Presented by グレープス.com and スズキ美容室.com
and スズキ美容室・訪問サービス.com (長野県飯田市)
◆前回よりの続き・・・
■■■ 解説 ■■■ (byグレープス店長)
日本毛髪科学協会の研究所にお願いした
一日分の抜け毛の分析からの考察の結果を、整理してみます。
① 抜け毛の本数の確認
一日の抜け毛の本数が、正常な状態(およそ100本以下)のものではないことが、
髪の毛の採取の時点で、すでにわかります。
② 毛根の形状の確認
脱毛の原因を探るためのもっとも重要な作業です。
脱毛した髪の毛根の形状を観察することにより、
脱毛の原因が、ヘアサイクルによる正常な生理的現象によるものか、
そうでないものかの切り分けが可能になります。
★「病的な抜け毛」 が多い場合は、速やかに医療機関での診察をお勧めします。
脱毛症の窓口は皮膚科になります。
★「引き抜き毛」 の多さが、今回のケースの特徴です。
③ 抜け毛のキューティクルの観察
キューティクルが、はがれかけて、逆立っている個所が観察できます。
これは、物理的な損傷によるものです。
髪の毛の物理的な損傷は、
ご本人の生活の中で起きたもの(何らかの摩擦や接触により)から、
毎日のヘアスタイリング、あるいは、誤ったヘアケアによっても起こります。
美容室の施術によって引き起こされるものもあります。
◆ふたたび、佐々木京子です。
髪の毛のボリュームが減ってきたことと、毎日の抜け毛の多さから、
わたしの元に相談にみえた知人の脱毛の検査結果をご覧いただきました。
この検査の結果をうけて、
ご本人には、まず、ご自分の脱毛についての検査結果を理解していただき、
その後、時間をかけて、髪の状態の改善に取り組んでいただきました。
わたしが、スタイリストをさせていただき、
ヘアスタイルのこと、お家でのヘアケアについて、アドバイスをさせていただいています。
現在は、ヘアカラーができるほど、髪のコンディションは改善されています。
◆「私が毛髪診断士になった訳」◆
わたしは、今回お話しさせていただいた「このような件」に遭遇して、
美容師として経験してきたことだけでは、深刻な髪の悩みを抱えている方のお役に立つには、
何かが足りないのではないのか・・と気づかされました。
問題解決のためには、まず冷静な状況の分析が必要で、
そのためには知識が必要で、
とくに深刻な問題の解決のためには、
医師をはじめとする関係分野の専門家の先生方の力が不可欠なことを理解しました。
そして、まず美容師としての私ができること、できないことをしっかり把握する。
そのうえで、お客様の力添えになれるアドバイスができるようになる。
そんなことを目標として、毛髪診断士の資格を取得しました。
※ 参考文献 「新・ヘアサイエンス」 編/公益社団法人日本毛髪科学協会 監修/本田光芳
※ 「毛髪観察報告」は、依頼者様の許可を頂き、「公益社団法人日本毛髪科学協会」の了承のもと、
掲載させていただきました。