なっちゃん農園たより

ネコじいじが、都会に住む農園主のなっちゃんに、農園たよりと館山の花だよりを送ります。
お花好きな方もコメントどうぞ。

スイセン

2022年12月26日 18時55分30秒 | 花たより

 ヒガンバナ科 スイセン属 スイセン

 地中海沿岸地域原産の多年草、古い時代に日本に入り関東地方以西の本州の海岸沿いで群生が見られます。

 房総では、鋸南町江月で江戸時代から船で切花を江戸に出荷していたそうです。

 地中には球形の鱗茎を持ちます、葉は秋の終わりにのびます。

 葉の長さは20センチから40センチ、幅は1センチ前後です、葉先はとがらずふちは滑らかです。

 葉の中心から30センチほどの花茎が垂直に立ち上がります。

 茎の先は5から6本の花柄が分かれて花がさきます。

 白色の花弁は6枚大きく開きます。花弁の付け根に黄色で杯状の副花冠があり、内部に雄しべと雌しべがあります。

 雌しべの花柱は1本中心にあり、外側に3本の雄しべが見えます、その下部の影にはもう3本の短い雄しべがあります。花はさいても種子はできません。

 「スイセン」は「ニホンスイセン」とよばれる場合もあります。

 中国名の「水仙」をそのまま読んだのが名前の由来だそうです。

 ヨーロッパや日本で、園芸種としていろいろな色や形のスイセンが作られています。

 房総では、日当たりのよい場所でスイセンがさき始めています。

 


ススキ

2022年12月24日 11時44分17秒 | 野草

イネ科のススキです。

 北海道から本州、四国、九州に分布する多年草、平地から山野に広く分布します。

 高さは1メートルから2メートル、地下茎をのばして広がりす。

 株立ちになり数本の細長い茎をのばします。茎の途中の節から細長い葉がのびます。

 葉は鞘が茎を巻き、細長く弓なりにたれます、葉の縁には棘があるので素手で触ると手が切れます。

 茎の先端で細かく枝分かれして穂となり、秋に花が密生してさきます。

 花は「穎」とよばれる2枚のさやが合わさった中に雌しべの柱頭と雄しべがあります。

 今の時期は種子が熟して、花の基部にあった毛が広がっています。

 ススキは風によって受粉する風媒花で、風を使って種子を飛ばして分布を広げます。

 細い葉を意味する「す」の草で「すす草」から「ススキ」とよばれるようになったそうです。

 茅(カヤ)ともよばれ、茎や葉が硬く丈夫なことから茅葺き屋根の材料として使われました。

 ススキの花穂が狐の尾のように見えることから「枯れ尾花」などと歌に読まれることもあります。 

 


ナギ

2022年12月22日 11時59分26秒 | 樹木

マキ科のナギです。

 関東地方南部、伊豆半島以西の本州から四国、九州に分布する常緑の高木で、海岸沿いの温暖な場所に自生します。

 高さは5メートルから15メートル、葉は対生につきます、卵形で先は鋭くはとがりません。

 葉脈は細かく、多数が葉柄から葉先に向かい、太い主脈はありません、ふちは滑らかです。

 雌雄異株、春に枝の途中に黄白色で円柱から球形の雄花が数個づつさきます。

 雌花は雄花と同じような形ですが、1個だけさきます。

 風によって受粉した雌花は、今の時期うすい青紫の実になっています。

 葉の幅はありますが、「マキノキ」と同じ「針葉樹」のなかまです。

 名前は、水田などで見る一年草「コナギ」ににているので「ナギ」の名前が付いたそうです。

 ナギは「凪(なぎ)」に通じるとされ、漁師や船乗りに信仰されてきたので、神社に植えられています。


ツバキ

2022年12月20日 17時29分45秒 | 樹木

ツバキ科のヤブツバキです。

 通称は「椿」学名は「ヤブツバキ」だそうで、「山椿」ともよばれるそうです。

 本州から四国、九州の海岸沿いで温暖な場所で見られる、常緑の小高木です。

 房総半島では「照葉樹林帯」があり、その中や林の縁などに自生しています。

 昭和の始めまで材は工芸品に利用されました。椿の炭は高級品で、灰は染色や日本酒の醸造に使われてそうです。

 種子から採れる油は、灯りの燃料、食用油、刃物油、整髪量に使われました。

 高さは5メートルから15メートルにもなります。幹が1本立ち上がり上部で枝分かれする樹形です。

 葉は互生、先のとがった卵形で厚くて艶があります、縁には細かい鋸歯があります。

 鋸歯は、サザンカより細かいのですが、並べてみないとわかりません。

 これから早春にかけて花がさきます、紅色の花弁は5枚、中心に雄しべ多数が筒型に並んで花糸の下側は筒状に繋がっています。

 雄しべの下側が繋がっているのは「サザンカ」との見分け方で、サザンカは離れています。

 花弁は1枚づつはなれていますが、花が終わると5枚が付いたまま落ちます。これは花弁が1枚づつ落ちる「サザンカ」との見分け方です。

 「ヤブツバキ」は野生椿の基本種で、八重咲きや色物など多数の園芸種が作られています。

 化粧品で有名な「資生堂」を創業した福原有信が館山市生まれであったことと、市内の照葉樹林帯に「ヤブツバキ」が多かったことから、館山市の木とされました。

 福原有信も、ふるさとにさいていた花を思い出して資生堂のマークにしたようです。

 資生堂の椿は「花椿」とよばれるそうです。


ヤツデ

2022年12月18日 14時51分15秒 | 樹木

ウコギ科のヤツデです。

 関東地方以西の本州から四国、九州に分布する常緑の低木です。

 日陰でも育つので、林の中や林の縁などで見られます。また、常緑なので庭園などにも植えられます。

 葉が大きな手のようなので「客を招く」と、縁起をかつぎ玄関に植えられることもあるそうです。

 株から枝分かれせずに茎が立ち上がります、高さは1メートルから3メートル。

 茎の先端に葉が対生または輪生します、長い葉柄を持ち直径30センチほどの円形に葉を広げます。

 葉には8本前後の深い裂け目が入り、手のような形になるので「八手(ヤツデ)」の名前がついたそうです。

 裂けた葉の先端はとがり、縁には鋸歯があります。葉は厚く光沢がある大きな「天狗の団扇」です。

 今の時期は、茎の上にさらに花枝をのばしています、花枝はさらに枝分かれして多数の花が球形に集まった花序をつくります。

 花は長い花柄を持ち、白色の花弁は大きく開き5枚あります、雄しべは5本長くのびます。

 花の中心には大きな花床があり黄白色です、花床には蜜があります、花の少ない時期なので暖かい日は越冬する虫たちがやってきます。

 花床の中心から雌しべ1本が出ます。

 花は、白い小さなつぼみが膨らんで、花弁と雄しべが大きくのびる「雄しべ期」になり、花粉を出し終わると雄しべと花弁は落ちます。

 雄しべが落ちると今度は「雌しべ期」になります、雌しべがのびて先が5本に別れます。

 子房は緑色になり膨らんで果実になります、緑色から紫色、黒紫色と変化するころには中で種子が熟しています。

 雄しべ期が終わって落ちた雄しべと花弁が下側の葉の上にあります。