矢車草の咲く道を。

アートで穏やかで豊かな暮らしを。

障がい児と美術〜自由創作〜

2016-08-27 14:23:42 | みんなの美術
障害児デイサービスで、
8月最後の出張アトリエでした



自閉症で聴覚障がいもあるR君。いつものペースで画面を埋めつくすように
数字・文字を書いていきます



歩く事も喋る事もままならないr君。画用紙の上で、クレヨンを転がして偶然にできた模様が面白いです この後はマーカーを両手に持ってカチカチ鳴らしたり転がしたりして喜んでましたね



お久しぶりのKさん。元気いっぱい!
写真撮るよ〜、というと笑顔でポーズしてくれました



ポロポロ大好き乙女なAさん。ずーっと飽きずに触り続けます そんなAさんの顔は穏やかな満面の笑み



両手使いで絵の具と戯れるQくん。扇筆に興味あり! 絵の具を出すときに、
あかー、あおーと言ってたね



しばらくしてS君もやりだしたよ


ぼく、足の裏にも塗っちゃうもん!

くすぐったいようで、気持ちいいんだよね〜


お次は絵を描くぞ!とS君のキャラクターが現れる。 ものすごい集中力と筆圧の強さ‼️


だんだん出来てきたぁー❗️


完成❗️ 実はかなり重ね塗りしてます 秘めたるエネルギーを感じますね

「名前はあるのかな?」と尋ねると、
ミッキー(ウィッキー?)と教えてくれました

彼の中では何度も登場する、大事なキャラクターなんだと思いました。

S君はこの絵に取りかかる直前まで粘土でお気に入りのキャラクターを制作していたのですが、耳の部分が思うようにくっつかずイライラしてグチャッと完成間近の作品を壊してしまったのです。

でも癇癪を起こすこともなく 、次への行動に移って絵を描き始めたのでした。

この1枚の絵の中に、感情を出し切ったのかもしれません。


最後は水彩絵の具
クールダウンしたのでしょうか…


まもなく学校が始まるけれど、

学校がすべてじゃないよ と、子どもたちには伝えたい

学校や家庭以外の場所にも、子どもが自分を安心して出せて、そしてそこには
いいよと丸ごと受け止めてくれる大人がいることを知ってほしい、そんな大人もいるんだって…


体験アトリエ、ありがとうございました♪

2016-08-26 16:01:02 | みんなの美術
T親子様、体験アトリエにお越し下さいましてありがとうございました





K君は小学3年生の笑顔がとっても可愛らしい、工作大好きな男子です!

さすがです。工作系の材料にピピッと反応し、何作ろうかなぁという表情になり…

次々とイメージが湧いてきたようです

作品は、『でーくんとかーくん』と名前をつけたの親子、の立体作品になりました

写真は撮ったのですが、うっかりお母様に掲載許可を確認するのを忘れてしまいました❗️ 残念

木板、粘土、ボンド、ボトルなどを組み合わせて、えさ入れも、ちゃーんと作ってたね!

うーむ、思いやりがみえます

K君の物語が始まりそうですね



お母様とは、お話や臨床美術のデモ体験としてオイルパステルを使ったアナログ表現にチャレンジしていただきました



この作品は私の以前のものですが…
いわゆる抽象画になりますね。具体的な物は描かれていません。
でも、描いていくうちに何かイメージが見えたら、それを生かすように描いたって良いのです そこからその人にしかない感性が育ってゆくのだと私は考えます。

線や点・色のいろんな表情を使いながら、シンプルに美術表現を楽しめる分析をしない美術です

概念を解きほぐすのには最適なんだと思います

臨床美術のアートプログラムには、子どもに人気の工作の要素が強い作品も多数ありますので、順次ご紹介していきたいなぁ〜と準備中です

一人ひとりに合わせたアトリエをベースに、少人数グループの美術教室も月に1〜2回のペースでできたらいいなあ、と思索しております。


体験アトリエは9月からも引き続き実施します。予約をしていただき手ぶらでお越し下さい。


詳細など決まり次第、ブログ・ホームページ・FBでお知らせします📢

http://www.bleuetart.com






プライベート・あとりえ〜aさん08.18〜

2016-08-19 12:41:28 | みんなの美術
今月は2回目のaさんのあとりえ

夏休み中は、午前中の方が調子も良いそうなので10時半からスタートです




絵の具から始まり



糊を混ぜたスライム作りへと…







そ・し・て…





お絵描きへ…


好きなものいっぱい




スヌーピーとさくらんぼ





果物の名前をたくさん言いながら、
季節のフルーツをいっぱい描いたよ❗️
ハサミ使いも上手なの!



もっともっと描きたい〜 という気持ちが、スピードアップさせていきます

障がい児デイサービスに行かない日は、アトリエ好きなお絵描きをして過ごすのも
良いですね

デイサービスは集団で過ごしますが、このアトリエひとりの空間思いきりのびのびと過ごせます


継続していく中で
その子のリズムやペースが見えてきます

どんな画材が好きで、どんな事に興味があるのか…

こんな力が伸びていて育っているなど、1対1で向き合う中でしか見えてこないものがあるのですね

子育てとまったく同じなんだと実感します。



【四國五郎展】〜東松山〜

2016-08-17 10:20:46 | 美術館へ行こう!
終戦記念日が過ぎ、戦争っていったい何だったのだろう… と考え想像する機会が増えていくこの頃。


原爆の図 丸木美術館

を訪ね

『四國五郎展』
を観てきました。



都幾川沿いに建つ
この美術館には、丸木位里・俊夫妻による原爆の図が常設展示されています。

原爆の図を、初めて目の前にした時は、あぁ!地獄だと大変なショックを受けました。その巨大で体を包み込むように迫ってくる作品のに、自分の体までが焼かれるような感覚になり鉛のように重たくなってしまいました…。




四國五郎という画家は初めて知りました。1924年生まれ、20歳で徴兵されシベリアに抑留される。1948年24歳で帰国した際、広島の惨状と弟の被爆死に衝撃を受け、平和への願いを込め絵画制作を始める。


印象的なのは、やはり母子像でした。慈愛に満ちた母子もあれば、殺された子どもを抱く母親もいる。 戦後という時代に画家・四國五郎によって描かれた母子像の意味するもの・存在に、ひとりの人間として人生を賭けて制作し続けていたその生き方に、胸が熱くなりました。


絵画では様々な母子像が残されていますね。マリア様がキリストを抱いている絵…母親が赤ちゃんを抱いている絵…
見ていて幸せな気持ちになる絵もあれば、悲しくて涙が溢れてくる絵もあるのですね。

どんな時代に、誰によって描かれたのか なんだなぁ、と実感
母子像については興味が尽きないなぁ



この美術館には、丸木位里の母親である丸木スマの絵も展示されてます。の助言で70歳から描き始めたそうです! 私、ひと目見て大好きになりました

スマさんが描いた絵、いいな〜 って素直に思えるし、原爆の図を見た後ならなお、ほっとします


ひまわり 丸木スマ

自然と仲良しなスマさん。70歳過ぎて、のびのびとおおらかで自由な絵❗️

ああ、私もそんなおばあさんになれたらなぁ


スマさんに希望と勇気をもらった

四國五郎に、戦争の悲劇を絵画を通して表現し残していく事の想いの大切さを身近に感じ…

丸木位里・俊夫妻の原爆の図から、
人間同士のおぞましい殺し合いに絶句する。


夏は、過去に生きていた人たちに
想いを馳せる そんな過ごし方をする、最近の私の8月

小説や映画・ドラマ、美術作品から戦争を知り考え想像することもできるのです


曽根岡 舞子

【メアリー・カサット展】〜横浜〜

2016-08-14 18:19:04 | 美術館へ行こう!
横浜美術館で開催中の

メアリー・カサット展

に行って参りました。
18歳の次男(知的障がい)と一緒に
夏休みのお出かけです!

チラシを見せた時から行きたい❗️と言っていたし意見も一致したので電車でGOです



みなとみらい駅からすぐなので楽です


メアリー・カサット(1844年〜1926年)は、アメリカ人の印象派の画家です。

カサットが愛し影響を受けた
浮世絵版画も展示されています。葛飾北斎・北川歌麿…

そして、カサット以外では
ドガ・ピサロ・モリゾ…などの当時活躍していた画家の作品も随所に展示されていて、画風などを比較しながら観る楽しさも味わえます


私の1番のお気に入りは、図録にもポストカードにもなっていなくて残念でしたが、初期の作品で女性の肖像画です。
全体的にローズ色がかっていて、なんとも魅力的な印象


『沐浴する女性』 1890-91年 プリンマー・カレッジ蔵

浮世絵風の銅版画です。この銅版画のヴァリエーションがたくさんあり、素敵でした。柔らかく、あたたかみを感じる色あいだったり、モノクロのシンプルな強さだったり…



『赤い胴着の女性と赤ん坊』 1901年頃 ブルックリン美術館蔵

この母親の背中の大きさ、
赤ん坊の表情、
鏡の中の女性の表情…

好きな絵です。
いろんなことを感じる作品。



『家族』 1893年 クライスラー美術館蔵

私の1番好きな絵です。

ラファエロの聖母子像からの影響、
3人の視線の行方、 表情、
背景の道、 タイトル、 色彩、

いろんな想いが交錯しているようにも見えて、とても惹かれます。

この絵を観て私はモーリス・ドニの『塔近くのたそがれ2』
を見た時の事を思い出しました。

ドニは父親として
家族の絵をたくさん描いた画家だけど、
メアリー・カサットは1人の女性として
母親やきょうだい、身近な母子や子どもを描いている。カサット自身は生涯独身で自分の子どもはいないけれども、こんなにもたくさんの母子像や母親の絵を描いていた、ことに
驚きました。



『果実をとろうとする子ども』 1893年 ヴァージニア美術館蔵

息子が1番好きな作品。

父親の反対を押し切ってパリに渡り、女性職業画家として生きることを貫いた彼女の、情熱としなやかな強さを作品から感じます

何か、ふわ〜っとした愛ではなく、
とても深く力強い愛を。

カサットは、母子像の中に自身の母親と自分を見ていたのかなぁ、感じていたのかなぁ、と。女性にとって厳しい時代に、同性にエールを送る意味も込めていたのだと思うのです。


その人の生い立ちも含めて作品を観ると、より一層画家への興味も湧いてきますね

美術館は過去の人と出会い、歴史を知る場にもなるんですね

私にはひとつ気がついたことがありました。
それは、何かが欠けている という感覚。 さて…





美術館を後に、海へ向かいました。



息子、今自分で描いている船の絵と似たような船を見つけ大喜びでした


現在制作中の息子の絵。豪華客船らしいです