紺日わん倶楽部

日々の暮らしに彩りを

銀座ギャラリー散歩

2009-05-16 | 茶の湯
今月号(5月)のなごみに東京ギャラリー散歩の特集があります。
今までギャラリーで茶道具を扱う店はちょっと敷居が高くて、いわゆる水屋道具等も置いてある茶道具屋とは違うなんか気難しさがありました。
このところ、お茶会に行く毎に、やれ箱書きやら、お好みやらと千家歴代の家元制度の中で育まれたご立派な器を見せつけられ御道具自慢とばかりの ”茶”に少し疲れておりました。

そこで、もう少し現代に添う、軽き、肩書きのないものはなかろうかと、
折角の機会なのでギンザのギャラリー店を3件はしごしてみました。
一軒目 銀座一穂堂サロン 店内に入る前、入り口から作家物を展示、ところ狭しと現代作家の茶碗、茶入、漆、茶籠、着物、帯に至るまで盛りだくさん。品良く女性の目線で。青木良太さん内田鋼一さんなどの器は、茶道具そのものとして作られたものではないけれども無駄のない洗練された形や肌あいにイマジネーションが駆り立てられ、茶室の空間の中でどんな輝きになるんだろうか、道具の組み合わせは?とわくわくどきどき感が湧き上がりました。まさしくこれぞ茶会を催す醍醐味。

2軒目はギャラリー無境
若々しい店主の塚田晴可さんのご案内で。写真でみるよりもこじんまりとした店内です。
今回は伊藤正さんの作陶展が大半。硬質の表面に丸みをおびた造形の茶碗。無機的な中にも温かさを感じる作風でお値段も5万円位で興味そそられました。
作家さん御本人も22日23日はお見えになるそうです。
暫く、ソファーでお茶とお菓子を頂戴し、塚田さんのこれまでの歩み等を伺っておりましたらもうただでは帰れない。ご本人の本がおもむろに机に置いてあって一冊購入。
サインも頂戴し、お見送りまで。茶人のはしくれですからとおっしゃってなかなかどうして。ご馳走様でした。

最後は阿曾美術。わかりづらい店はやっと人ひとり通ることができるビルの合間を入りエレベーターで5階まで。
店内ひっそり暗い。あれ?お休みかな?とそっとのぞいてみてごらん・・・
「どうぞ」と店主の阿曾一実さん。次回の企画展の準備中。茶室ではお茶のお稽古の真っ只中にもかかわらず「一服いかがですか?」とのお誘い。ビルの一室とは思えない茶室でまさしく市中の閑。御道具がまた好し。水差しは唐津の西岡良弘作(あの小十の息子さん)そろばん型。茶入れは朝鮮の時代物。
お茶のお稽古は裏千家。4ヶ月で6万円らしい。詳しくは分かりませんので直接お尋ねくださいませ。朴訥としたお人柄でなんだか、ほっと和んでしまいました。

今回尋ね歩いて一番感じたことは、どの店主のかたも一期一会の精神で客をもてなす心が感じられたことです。ただその一時の会話や空気を大事に。最後は物じゃなく人と人との交わり。初心に帰りもう少し軽やかな気持ちで茶をとらえてみようか。
次回は日本橋のギャラリーめぐりをしたいと思います。


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