最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

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●うなぎのかば焼きか、トンカツか?

2007-08-08 18:31:05 | Weblog
●ちょっと、待ったア!

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給食のおかずの注文数を、
学校の先生が、まちがえた。

うなぎのかば焼きか、トンカツか、と。
その注文数をまちがえた。

が、希望に反して、7人の子どもが、うなぎの
かば焼き(うなぎのかば焼きだぞ!)
を食べることになった。

そこでその先生は、おわびのつもりも
かねて、まちがえて注文を出してしまった
子どもに、ポケットマネーから、100円ずつ
渡した。

しかしそれが大問題に!

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 ヤフー・ニュースの記事をまず、読んでほしい。読みやすくするために、番号を私のほうでふった。

『(三重県)T市内の公立小学校で7月、4年生を担任する50代の男性教諭が、(1)給食のおかずを選択できる「リザーブ給食」で、(2)おかずの数を間違えて注文し(3)、児童7人に「誰にも言わないように」と100円ずつ渡していたことが8日、わかった。

 T市教委学校教育課によると、教諭は7月13日にあった「うなぎのかば焼き」か「トンカツ」を選択できる「リザーブ給食」で、担当する児童32人に、事前に希望を聞いた際、おかずの数を取り違えて注文した。

希望に反して「うなぎのかば焼き」を食べることになった児童のうち給食に、手をつけなかった7人を後で呼び、自分の財布から100円ずつ渡したという。

 帰宅した児童から話を聞いた保護者が学校に問い合わせて発覚した。学校は当日と翌日にかけて、(4)教諭の担当クラス全員の保護者を訪問して謝罪し、(5)同16日に学級保護者会を開いて説明した。(6)校長の事情聴取に対して、教諭は反省を示し、おかず代を返す意味合いもあったと説明しているという。

 同課は(7)「不適切な指導で、子どもや保護者に迷惑をかけ申し訳ない。教諭の処分は早急に検討する」と話している』と。

 事件(?)のあらましを整理してみよう。

(1) リザーブ給食なるものがある。生徒がおかずを選択できる。
(2) 先生がおかずをまちがえて注文した。
(3) 生徒7人に、口止め料(?)として、100円ずつ払った。
(4) 先生は、クラス全員の父母を訪ねて謝罪した。
(5) 学級保護会を開いて、説明した。
(6) 校長が事情聴取した。
(7) その先生の処分を、これから決める。

 私はこの記事を、数回、読んだ。読んだが、どうしても納得できない。どういうわけか、納得できない。私の常識がおかしいのか、それとも世間の常識がおかしいのか。

 しかもだ、(うなぎのかば焼き)か(トンカツ)だぞ。今どきの給食では、こんな豪勢な昼食がでるのか! 私はまず、それに驚いた。

 さらにそんな雑用まで、先生の仕事なのか? それにも驚いた。雑用といっても、たいした雑用ではないかもしれない。たぶん教室の中で、先生は、こう言った。「うなぎのかば焼きと、トンカツ、どちらを食べたいですか?」「うなぎのかば焼きを食べたい人は、手をあげてください」「トンカツを食べたい人は手をあげてください」と。

 その程度のことだったはず。そういうとき子どもたちにしても、深く考えて手をあげる子どもは、まず、いない。軽い気持ちで、「うなぎのかば焼き!」「トンカツ!」と言って、手をあげたはず。

 どちらでもいいではないか。それに先生だって、この程度のことなら、しょっちゅうまちがえる。(私だって、まちがえる。親たちだって、まちがえる。)

 そこで7人の子どもたちが、意に反して(?)、うなぎのかば焼きを食べることになった。(報道では、手をつけなかったとある。)それについても、「ごめん」だけですんだはず。またそれですませて、どうしていけないのか?

 うなぎのかば焼きだぞ! 

 で、先生は、7人の子どもたちに100円ずつ渡した。報道だけを読むと、口止め料として渡したようにも聞こえるが、たかが100円ではないか。先生にしても、それほど深く考えていなかったはず。50代の男性教諭ということだから、自分の子どもに謝るように、100円を渡したのかもしれない。

 どこの親だって、その程度のことはしているではないか! 私だって、していたぞ! よく覚えていないが、レストランで注文をまちがえるようなことも、あったと思う。

 が、問題は、このあと。上の(4)~(7)をよく読んでみてほしい。私はバカげていると思う。本当にバカげていると思う。

 クラス全員の父母を訪ねて謝罪した!?
 学級保護者会を開いて、説明した!?
 校長が事情聴取した!?
 さらにこれから処分を決める!?

 子どもにしても、「手をつけなかった」だとオ!? これについても、「ぜいたく、言うな!」と私は、言いたい。

 あのね、こういうバカなことばかりしているから、先生は疲れるの! 先生が委縮するの! 教育が元気をなくすの! どうしてこんな程度のことは、笑ってすませないのか!? ……私はむしろ、そちらのほうに驚いた。

 こんなことまで全国紙に載るような大事件になるようだったら、もうだれも教育など、し・な・い! こわくてできない。

先生「ハハハ、注文をまちがえちゃったア。ごめん、ごめん」
生徒「だめだなア、先生」
先生「ごめん、ごめん。今日はうなぎのかば焼き、食べてよ」「あるいはだれか、うなぎのかば焼きでもいいよっていう子はいないかア?」
生徒「いいよ、今日は、うなぎのかば焼きを食べるヨ」と。

 だからあえて言う。

 T市のその先生よ、そんな程度のことで、謝るな! 学級保護会を、開くな! 校長よ、事情聴取などするな! 教育委員会よ、処分などするな! そんなことをしていたら、学校は本当に死んでしまうぞ!

 もっとも報道内容のことだけしか私は知らないので、こうして断言するのは、危険なことかもしれない。その先生と生徒、生徒の父母たちの間に、それまでに、いろいろな確執があったのかもしれない。その結果として、こういう事件が起きたのかもしれない。

 しかしこの報道を読むかぎり、また何度読み返しても、私の結論は、ここにきてしまう。「そんなことをしていたら、学校は本当に死んでしまうぞ」と。

 最後に、100円を渡したことについて。

 父母たちは、その点を問題にしているかもしれない。学校だからこそ、無謬性(=むびゅう・一点のにごりも、まちがいもないこと)が求められるのかもしれない。しかしたかが100円ではないか。もしそんなことで怒るエネルギーがあるなら、敵をもっと大きなものに求めたらよい。政治家たちが日夜、手にしているワイロ、あるいは建設業界の談合でもよい。官僚たちが天下りを繰りかえすたびに手にする高額な退職金でもよい。公務員たちが手にする、不公平な年金でもよい。

 そういう不正と、外の世界で戦ったらよい。外の世界で、だ。お金を渡したことは問題かもしれない。しかしその程度のことは、笑ってすませ! それは車のハンドルの(遊び)のようなもの。その余裕があるから、私たちは車を運転することができる。

 それにしても、「リザーブ給食」とは!? 今どきの子どもたちは、そこまでぜいたくに育てられているのか。私なんか、昼は、400円前後の弁当か、おにぎり2個だぞ!

 それにしても、子どもたちのみならず、今の若い親たちは、戦後のあのひもじい時代を知らなさすぎる。「ひもじい」という言葉の意味すら、知らない。

 私は学校の給食が、大好きだった。クリームシチューとか、大学イモとか、さらにクジラの肉とか、家では食べられないものばかりだった。

実は、うなぎのかば焼きについては、私は、よく食べた。川で、しかけを作っておくと、そこへうなぎがよく入った。しかしトンカツは、ちがう。食べてもコロッケ。トンカツなど、年に何回、食べられるか食べられないかという、ぜいたくな料理だった。(家で、食べた記憶はないぞ!)

 私の意見に反発する親もいるだろう。が、そういうことも重ね合わせて、この問題を考えてほしい。

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