最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

最前線で活躍するお父さん、お母さんのためのBLOG
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(3)

2010-02-12 07:08:38 | Weblog


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最後にもう一作。
ある母親の嘆きを、掲載します。
10年ほど前、中日新聞に掲載してもらった
原稿です。

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●親が子育てで行きづまるとき

●私の子育ては何だったの?

 ある月刊雑誌に、こんな投書が載っていた。

『思春期の二人の子どもをかかえ、毎日悪戦苦闘しています。幼児期から生き物を愛し、
大切にするということを体験を通して教えようと、犬、モルモット、カメ、ザリガニを飼
育してきました。庭に果樹や野菜、花もたくさん植え、収穫の喜びも伝えてきました。毎
日必ず机に向かい、読み書きする姿も見せてきました。リサイクルして、手作り品や料理
もまめにつくって、食卓も部屋も飾ってきました。なのにどうして子どもたちは自己中心
的で、頭や体を使うことをめんどうがり、努力もせず、マイペースなのでしょう。

旅行好きの私が国内外をまめに連れ歩いても、当の子どもたちは地理が苦手。息子は出不
精。娘は繁華街通いの上、流行を追っかけ、浪費ばかり。二人とも『自然』になんて、ま
るで興味なし。しつけにはきびしい我が家の子育てに反して、マナーは悪くなるばかり。
私の子育ては一体、何だったの? 私はどうしたらいいの? 最近は互いのコミュニケー
ションもとれない状態。子どもたちとどう接したらいいの?』(K県・五〇歳の女性)と。

●親のエゴに振り回される子どもたち

 多くの親は子育てをしながら、結局は自分のエゴを子どもに押しつけているだけ。こん
な相談があった。ある母親からのものだが、こう言った。「うちの子(小三男児)は毎日、
通信講座のプリントを三枚学習することにしていますが、二枚までなら何とかやります。
が、三枚目になると、時間ばかりかかって、先へ進もうとしません。どうしたらいいでし
ょうか」と。もう少し深刻な例だと、こんなのがある。

これは不登校児をもつ、ある母親からのものだが、こう言った。「昨日は何とか、二時間だ
け授業を受けました。が、そのまま保健室へ。何とか給食の時間まで皆と一緒に授業を受
けさせたいのですが、どうしたらいいでしょうか」と。

 こうしたケースでは、私は「プリントは二枚で終わればいい」「二時間だけ授業を受けて、
今日はがんばったねと子どもをほめて、家へ帰ればいい」と答えるようにしている。仮に
これらの子どもが、プリントを三枚したり、給食まで食べるようになれば、親は、「四枚や
らせたい」「午後の授業も受けさせたい」と言うようになる。こういう相談も多い。

「何とか、うちの子をC中学へ。それが無理なら、D中学へ」と。そしてその子どもがC
中学に合格しそうだとわかってくると、今度は、「何とかB中学へ……」と。要するに親の
エゴには際限がないということ。そしてそのつど、子どもはそのエゴに、限りなく振り回
される……。

●投書の母親へのアドバイス

 冒頭の投書に話をもどす。「私の子育ては、一体何だったの?」という言葉に、この私も
一瞬ドキッとした。しかし考えてみれば、この母親が子どもにしたことは、すべて親のエ
ゴ。もっとはっきり言えば、ひとりよがりな子育てを押しつけただけ。そのつど子どもの
意思や希望を確かめた形跡がどこにもない。親の独善と独断だけが目立つ。

「生き物を愛し、大切にするということを体験を通して教えようと、犬、モルモット、カ
メ、ザリガニを飼育してきました」「旅行好きの私が国内外をまめに連れ歩いても、当の子
どもたちは地理が苦手。息子は出不精」と。この母親のしたことは、何とかプリントを三
枚させようとしたあの母親と、どこも違いはしない。あるいはどこが違うというのか。

●親の役目

 親には三つの役目がある。(1)よきガイドとしての親、(2)よき保護者としての親、
そして(3)よき友としての親の三つの役目である。

この母親はすばらしいガイドであり、保護者だったかもしれないが、(3)の「よき友」と
しての視点がどこにもない。とくに気になるのは、「しつけにはきびしい我が家の子育て」
というところ。この母親が見せた「我が家」と、子どもたちが感じたであろう「我が家」
の間には、大きなギャップを感ずる。はたしてその「我が家」は、子どもたちにとって、
居心地のよい「我が家」であったのかどうか。あるいは子どもたちはそういう「我が家」
を望んでいたのかどうか。結局はこの一点に、問題のすべてが集約される。

が、もう一つ問題が残る。それはこの段階になっても、その母親自身が、まだ自分のエゴ
に気づいていないということ。いまだに「私は正しいことをした」という幻想にしがみつ
いている! 「私の子育ては、一体何だったの?」という言葉が、それを表している。

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い親 私の子育ては何だったの 私の人生は何だったの 私の子育ては、何だったの 親
の悔悟 介護問題 はやし浩司 親のめんどう 親の介護 親の介護問題 内閣府調査)


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●親のニヒリズム

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「子どもなんか、産むもんじゃない」と言った人がいた。
実はそう言ったのは、私の母だった。
私が遠く(?)、郷里のM町を離れて住むようになったことについて、
そう言った。
「息子を、浜松の嫁に取られた」とも言った。

++++++++++++++++++

●ニヒリズム

 世の中には、いろいろな親がいる。
それぞれの親は、それぞれにいろいろな思いや考え方をもっている。
たとえば、「息子や息子には、(学)をつけさせない」とがんばっている親もいる。
「へたに(学)をつけさせると、遠くへ行ってしまうから」と。
だからその親は、自分の息子や娘には、勉強をさせない。
「学校は、地元の高校だけでじゅうぶん」と。

 この話は、本当の話。
本当に私が、その親から、そう聞いた。

 また「子どもに学費を出すのは、もったいない」と考えている親もいる。
「大学まで出してやるのは、長男だけ」と。
長男を家の跡取りと考えているから、そう言った。
だから私が、「二男はアメリカに住んでいます」などと言うと、こう言う。
「そんなもったいないこと、よくできますね」と。

●感謝

 私は息子たちを育てているときは、そういうことは、まったく考えていなかった。
息子たちを伸ばすことだけを、懸命に考えていた。
損得の計算をしたことがない。
こと学費については、惜しみなく提供してきた。
「惜しみなく」というのは、「何も言わないで」という意味。

 が、その息子たちが、そういった私に感謝しているかということになると、たいへん疑
わしい。
それがあまりにも当たり前の生活だったから、息子たちは、当たり前と考えている。
いつだったか、私が息子の1人に、こう愚痴を言ったことがある。

 「ぼくらが子どものころには、腹いっぱい、飯を食べることさえできなかった」と。
すると息子は、こう言った。
「そんなのは、バカな戦争をしたパパたちの責任」
「ぼくらには、関係ない」と。
つまり自業自得、と。

 大学へ通う学費にしても、そうだ。
へたに「学費を稼ぐのに、苦労した」などと言おうものなら、(言ったことはないが
・・・)、「頼んだ覚えはない」と言われそう。
反対にこう言われたこともある。
「パパは仕事ばかりしていて、ぼくたちのことをかまってくれなかった」と。

●父親という存在

 そういう自分を振り返りながら、「父親というのは、さみしい存在」と感ずる。
私のばあい、貧乏が何よりもこわかった。
だれからの援助も、受けることができなかった。
がむしゃらに働くしかなかった。
戦後のあの時代、それにつづく高度経済成長の時代というのは、そういう時代だった。
が、それについても、息子たちだけではない、今の若い人たちは、「自業自得」という言葉
を、平気で使う。

 そうそうこんなこともあった。

 息子の1人がアメリカ人の女性と結婚することになったときのこと。
それまでそんなことを考えたこともなかったが、こんな思いが、胸をついた。
「私の父は、台湾でアメリカ兵と接近戦になり、貫通銃創を受けている」と。
つまりアメリカという敵国の、その国の女性と結婚をする(?)。

 今の若い人たちに、こんな話をしても、理解されないだろう。
しかし私には、私なりの思いがあった。
が、息子にしても、そういった話を、「過去の話」と、簡単に片づけてしまう。
あまりにも、簡単に、だ。

 そういう若い人、つまり自分の息子たちを見ていると、あのニヒリズムがムラムラと沸
きあがってくる。
「私は何のために、苦労をしたのだ」と。

●今はわかる

 だから今は、わかる。
「子どもなんか、産むもんじゃない」「息子を、浜松の嫁に取られた」と言った、母の気持
ち。
「息子や息子には、(学)をつけさせない」「学校は、地元の高校だけでじゅうぶん」とい
った人の気持ち。
わかるが、そこまで。

 一方で、それを懸命に打ち消そうという心が働く。
「今まで、楽しかったではないか」と。
息子たちがいたからこそ、ここまでがんばることができた。
もしいなかったら、ここまではがんばらなかっただろう。
金銭的な意味で、損か得かということになれば、損に決まっている。
しかし「金銭的な価値」など、「生きることの価値」に比べたら、何でもない。
無価値とまでは言わないが、「生きる」ことを犠牲にするほどの価値はない。

 ニヒリズムと慰め。
この2つが交互に心の中に現れては消える。
これも私という親の、偽らざる心境ということになる。

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Hiroshi Hayashi++++++++Jan.2010++++++++はやし浩司

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