矢車草の咲く道を。

アートで穏やかで豊かな暮らしを。

障害児アートセラピー

2015-12-20 14:16:43 | みんなの美術
放課後等デイサービスの現場で、

アートセラピー【アート療法】

の訪問アトリエの活動をするようになり、少しずつですが…

子どもたちの成長の変化

気づかされることがあります。


この自由創作の作品は、小学高学年のKさんが作りました。半年くらいは「あたし無理!美術だめ!できない!」と拒否反応に近い行動や表情を示してましたが、自由好きなことをして過ごすアートになってから、ちょっとずつ周りの様子を静かに観察したりして、画材に親しめるようになってきました。

そうすると不思議と友達の行動にも関心が向くようになるのか、
「先生、R君がありがとうって手話で言ってたよ!」
と私のところにR君を連れてきて教えてくれました
KさんにもR君にもありがとうって言うとふたりともニコッと笑顔になりました



やりたいことをやる

その姿を見守る

このことを継続していくうちに、自然と子どもたちの中に、

能動的に創作に取り組んでいける力が備わっていくのだと思います。

これは子育て共通する姿勢ですね


この日、初めて最後までいたNさんは
始まる前に私のそばにす~っと近寄ってきてほっぺに😙としてくれました 小さな女の子でおしゃべりはしませんが、あぁ、この子には受け入れられたのかなぁ…てなんかじ~んと暖かくなりました。

粘度のあとは水彩えのぐに興味がいったのか、指につけて触感を楽しんでました。

このアトリエの特徴として、とにかく子どもたちは創作しながらよくしゃべることです。もちろん黙々と取り組む子もいますが、「これはねー、◯◯なんだよ!でねー…」「あ、次は◯◯作ろうかなぁ!これ何?」と、だんだんと
自分の世界に入っていくんですね

これって素敵なことです。子どもには、こんな風に

自分の世界で遊ぶ時間と場所が必要です。

これを繰り返す事で、自己肯定感が高まり、相手のことも尊重できるようになるのだと思います。

先日見た障害者アート展で感じたことにもつながりますが、障害者のQOL生活の質の向上を考えるときに、アート活動必要不可欠なものだと確信します

障害者アート企画展~埼玉県~

2015-12-17 14:02:39 | 美術館へ行こう!
昨日始まった障害者アート企画展

あなたも見つけに

埼玉県立近代美術館に行ってきました



県内の作業所に通所しながらアート創作している人たちの
選りすぐりの作品がたくさんあります。

年齢も10代から70代くらいまで?

どこかで見た作品も何点かありました。 いろんな場所で障害者アートを見ていると、だんだんと名前を覚えたり、作品から作者をイメージする事もあったり、あっ、新作だ!
と興味を持って鑑賞することができて、
なんだか嬉しいです



この美術展は無料で入場できますが、なんかもったいないなぁ~

作家の世界が際立っていて、お腹いっぱいになるくらいのボリューム感

あ、この絵いいなぁ~、欲しいな~ って思った作品もありました。
絵本にできそう‼️って感じたシリーズ作品もありました

アンケートもびっしり書いてしまいましたが、なんで?って不思議に思ったことや、残念に感じた事もいくつかありました

キャプションに、
画材の表記が無い

制作年月日が無い

施設名が無い…

私が知りたがり屋なのかもしれませんが、
これは! 何で描いたの⁉️
こ、これは何を垂らしているの⁉️
この作者は、どういう場所で描いてるの⁉️

…と、頭の中が❓だらけになってしまって… 消化不良気味でしたが、
感覚を総動員して、
自分なりに、あれだな、とイメージしました

でも、見終わって会場を後にしたときに、とっても
しあわせな気分になりました



ひとりひとりの生きてきた、今の自分が、
ギュッ凝縮されている!

見ていてこんなに楽しくてワクワクするほどに面白い❗️って感じるのは、

この人の世界は、この人にしか表現できない

からなんだと、だからアートマッチするんだと思う。
そこは、障害のある無しのレベルではない世界で、
誰もが安心していられる場所。

どんな人だって感じる自由がある。

作品から、その人を知る手がかりをキャッチできる

作品の向こうに人がいる

美術展に行き、作品を見ることは、

人を知る行為なんだと思うのです。

知ろうとする気持ちを、大事にしたいです

【モネ展】~上野~

2015-12-13 14:15:32 | 美術館へ行こう!
昨日、次男が「観たい!」とずーっと言ってた美術展に行ってきました

モネ展。



覚悟はしていましたが、入場するのに
30分待ち‼️

しかし、次男の持っている療育手帳(みどりの手帳)のおかげで、長蛇の列の脇をスルスルと進みフリーパスで入れました。本当にありがたいです

でも、案の定… 目に入ってくるのは
人の後頭部ばかり…

やはり、睡蓮が人気のようです。

私は、晩年の視力の衰えた状態で描いたシリーズがなぜか良いなぁ、と感じました。
色彩・タッチ
生命力の強さみたいなエネルギーを受けます。

息子も、あまりの人の多さにげんなりしてましたが、1枚だけポストカードを選びましたらそれは
【印象・日の出】でした。

娘へのお土産は、パレットパッケージのお菓子🎨

ちょうどおやつタイムだったので、公園内のスタバで珈琲と焼菓子をテイクアウトし、イチョウの樹の下でティータイム



ギンナンの実の香りがたちこめてましたよ~

【ニキ・ド・サンファル展】

2015-12-10 22:03:55 | 美術館へ行こう!


仕事行く前だったけど、重い図録を買いました。

今、六本木・国立新美術館で開催中の

ニキ・ド・サンファル



イメージしていた世界と、違った。

今回初めて目にする作品がたくさんあり、ニキを知る事に近づけた気がした。



ニキは、11歳の頃、父親から虐待を受けていた。
この事を知ったのもつい最近だ。

病院で入院中に絵を描くことを始め、
やがてそれが
射撃絵画 へとつながっていく。

射撃⁉️

あの巨大な女性像のオブジェからは想像もできない、衝撃的な作品‼️

晩年の作品にまで繰り返し現れるモチーフ… ドクロ・蛇・銃・鳥・花

自画像の顔は血を流し、痛々しい…

女性性の強調、
二面性、
消えることのない過去…

それにしても、立体作品やアッサンブラージュ作品のその半端ないヴォリューム感‼️

私の好きな芸術家・ティンゲリーが、ニキの良きパートナーだったということは何だか嬉しい。


あらためて、ニキが今生きていたら
85歳! に驚いてしまう。
何か現代にも通じる、共有できる感情が、目の前の作品に宿っているよう。

私がだからこそ抱くある種の嫌悪感も含めて、苦しさや絶望、美への転換と昇華…

ニキの人生を知るきっかけとなる展覧会でした。

【ペインティングの現在】展

2015-12-09 09:42:02 | 美術館へ行こう!
月曜日に、派遣の仕事(出張アトリエ)で障害者施設のアートクラブに行ってきました。

その時、とっても楽しそうにニコニコしながら無心に絵を描いている参加者の姿を見ていたら、何だか無性に私も絵が描きたくなり、でもその前にいろんな絵が観たいなぁ、って気分になって…

こんな時は、地元川越の美術館にいそいそと出掛けます

あぁ! ちょうど今の気分にぴったりなのが開催中でした!

ペインティングの現在 ~4人の平面作品から~

場所は、川越市立美術館で、今月23日までやっています。



平面
がいい。 今は平面の気持ちが強いから

油絵の具・アクリル・墨・顔料・キャンバス

懐かしい画材たちに囲まれて

今までにない新鮮な気持ちになった。



なんだろう… 不思議な空気感

対面している作品と自分の身体が
一体化するような感覚!

溶け込む?

絵の中に入っていけそう!

油と墨を前にした時の、身体の受ける空気感の違い。

とても心地よくて、いつまでもここにいたいとさえ思ってしまう…。

あぁ、この森の中に吸い込まれそう…

とか、

あ、桜の木の上の風になってる…

とか、

わっ、虫みたいで気持ち悪い⁉︎でも見ちゃう! とかとか…。

なんか、平面身体に与える影響って面白い‼️

この絵の前で踊るとしたら、どんなダンスになるかなぁ?

同じ県内に、しかも年代もそう離れていない作家たちを知ることができて、
とても嬉しくなった。

他の作品も観てみたい!

あっ! 13日にはアーティストトークがありますね‼️