最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

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(3)

2010-06-07 09:43:22 | Weblog


●生物の多様性

 私はこれを読んだとき、生物の「多様性」に、改めて驚いた。
「多様性」というのは、進化の過程で、分化と進化を重ね、多様な生物になって
いくという、生物本来の「特質」をいう。
もちろん個体としての特定性を確保し、環境に適応していくためである。

 たとえば海の中には、私たち人間が想像もつかないような生物がいる。
たとえば地上の動物を例にあげてみると、目が口の下についていたり、
耳が顔の真ん中についていたりする、など。
現実にそういう生物がいるというのではない。
それくらい奇想天外な生物がいるということ。
それを「生物の多様性」という。

 が、何も海の生物だけではない。
陸上の生物、しかも植物の中にも、こうした多様性をもった生物がいる。
それがシダ植物ということになる。

 もっとも、「植物」の種類そのものは、多い。
多いが、「歴史※1」「分化の過程がわかっている」「分類学が進んでいる」という
点では、シダ植物にかなうものはない。
シダ植物は、この地球に「緑」が芽生え始めたことから、存在する。

(注※1)
陸上植物の中ではコケ植物がまず現れ、苔類、蘚類、ツノゴケ類の順に古い起源を持つ。
維管束植物は、ツノゴケ類と同一の起源から進化してきたと考えられる(以上、
ウィキペディア百科事典より)。

●シダ植物

 シダ植物(真葉シダ植物)の「科」「属」については、現在、
つぎのように分類されている。

(表は、HPのほうに収録。
BLOG、メールのほうでは、ハナヤスリ科のみを例とあげて、
あとは省略。

(科)              (属)
ハナヤスリ科          ハナワラビ属
                ミヤコジマハナワラビ属
                ハナヤスリ属

(以下、30種以上の「科(か)」および100種類の「属」に分類。)
   
●真葉シダ植物
●多様な植物

 わかりやすく言えば、「種類(種ではない)」の豊富さもさることながら、
特異な生活形態をもっているものも多いということ。

 たとえば、マツバラン類は、ほぼ全体が茎のみからなり、根も、葉もない、
構造は茎だけで、葉がなく、地中に向かって伸び、その「上に」、根を生ずるもの
もあるという(担根体)。
しかもクラマゴケ類では、根に見える根をもつが、ミズニラ類では、短くつまった
形であるという。
さらに、茎が「限定成長」し、その上に、「胞子葉と栄養葉」をつけるものもあると
いう。

 これだけでも私たちがもっている植物観をひっくり返すには、じゅうぶんである。
(参考:ウィキペディア百科事典)

●仮説

 そこで私のもった仮説というのは、こうだ。

あるひとつの生物が、ひとつの「目(もく)」から、10の「科(か)」に進化、
分化したとする。 
さらにひとつの「科(か)」から、10の「属(ぞく)」に進化、分化したとする。
で最終的に、ひとつの「属(ぞく)」から、10の「種(しゅ)」に進化、分化した
とする。

 これを短冊様に並べると、つぎのようになる。

1つの目(もく)→10の「科(か)」→100の「属」→1000の「種」。

 実際には、数字がこれほど単純に表されるわけではない。
あくまでも仮定として、そう考える。

 で、現在、シダ植物に、100の属があり、1000の種があったと仮定する。
その「100」という数字と、「1000」という数字で、シダ植物の「歴史」を
割ってみる。

(植物の起源は、古生代オルドビス紀~デボン紀までさかのぼることができる。
そのころ世界最古の陸上植物の化石が見つかっている。
シダ植物が地上に現われるのは、そのつぎの「石炭紀」ということになる。
このころ、初期の木本性植物、前裸子植物が地上に現われる。)

 石炭紀というのは、古生代の後半、デボン紀のあと、ペルム紀までの間をいう。
年代的には、3億6700万年前から、2億8900万年前までに当たる。
このころ、昆虫や両生類が誕生し、つづいて爬虫類も誕生した。

 平均して、「3億年」とする。
(おおざっぱな数字で、ごめん。)

 その3億年を、100で割ると、「属(ぞく)」は、300万年ごとに進化、分化し、
「種(しゅ)」は、30万年ごとに進化、分化するということになる。
つまりこの方法を使えば、進化、分化の過程を、「定数的」に、表示することが
できるようになる。

シダ植物には、その「歴史」があり、また私が知るかぎり、シダ植物ほど、分類学の
進んだ植物は、ほかにない。
シダ植物には、そういう「秘密」と、「秘密を解く鍵」が隠されている。
一説によるとあのダーウィンですら、「忌まわしい植物」と呼んで、シダ植物には、
手をつけなかったという。
あまりにも複雑に分化しているからである。

●あくまでも仮説

 もちろんこれはひとつの仮説であり、仮にシダ植物については正当性をもったとしても、
ほかの植物は、またべつの定数が算出されるかもしれない。
さらに「植物」と「動物」はちがう。

しかし「進化」「分化」が、すでにDNAレベルで予定されたものであるとするなら、
「定数」で表示されても、何ら、おかしくない。
また「突然変異」という言葉もあるように、何らかの外的な影響がDNAレベルに影響を
もたらすということも考えられる。
そうした変数はあるが、それとて「数値化」することは、不可能でない。
それを「変異指数」という。

 つまり生物の多様性と、進化の過程を、「数字」として、公式化することができる。
またそれができると、逆に計算して、生物の未来的進化と分化を、予想することができる。
さらに応用すれば、未知の生物を、公式に従って探し出すことも可能になる。
(もちろん絶滅したものも、あるだろうが……。)

地球規模で、探し出すことも可能になるし、地域規模で、探し出すことも可能になる。
さらに近年のコンピュータ・アルゴリズムを使えば、新種そのものを、コンピュータ上で、
再現することもできる。
(もちろん絶滅したシダ植物を、再現して示すことも可能になる。)

●モンタージュ写真付きの捜索

 名倉智道先生は、そうしたシダ植物の新種の発見に努力している。
が、それはある意味で、地図のない宝探しのようなもの。
が、この公式と定数がわかれば、どの地域に、どの程度の数の未発見のシダ植物があるか、
おおよその見当をつけることができる。

 もちろんそのためには、基礎となるデータが必要である。
「種(しゅ)」「属(ぞく)」「科(か)」「目(もく)」……の、正確な数字がわかればよい。

 つぎにそれぞれのシダ植物の特徴を、できるだけ細かく、短冊化して並べる。
それをコンピュータ・アルゴリズムを使えば、いわゆるミッシングリンクとなっている
シダ植物を、コンピュータ上で、再現できる。
あとは、その再現されたシダ植物を、統計学的な手法を使って、探し出せばよい。
たとえば「A大陸のB地方には、B1種と、B3種のシダ植物が見つかっている。
その間のB2種もあるはず」と。

 つまり地図のない宝探しから、地図と、それにモンタージュ写真付きの情報をもとに、
新種のシダ植物を発見することができる。

 実に突飛もない仮説かもしれないが、名倉智道先生からのメールを読んだとき、
私はそれを真っ先に思いついた。
言うまでもなく、生物のもつ「多様性」は無限であり、それぞれの「種(しゅ)」は、
連続した「リンク」でつながっている。

 ところでもう20年ほども前のことだろうか。
恩師の田丸謙二先生は、私にこう教えてくれた。
「遺伝子工学が、ここまで進歩するとは、思ってもみませんでした」と。
田丸先生が、東大の理学部長をしていたころの時代と比べると、という意味である。
その遺伝子工学を使えば、ミッシングリンクとして、今は絶滅したシダ植物を、
現実の植物として、再出現させることもできるようになるかもしれない。
もっともそこまでできるようになると、おもしろいというよりは、こわい。
それにひょっとしたら、「楽しさ」という点では、地図のない宝探しのほうが、
おもしろいかもしれない。
時間はかかるが、そこにロマンを覚える。

名倉智道先生は、毎週のように、その宝探しを楽しんでいる。

(補記)

名倉智道先生へ、

 以上、この道のド素人が思いつくまま、仮説を立ててみました。
どうか笑わないでください。
しかしいつか本当に、「変異指数」のようなものが、見つかるかもしれませんね。
(あるいはそれよりも先に、人間が人工的に変異種を作り出してしまうかも
しれません。)

 しかしその一方で、生物のもつ多様性が、人間の手で破壊されつつあるというのも、
悲しいことです。
たまたま昨日ですが、夕刊にこんな記事が載っていました。

「生物多様性・国際目標、達成できず」(中日新聞・4月30日)と。

「国連などの科学者の分析によると、個体数の減少が続いている」というのです。
いわく「自然保護区の拡大は進んでいるが、生物種の個体数の減少や、外来種の
増加傾向に歯止めがかからず、『2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に
減少させる』との国際目標は、達成できなかったとの分析を、国際環境計画
(UNEP)などの科学者チームがまとめ、アメリカ科学誌サイエンスに30日、
発表した」と。

「・・・生物多様性への圧力に関する、5指標すべてが、悪化傾向で、「生物多様性
の損失が穏やかになる傾向は認められないと結論づけた」とも。

 シダ植物という目立たない植物であるだけに、先生たちのご努力が、しっかりと
実を結ぶことを願ってやみません。
生物の多様性が失われるということは、即、生物体系の崩壊を意味します。

 では、おやすみなさい。
今夜は、ボケ防止のため、劇場で、『ウルフマン』という、まったくナンセンスな
映画を観てきました。
週に1、2度は、劇場に足を運び、脳みそを刺激しています。
観たいとか観たくないとか、そういう選択はしていません。
先週は、『不思議な国のアリス』とか、『タイタンの戦い』とか、途中で眠くなる
ような映画を、がんばって観てきました。

 ついでに星評価をするなら、
『不思議な国のアリス』・・・★★
『タイタンの戦い』  ・・・★★
『ウルフマン』    ・・・★★

 制作技術にはものすごいものがありますが、どれもパッとしません。
あくまでもボケ防止用です。

 おやすみなさい。

 はやし浩司

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 シダ植物 種 属 科 目 仮説 進化仮説 新進化論 生物 多様
性 進化の定数化 進化定数 進化の公式 公式化)

【NG先生から、はやし浩司へ】

はやし浩司 様

おはようございます。
生物多様性の原稿興味深く拝読いたしました。
先生のように自分で考えるということをほとんどしない小生にとっては大変刺激的な内容
でした。

学生のころ「花はなぜ咲くのか?」という植物学上の大きな課題が話題となっていました。
当時はフロリゲンなど開花に作用する物質の研究に関心も多く集まっていたものです。
昆虫では、「蛹から蝶へ」という変化の過程も関心事の一つでした。

こうした一つ一つの事象から生物全体をとらえて論議するようになり、現在では種の分化
に関心が集まっているようです。研究技法としても光学顕微鏡から電子顕微鏡へ、染色体
からDNAへと飛躍的に深化し、ゲノムを語らずに生物のことを語ることができないよう
な状況になってきています。素人には手も足もでない世界となりつつあります。

現に、シダ植物の分類体系も変わりはじめています。これまでの分類表のうちのイノモト
ソウ科だけをとっても新しい説に取って代わろうとしています。
 誤解を恐れず申し上げると「イノモトソウ科」「ホウライシダ科」「シシラン科」に分け
られていたシダ類は一つの系統樹で説明できるようになったというようなことです。

先日、国立科学博物館筑波実験園の主任研究員の方に同行して田原(29日に行った同じ場
所)などを歩きました。その折、ゲノムの解析が進んでコケシノブ類も大きく書き換えら
れたたと聞きました。その研究を行った研究員に現物を同定してもらえば完璧のように思
えるのですが、実は「見た目だけだは100%同定することは難しい」というのです。研
究者ですら肉眼での同定は困難な時代となって、ゲノムに頼らねばならないのだそうです。

これまでに刊行されている図鑑は、名前を調べるだけならいざ知らず、学名まで必要な人
たちにはすでに役にたたなくなってきているようです。

この先、ゲノム解析が一段落すると、いよいよ分化についての研究が本格化するのでしょ
うか。なぜ、その姿にならなくてはいけなかったのか、地域による変異の問題など興味は
尽きません。しかし、素人が趣味で取り組むには高度になりすぎてしまいます。

NG


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