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QT Lab.品質・技術研究室

技術者のための品質工学、品質管理、統計学、機械設計、信号処理を
解説します。

長野県品質工学研究会

2015-07-10 21:33:26 | 品質工学

本日(7月10日)、長野県品質工学研究会に出席させていただきました。
4年半ぶりの訪問となります。

11時半に下諏訪に到着、いつも大変懇意にさせていただいております増田技術事務所の
増田さんがわざわざお迎えに来ていただきました。
さらに、絶品のうなぎ屋さんで昼食までごちそうしていただき、大感激しました。
前回もこちらうなぎの小林さんでごちそうになったのですが、とてもおいしかったです。
(写真は次回アップします)

昼食後、岡谷市にある長野県工業技術総合センター様で、本日発表予定の
『FFT重心監視とMT法の連携による信号監視システム』の実物実験の準備を
おこない、まずは、増田さんにご覧いただきました。

こういうときは、うまくうごくんですよねぇ。このとき、物体検出のデモをしたのですが
音源とマイクロフォンのあいだに0.8㎜のクリップワイヤを通してもそれを検出できました。

さて、長野品質工学研究会のメンバーのみなさんが集まりだしました。
ある方は私の書籍を持参してくださって、サインをさせていただきました。その本は
相当読み込んでいただいている形跡があきらかで・・・とてもうれしかったです。

まず、MT法とFFT重心監視のプレゼンはみなさんに大変興味深く聞いていただけました。
そして、物体検出のデモ・・・本番に弱い私のDNA全開! 細いワイヤの検出がとても
不安定な結果に。でもみなさんとてもこの方式の信号監視にご興味をもっていただいた
ようです。

そして、今日のメインテーマ、「SN比の再現性」に関する議論。まず、問題提起の
プレゼンをしたのですが、みごとに失敗、私のいいたいことがほとんど伝わらなかった
のでは?と思ったとき、長野メンバーのある方が、私が事前にお送りしたExcelファイルを
使い、別のデータ解析をご用意されていて・・・とても助かりました。というより、
とても勉強になりました。品質工学を追及する技術者のつよいつながりを実感しました。

SN比とその再現性について、とてもレベルの高い(マニアックな)議論が展開され
わくわくする時間をすごすことができました。

最後に今回の品質工学研究発表大会で発表した「SN比を使った進化論的圧縮バネ設計方法の提案」を報告させていただきました。

この報告のあと、現物のバネ設計ツールを披露したのですが、とても好評であり
つくった甲斐を実感しました。

そして、研究会終了後、懇親会を開いていただきとてもおいしい食事を頂戴しました。
こちらの写真も次回アップします。

品質工学を追及する技術者の連帯感や愛情、知的好奇心のぶつけあい、を体感した
一日になりました。

長野研究会の皆様、大変お世話になりました。また、いっしょにいろいろと議論したいと
思いますので、よろしくお願いいたします。

今、下諏訪のホテルでこの文章を書いていますが、驚くほどリーズナブルな価格なのに
とてもよい部屋を用意していただきました。また、貸切の天然温泉も使わせていただき
大感激です。

次回、長野の研究会に呼んでいただけたら、またこのホテルにお願いしたいと思います。

長野研究会の皆様、本日はとても楽しかったです。ありがとうございました。

そして、増田さん、『未来の社員』様の知的好奇心をくすぐるモノをお送りしますので
しばらくお待ちくださいね。


QES2015 参加報告

2015-06-16 19:39:08 | 品質工学

昨日、本日の2日間にわたってタワーホール船堀で第23回品質工学研究発表大会が
開催されました。 
品質工学を信頼し活用している(しようとしている)人々が、年に1度集い、研究成果を
披露したり、聴講したりする重要な催しです。

この機会でしかお会いできない方もたくさんいらっしゃるので、旧交を温めることも
楽しみのひとつです。

今回もある方から北海道のおみやげを頂戴しました。ありがとうございました。

そして、私もはじめてポスター発表をしました。
『SN比を利用した進化論的圧縮バネ最適設計方法の提案』 というテーマです。
午前のセッションの最後の発表だったので聴講してくださる方がどのくらい残って
くれるかちょっと心配していたのですが、大勢の方に残っていただけました。

発表後の質問はなかったのですが、自由討論の時間には多くの方とお話しさせて
いただくことができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。

昨年のブログで、来年は発表する、と書いたのですが実現できました。

来年も必ず発表します!


人間原理とは その2

2015-03-30 20:18:03 | 品質工学

 『観測できないものは存在しない』、『知的生命体(たとえば人類)が存在しなければ宇宙は
存在しない』 宇宙はそれを観測させるために、地球という人類がもっとも生存しやすい環境を
提供した。

 というような考えが『人間原理』ということらしいです。宇宙という絶対的マクロ事象から量子と
いうミクロまですべてに適用できる思想だそうです。

 さて、前回、空中戦をおえて帰還した戦闘機の機体にうがたれた弾痕を統計解析して、どこに
防弾装甲をすればよいか?の研究を命じられた数理統計の学者の答えは、

 「弾痕の見あたらないところに装甲をすればよい」という結論でした。それを聞いた上司は驚愕した
そうです。しかし、すぐにその学者がいっていることを理解したようです。

 つまり、帰還した戦闘機が受けた銃弾の場所では撃墜されにくい、未帰還になった機体に
うがたれた弾痕があった位置こそ、その機体の弱点である。ということです。

 残念ながら未帰還機を観測することはできません。ここにこそ真理があったのです。

 別の見方をすると、刺激に対する鈍感さ、こそが抗たん性が高い、ということです。
 品質工学そのものです。

 さて、今期の深夜アニメはほとんど完結しました。今期は『寄生獣』、『艦コレ』、『ミルキーホームズ第3期』の3つだけを完食しました。来期は結構期待できそうなラインアップです。

 一番期待しているのは『長門有希ちゃんの消失』ですね。『鈴宮ハルヒの憂鬱』のパロディデフォルメスピンオフです(たぶん)。

 アニメなどというとかなり拒絶反応をする方もいるかもしれませんが、原作者の知識や哲学、そして創造(想像)力はへたな小説家などあしもとにも及ばないすごいものです。

 『とある魔術の禁書目録(インデックス)』、『とある科学の超電磁砲(レールガン)』の世界観は
ルーカスやスピルバーグでも考えつかないでしょう。当然、『鈴宮ハルヒの憂鬱』も・・・

 


人間原理とは その1

2015-03-27 21:10:26 | 品質工学

 第2次世界大戦の序盤、英国本土上空で繰り広げられた『Battle of Britain』 では
日々Royal Air Force(英国空軍)とLuftWaffe(ドイツ空軍)が空中戦を行っていました。

 善戦しているRoyal Air Force でしたが、やはり敵機に撃墜される戦闘機も多く、
優秀なパイロットの損耗が深刻になってきたとき、Royal Air Force はなるべく撃墜を
されないように、多少の性能低下をみとめても撃墜されにくいように戦闘機に防弾装甲を
追加することにしました。

 そして、空中戦を終えて帰還した戦闘機の被弾状況を調査して、どこに防弾装甲を
追加すればよいか?をある統計学者(数学者)に依頼したそうです。

 当然、帰還した機体はいろいろな場所に被弾しているのですが、その統計学者が
出した答えとは ・・・



 もっとも被弾していない箇所に装甲板を追加しましょう。でした。

 あれ?本当にそれでいいの?と一瞬思われると思います。・・・が、理由は次回に。

 みなさん、じっくり考えてみてください。実に合理的な理由です。
 そして、実に品質工学的です。


品質工学の情報と議論

2015-03-24 21:17:55 | 品質工学

 山梨品質工学研究会の熊坂さん(ものづくり革新ナビ:http://www.monodukuri.com//)が『品質工学の情報と議論』というFacebook上での議論の場を開いてくれました。

 私もそのメンバーとしておさそいいただけました。メンバーには、すごい先生、先輩方が大勢いて、これにお誘いいただけたことを大変光栄に思っております。

 やや、低調ぎみな品質工学の社会に大きな一石を投じる活動になると思います。

 積極的に意見を述べていこうと思います。

 

さて、いま読んでいるのが『偉大なる失敗』という本です。大発見をした科学者であっても
その実績の前には勘違いや思い込みによる失敗をしていた、という話ですが、
ダーウィンの『進化論』がなければ、アインシュタインも『一般相対性理論』を導くことが
できなかった可能性があるということを知りました。

19世紀末から20世紀全般の科学の発展には、『進化論』が絶対的に影響をあたえて
いたことを知りました。