普通の日々

ごく普通の日々の事

明確な証拠は無いからね

2013-02-11 23:57:14 | ニュース関連
風知草:証拠の示し方=山田孝男 (毎日新聞)
【証拠を世界に示せば日本人としては痛快だが、半面、情報能力が露見し、相手方に対応を促すリスクがある。このジレンマで思い出すのは1983年の大韓航空機撃墜事件だ。
 旧ソ連の戦闘機がシベリア上空に迷い込んだ韓国の旅客機を撃墜した。ソ連は認めない。中曽根内閣は、自衛隊が傍受したソ連機の交信記録を米政府に提供、これが決め手となり、ソ連も事実関係は認めた。
 冷戦末期、日米安保協力の成果だが、自衛隊の探知能力保持という観点から見れば悪夢だった。以後、ソ連が交信方法を変え、捕捉できなくなった。関係者によれば、追いつくのに10年近くかかったという】
【警戒用と火器管制用の区別がつかない自衛隊ではない。電波の波形と海自の保有情報を具体的に示して反証することはできる。だが、それは、中国に手の内を明かし、対策へ手がかりを与えることでもある】

高周波数で連続照射か=射撃用レーダー護衛艦向ける-東シナ海・中国海軍 (時事通信)
【レーダーには周囲を警戒する監視用と攻撃目標を特定する火器管制用などがある。監視用レーダーは360度回転するために、照射された側は断続的に電波を受信することになる。一方、攻撃目標をとらえる火器管制レーダーはアンテナを目標の方角に向けるため、照射される側は連続して電波を浴びることになる。
 監視用には電波を遠くまで飛ばしやすい低い周波数が使われ、火器管制レーダーには照射できる距離は短いが、攻撃目標の速度や針路を特定できる高い周波数が用いられる】

 詳細な証拠を提示しても中国は火器管制レーダーの照射を認めはしないでしょう、一度否定した行為を証拠が出てきたからといって認める様な真似は恥ずかしくてできやしませんよ。それに証拠といっても一目瞭然といったものが出てくる訳じゃないですからね。
 自衛隊が出せる証拠としては中国艦が火器管制レーダーを護衛艦に向けている画像若しくは映像と、そのレーダーの周波数や照射時間といったデータになると思いますが、そのどちらも中国にとって捏造だとして否定するのは容易なんですよ。何しろ電波は目に見えませんから。
 画像若しくは映像を出せば火器管制レーダーを護衛艦に向けた事は認めても、レーダー波の照射はしていないと否定し続けるでしょう。レーダーの周波数はその周波数を中国海軍が使っていると証明する事が難しい、そういう情報がどこかで公開されている訳じゃないですし。
 だから、政府としては証拠として出すのは画像若しくは映像だけにするでしょうね。捏造だと否定するのが明白なのに、レーダー波に関する細かい情報まで出して、こちらがどういう情報を持っているかを教える必要は何処にも無いですから。