boban のんびり 株投資日記

備忘録です。ディトレードなどの短期勝負ではないので、日々の変化はあまりありません。

3月米雇用者数は予想下回り13年末以来の小幅増

2015-04-04 | 2015
2015年 04月 4日 01:37 JST ロイター



[ワシントン 3日 ロイター] 米労働省が3日発表した3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が12万6000人増と、市場予想の24万5000人増を大幅に下回り、2013年12月以来の小幅な増加にとどまった。

雇用増の鈍化を受け、最近確認されている景気減速が一時的要因ではなく基調的な要因による恐れがあるとの懸念が高まり、米連邦準備理事会(FRB)が利上げ開始を遅らせる可能性がある。

失業率は前月から横ばいの5.5%。約6年半ぶりの低水準にとどまり、市場予想と一致した。

プランテ・モラン・フィナンシャル・アドバイザーズのジム・ベアード最高投資責任者は「ドル高や原油安の影響が経済に及んでいることは明白だ。企業利益が圧迫されていることが採用の状況に反映されている」と語った。


米雇用者数の伸びは2月まで12カ月連続で20万人を超え、1994年以来の最長記録となっていた。

1、2月分の雇用者数の伸びは前回の発表より計6万9000人下方修正された。

米雇用統計を受け、市場参加者の利上げ開始見通しが後ずれする中、米国債価格は上昇。ドルは主要通貨バスケットに対し下落した。

時間当たり賃金は前月比0.07ドル増の24.86ドル。前年比では2.1%増となった。

労働参加率は62.7%と、前月から0.1%ポイント低下したが、FRBが注視する本人の意に反して職探しをあきらめた人や、正規雇用を望みながらパートタイムで働く人を含めたU6失業率は10.9%と、前月の11%から低下し、約6年半ぶりの水準に改善した。また、27週間以上失業状態となっている長期失業者数も減少した。

平均週間労働時間は34.5時間。前月は34.6時間だった。

民間部門の雇用者数は12万9000人増。前月の26万4000人増から伸びは鈍化した。

業種別では、ドル高や原油安の打撃を受けている財生産の雇用者が1万3000人減と、2013年7月以来の大幅減となった。

建設は1000人減。ドル高や海外での需要減退の影響を被っている製造も1000人減。

鉱業は1万1000人減。原油安を背景とした石油やガス開発・探査事業の減少を反映した。

政府部門は3000人減だった。

建設業の雇用減やレジャー・接客業の雇用の伸びが大幅に鈍化したことを受け、一部アナリストの間からは、天候要因が影響したと指摘する声も聞かれた。

ドイツ銀のG10為替戦略グローバル主任のアラン・ラスキン氏は天候が弱めの統計の一因となった公算が極めて大きいとしつつも、「景気の基調的な失速を示唆する他の指標の内容に沿う結果となった」と述べた。

また、独アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏は、米経済がいまだ、短期的な天候要因や海外からの逆風を克服するための十分な勢いを取り戻していないことが示されたとし、「FRBの利上げ開始をめぐる市場の予想が後ずれし、6月よりも9月を有力視する見方が高まるだろう」と述べた。

★★★

米雇用統計は予想下回る、13年12月以来の小幅増:識者はこうみる

2015年 04月 6日 11:36 JST ロイター


[東京 6日 ロイター] - 米労働省が3日発表した3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が12万6000人増と、市場予想の24万5000人増を大幅に下回り、2013年12月以来の小幅な増加にとどまった。市場関係者の見方は以下のとおり。

●基調判断数カ月必要、9月利上げ観測も後退

<バークレイズ銀行 為替ストラテジスト 門田真一郎氏>

今回の雇用統計は全体的に弱かったものの、部分的に良いところもあった。単月での判断は難しく、来月以降に雇用情勢が改善基調を取り戻すかどうかが重要になる。6月の利上げシナリオはかなり難しくなってきており、市場では9月利上げ観測もやや後退した。

雇用者数は、市場予想を大幅に下振れた。過去2カ月分も下方修正されたほか、労働参加率が低下するなど、全体的に低調な内容だった。一方、賃金の加速や最も網羅的な失業率である「U6失業率」の改善といった前向きな動向も確認された。


雇用統計は、もともとブレの大きい指標でもある。米連邦公開市場委員会(FOMC)は、先行き数カ月の数値を見ながら、こうした弱さがトレンドなのか一時的な事象なのかを判断することになるだろう。

8日には、ドル高基調が一服する契機となった3月FOMCの議事録が公表される。「辛抱強く」の文言削除や政策金利および長期失業率見通しなどをめぐる議論に注目したい。

●中短期債金利上がりにくい

<JPモルガン証券 チーフ債券ストラテジスト 山脇貴史氏>

3月米雇用統計は数字だけを見ると、悪かったという感じだ。単月で過度に悲観視する必要はないものの、いったん悪くなると、しばらく続く傾向もあるので、注意が必要だ。

今回の結果を受けマーケットでは、ダウンサイドリスクとして見る向きが増えそうだ。債券マーケットは、もともと9月利上げを確実に織り込んでいたわけではないので、米債市場が急変するとは思っていないが、利上げのタイミングが遅れる可能性がある点と継続的な利上げができない懸念が増えてきているので、中短期ゾーンの金利は上がりにくくなりそうだ。米債の金利上昇余地はかなり少ない展開とみている。

欧米金利が大きく上がっていかない局面で、円債市場では金利が上昇する場面では、しっかりした押し目買いが入りやすくなったと思われる。金利上昇余地が少なくなってくれば、仮に入札で流れたとしても国内投資家の買いが入ってくるだろう。

4月末ぐらいまでの10年最長期国債利回り(長期金利)のレンジは0.280─0.420%を想定している。

●米景気の回復基調がトーンダウン

<大和証券 ストラテジスト 弘中孝明氏>

米雇用統計が大きく下振れしたことを受け、米景気の回復基調はトーンダウンした。今回はサービス部門のレジャーなど天候要因に左右されやすいところが減少し、悪天候との言い訳はできるが、1、2月分が下方修正されたことを考えると、米景気の回復は想定より緩やかと判断した方がいい。足元の雇用が揺らいできた中で、消費が上向くかどうかが今後の焦点。1─3月期の米GDPは1─2%程度と現時点では考えているが、一部ではマイナスになるのではと心配する声も出ている。

米利上げ時期については10─12月という慎重な見方に変わりはない。FF金利先物のイールドカーブをみると明確に0.25%を上回るのは10月以降となっている。今後もマクロ指標の発表で振れるだろうが、比較的遅めになるとの見方が広がりやすいのではないか。短期的な影響としては株式市場におけるボラティリティの上昇が想定される。

●6月利上げの芽、完全に摘まれた

<みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏>

3月米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が12万6000人増と市場予想を大幅に下回った。インフレ率が上がらず、ドル高懸念が指摘される中、もとより米国が6月に利上げすることは厳しいとみていたが、これで完全に芽が摘まれた。

ただ、米連邦準備理事会(FRB)がコミュニケーションを始めている以上、年内に一度は利上げされるという見方は変わらない。経済指標次第で9月か12月、いずれかの時期になるだろうが、そこまではドル高/円安が続くとみている。

向こう3カ月のドル/円は117─125円を想定している。輸入企業や機関投資家など、本邦のほとんどの主体が安いドルを欲しがっており、下がったところでは押し目買いの好機と捉えやすい。

米国が最初の利上げをしてしまえば、そこでドル高/円安局面は終わってしまう可能性が高い。米国は利上げを何度もできない状況にあるとの見方が多く、日米金融政策の格差という、みんなが分かりやすかった理屈が使いにくくなる。

●日本株への強気変わらず、内需主導の上昇も

<パインブリッジ・インベストメンツ 執行役員グローバル・マルチアセット運用部長 前野達志氏>

もともと二つのシナリオを描いていた。米経済が強く利上げ時期が予想していた時期に来るというシナリオと、米経済がそれほど強くなく利上げ時期が後退し、米金利が上昇せずに円安が進まなくなるというシナリオだ。米雇用統計の結果を受け、後者のシナリオに向かいつつあるようにみえる。

短期的な動きは見えにくい部分があるが、ここのところ日本株は内需主導で上昇する傾向がみられるようになった。米国株が今のレベルで若干下押しする程度であれば、日本株への影響は限定的となるだろう。

また後者のシナリオは前者に比べ、世界的な流動性供給の側面では楽観的になれるところがある。さらに円安が進行しないということは、ドル建ての日経平均にとってはプラスとなる。基本的に日本株に対しては強気の姿勢を維持している。

海外投資家も円高イコール日本株売りという感じであったが、内需株を中心に日本株が上昇していけるということであれば、悲観的に日本株を売ってくることはないと思う。

●景気の回復基調がトーンダウン

<大和証券 ストラテジスト 弘中孝明氏>

米雇用統計が大きく下振れしたことを受け、米景気の回復基調はトーンダウンした。今回はサービス部門のレジャーなど天候要因に左右されやすいところが減少し、悪天候との言い訳はできるが、1、2月分が下方修正されたことを考えると、米景気の回復は想定より緩やかと判断した方がいい。

足元の雇用が揺らいできた中で、消費が上向くかどうかが今後の焦点。1─3月期の米GDPは1─2%程度と現時点では考えているが、一部ではマイナスになるのではと心配する声も出ている。

米利上げ時期については10─12月という慎重な見方に変わりはない。FF金利先物のイールドカーブをみると明確に0.25%を上回るのは10月以降となっている。今後もマクロ指標の発表で振れるだろうが、比較的遅めになるとの見方が広がりやすいのではないか。短期的な影響としては株式市場におけるボラティリティの上昇が想定される。

●米景気回復、過去の延長線上で捉えると見誤るリスク

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

米国の6月利上げを見込んでいた市場参加者の多くが拠り所としていた非農業部門の雇用者数(NFP)が、3月に予想を大幅に下回ったことで、市場のメーンシナリオは9月利上げになった。もしも弱いNFPが続くようであれば、9月説が後退し、利上げは早くて年内との説が浮上してくるだろう。

いずれにせよ、米失業率の低下やNFPの増加を、構造的な変化を考慮せず過去の延長線上で捉えると、景況感の方向性の判断を誤ることになる。

リーマンショック後に米国で増加した雇用は、平均賃金以下の職種から6割近くが生み出されている。これまでは、米国の雇用調整は、正規雇用者、フルタイム雇用を対象として行われていたが、リーマンショック後は正規雇用が増えても低賃金の職種であり、場合によっては非正規雇用者でまかなっている可能性が高い。

米景気回復の程度が緩慢であれば、当然利上げのペースも緩慢に、回数も限られたものになり、さらには利上げ見送りの可能性も出てくる。

為替市場では、利上げ・米金利上昇・ドル高というシナリオが後退し、ドルの上値がさらに重くなるか、下値余地を広げることになるだろう。今後3カ月間のドル/円のコアレンジは117―120円と予想する。