想い出の時を刻む

趣味を楽しみながら、今日の思いや出来事を綴り、想い出として残していく日記

楽しかった思い出

2015年06月18日 | 感想

 昨日、親友との思い出話をしながら、一度3人で旅行をしてみたいと言ってが、それで思いだした旅行話が一つある。

 

 もう40数年前のことだから随分昔のことだ。まだ二十歳を過ぎたばかりのころ私は男ばかりの工場で寮生活をしながら働いていた。ある時会社の慰安旅行が企画され、その旅行を安全に行うため私が先発隊に選ばれ、長野県の蓼科高原に行くことになった。

 

 登山に詳しい先輩と私の男二人の旅行であったが、美ヶ原から車山を抜け蓼科まで登山をする一泊二日の旅行であった。

 

美しい景色を眺めながら歩いた登山、初めて山小屋で泊まった経験など、あの時の旅行は本当に忘れられない旅行だった。

 

そして、もうひとつこの旅行が私にとって忘れられないものになったのは旅の途中で偶然出会った若い女性たちとの不思議な巡り会いがあったからである。

 

 それは、美ヶ原から車山に向かって登山をしている途中で始まった話である。秋の涼しい風を浴びながら二人で楽しい会話をしながら、歩いていると偶然二人の女性とすれちがった。最初は全く知らない人だったので、当然、彼女たちを意識することもなかった。

 

 ところが、同じ方向に向かって山道を歩いていたもので、どうしても互い途中で休憩をとりながら歩いていると、いつの間にか抜きつ、抜かれつの関係になり自然と相手を意識するようになった。だが、その日は話をすることもなく、ただそれだけで終わったのだが、次の日、車山の山小屋で一泊して蓼科へ向かって再び登山をはじめたら、また、道すがらで彼女たちとバッタリと再会したのである。

 

 その時はさすがに互いが覚えていたので、初めて挨拶を交わし、一緒に山道を歩くことになった。今は顔もよく覚えていないが確かどこかの教育大学の生徒だと言ってたことを今も記憶している。

 

 そんな彼女らと私たち二人が暫く同じ山道を歩きながら楽しい話などをして登山を楽しんでいたが昼頃になって、お互いの予定が違ったので別れることになった。つかの間の付き合いだったが少しは情もあったので多少残念な思いがしたが仕方ないので、別れの挨拶を交わして別々にまた登山をすることになった。

 

 そして、私たちは無事に二日目の登山を終えて、日暮れ前までに麓に降りようと山道を歩いていたのだが、なんとその途中でまたまた、彼女たちと偶然に出会ったから本当に驚いた。 3度目の再会である。

 

しかし、その時彼女たちは、帰りを急いでいるようで、昼間のようにゆっくり話す余裕もなく軽い挨拶を済ませて先に歩いて行った。

 

ところが、帰りを急ぐ彼女たちの後ろ姿を見ながら遠くへ目をやると、その目線の先にバスが停留所に向かって走っていた。

 

その瞬間、彼女たちがさっき確かにあのバスに乗って帰ると言ってたことを思いだし、女の足で走ってもバスに乗るのは絶対むすかしいと判断し、私たちはお互いの申し合わしたように二人でバス停に向かって夢中に走って行った。本当に必死に走ったので途中で彼女たちを追い越し先にバス停についた。

 

私たちが急ぎでバス停についた頃、バスはちょうど発車する間際だったので、私たちは「このバスに乗る客がそこまで来てるので少しだけ待ってほいし」お願いした。すると運転手さんも走ってくる彼女たちの姿が見えたのか、首をたてにふって了解してくれた。

 

そして、息も絶え絶えにバス停に着いた彼女たちは無事にバスに乗り込むことができた。

 

慌ただしく感謝をしながら、彼女たちは旅立っていったが、そんなハブニングがあっただけに、あれから40数年がたった今でも当時のことを鮮明に覚えているのである。

 

それだけに、たまに今、彼女たちはどうしてるだろうと時々思い出しては笑ったりしている。

 

機会があれば再会をはたしたいものだが、叶わぬ夢を追いかけるよりは楽しい思い出を、何時までも心のなかに大切にしまっておくのがいいだろう。

 

 

 

 


1 コメント

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楽しい思い出 (verdavojeto)
2015-06-18 19:43:29
良いお話しでした。私にも経験があります。親切にされた側ですが。
どうしているかな?とやはり時々思い出しますよ。
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