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※Order of the Arrow※

2018-02-23 20:51:04 | さとぴょん

今回は、Order of the Arrowについて書いてみました

 日光東照宮の『見ざる、聞かざる、言わざる』の3猿ではないが、その組織で行われる訓練内容や儀式をメンバー以外に話してはならないなどといったさまざまの憶測を呼ぶボーイスカウト米国連盟のORDER OF THE ARROW(略称O・Aと呼ばれる)。

 それは2人のフリーメイソンリーによってつくられた。OAは1915年7月16日にE.アーナー・グッドマンキャロル・エドソンによってはじめられた。会員は全米で約18万人。国内に約400か所のロッジと呼ばれる野営場がある。 Wimachtendienk Wingolauchsik Witahemui=WWW。パソコンのURL記号みたいなものと赤い矢がシンボルだ、米国ボーイスカウト連盟のOrder of the Arrow(矢章)委員会のパッチによく入っている。ネイティブ・アメリカンの一部族であるデラウェア族の使っていたレニ・レナペ語を模している。この3Wの意味は慈悲深い兄弟たち?最近ではロッジをカウンシル(協議会)と表すところが増えてきている。

OAを記す前にボーイスカウトとARROWについて書いておかなければならない。GOLDEN ARROW (アロー=金色の矢)は、1929年に英国のバーケンヘッド・アロー・パークで開かれた第3回世界ジャンボリーの席でB-Pが、「ここに呪いと戦争の斧がある。私はいまからそれをアロー・パークに金色の矢を描いた木の桶に入れて埋める」儀式を行った。

 そしてBーPは、「諸君は友情の呼びかけに応じて世界各国からアロー(パーク)にやってきた。いま故国への旅立ちにあたり平和と善意の旗印、そしてスカウトの兄弟愛を掲げて諸君を見送る。今後平和と友情のシンボルは金の矢(ゴールデン・アロー)とする。この矢を持って人類の兄弟愛を世界に知らしめてほしい。スカウトの正義の矢こそはスカウトが世界兄弟愛のために高く輝かすべきであると」スカウティングの平和の任務のシンボルとして各参加国の代表に手渡された。

 このBーPのゴールデンアローからOAは赤い矢を用いることにした。というのもOAが米国連盟から正式に認められたのは1940年代になってから。それまではネイティブアメリカンの3Wの一つであるWimachtendienkという名称を使用していた。

 OAは、

①ORDEAL(見習い会員)      

②BROTHERHOOD(正会員)    

③ VIGIL HONOR(名誉会員)    

の3段階で構成されている。

 ①ORDEAL(見習い会員)

 参加できるスカウトは1級スカウト以上で、最近2年間に15泊以上(このうち5泊以上の連泊が含まれていることのキャンプを行ったスカウトであること。また隊のスカウトマスター(隊長)と仲間の推薦を得るのが必須条件となっている。このほか21歳以下の指導者も参加できる。

 第一関門の見習いになるため各ロッジ(野営場)で訓練内容が異なるものの基本はスカウトの「ちかい」と「おきて」に基づいた約2週間の野営訓練を受ける。そのなかでは各スカウトが装備品として持参したもののうちナイフ1本で食糧調達から寝床までを賄わなければならない。その期間は1泊~2泊程度ある。この関門にはブッシュクラフト(森林での生活方法)やサバイバル(生存方法)技量がなければとても苦しいと言われる。近くにスタッフはいるが質問には一切、応えてくれないという過酷なものらしい。

 この訓練をパスしたスカウトは、食堂での食事や座学などを受けられる。期間をすべて終了したスカウトだけに参加が許されるキャンプファイヤーの際、ロッジの 責任者から白いフェルト地に赤い矢がついたサッシュと呼ばれるタスキを授与される。

 この儀式はネイティブアメリカンの成人の儀式式とフリーメーソンの昇格式に似ているともいわれる。OAが創設された数年間は、秘密主義などとBSAなどから疑問視の声も上がった。このためこのセレモニーをスカウトの父兄らに公開するようになった。

 ②BROTHERHOOD(正会員)

OAスタッフからさまざまの設問やウッドクラフトに関する技術が習得できているかなどを審査され、ようやく合格で来たスカウトは見習い会員(ORDEAL)となれる。そしてOA見習い会員として10カ月間にわたって原隊でのプログラムを含む地域奉仕活動などを経るのはもちろんのことウッドクラフト技術と「ちかい」、「おきて」に磨きをかけたのちOA委員会の要件を満たしたと認められたうえ新たな儀式で正会員になれる。このOAの要件や設問などについては各資料にも詳細なものが記載されていない。それは各ロッジ(野営場)によって内容が異なるためと推測される。指導者と言えどもOAシステムでは一般スカウトと同じプログラムで行われる。

 ③VIGIL HONOR(名誉会員)

 BROTHERHOODは、原隊でスカウト活動及び地域奉仕を含む見習い会員同様のことを2年間にわたって実践したのち全米矢章協議会メンバー50人から認められたものだけにVIGIL HONOR名誉会員の称号が与えられる。

 OAのタスキは3種類

アーマー博士が始めた当初は、現在のような白地に赤い矢印ではありませんでした。発足当時は黒字に白い矢印でした。OA博物館に寄贈されているそうです。白地に赤の矢印が登場したのは1930年代後半から生地も高級なフェルト地に矢印のアップリケを糊付けしたりしていて剥がれやすいなどから評判はいまちでした。その後、数回の紆余曲折を経て白い木綿の地に赤い刺しゅう糸で縫い付ける方法がとられたそうです。でもVigil Honor のタスキの中央にある三角形のなかの矢印が時計回りだったり反時計回りだったりとばらだったため全米OA協議会が各ロッジやアローメンからアンケートなどをとり80年代になって反時計回りに落ち着きました。布地も高級品はフェルトを使い、一般的なものは木綿地を使っています。

 肝心のこの矢印の意味ですが、文献によって諸説あり、沖縄県連盟がBSAのOAシステムを取り入れた「かがり火」の会が実践している資料によれば、

①   は固い先端を持っている。矢はいかなる苦労にも打ち勝つ「力」である

②   矢はまっすぐで丈夫な矢がらを持っている。すべての矢のようにまっすぐ正しい道に従うための「勇気」を表す

③   矢は、安定して飛ばすための羽を持っている。

それは「名誉」であるーとネイティブアメリカンの儀式がOAシステムに取り入れられているハンドブックを参考にして2007年(平成19年)11月にかがり火の会を設立し、独自の訓練を行っている