどっちを向いているんだ?」と問い詰めたこともあるはずです。ですから、韓国がアメリカ側に立つのであれば、同胞だからこそより強固に、6か国協議再開に向けて動く姿勢を見せなければならないはずなんですがねぇ…。なんというか、仲間であるならば行動で示せ、みたいな。
「6か国協議再開」は、北朝鮮のみならず韓国にとっても、ある種の分岐点だと思います。今のままずるずると北朝鮮にシンパシーを感じ、アメリカから離れようとするのであれば、いずれアメリカから強烈にお仕置きされるんじゃないでしょうか。その時は日本もアメリカに同調するでしょうし(なんといっても北朝鮮の核は、強烈に不安ですから)、自分達以外に核兵器を持つ国を増やしたくないでしょうから、中国とロシアも表立って反対はしにくいでしょうしねぇ。イラクみたいに「持っているかもしれない」ではなく、北朝鮮が「持っている」と主張した上に、「要求呑んでくれないなら、テロリストに売るかもしれないよ?」と脅しをかけている状態ですから。イラクの民主化が不安定ながらも少しずつ前進しているようですから、そろそろ状況が動くかもしれませんね。