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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

バビロン 第10話 『決意』 感想

2020-01-14 13:57:12 | バビロン
うん、これこれ。

原作を読んだ時、あーあ、と思ったところ。

正崎がアレックスからFBI捜査官に任命されて、拳銃の携帯を許可されるところ。

でも、必ず家族のもとへ帰れ、と、大統領から命令されてしまうところ。

要するに曲瀬愛を殺すな、ということなのだけど。

いわゆる「不殺(殺さず)」をアメリカ大統領に命じられる、日本の元公安検事、って、いろいろな意味で象徴的すぎて、笑うに笑えなかった。

こういう命令を発することのできる「父」にあたる存在が、「父」として絶対視される存在が日本の中にはない、ということでもあって。

きっと、同じことを日本の首相や検察のトップから言われても、リアリティがないんだろうなぁ、と。

そもそもアレックスの、自分の頭で熟考するトップ、というのが、考えられないからね。

だからこの物語では、アレックスのカウンターパートとなるのが、齋開化という架空の都市「新域」のトップにならざるを得ない、という。


このあたりは、原作を読んでいて、まぁそうだよな、と思うとともに、ある意味で、超ステレオタイプのG6外交での各国首脳の役割分担に、げんなりしたところでもある。

第3部は、それまであったリアリズムがどこかに消し飛んでしまうくらい、カリカチュア過ぎてツライ。

まぁ、今回の画面もマンガ的過ぎて(いや、まぁ、マンガなんだけど)、結構残念。

物語の重さに、画面が全然追いつけていない。

特に、十戒を教会で司祭と語るところには、なんの荘厳さもないものね。

なんたって司祭のCV、あの「慎重勇者」のセルティウスの人でしょ?

なんかとりあえず凄みのある声あてとけばいいよね、くらいのものでしかなくて。

いやー、全てが軽い。

自殺という重い話をしているのに、第3部に入ってから、全てが軽い。

一番重厚性のある画面が、冒頭のツインエンジンのロゴが出るプロダクション紹介部分、というのはさすがにイタすぎるw

原作や原作者に対して思い入れのある方ではないので、本来なら拘る理由はないのだけど、とはいえ、さすがに、この軽さはないなぁ。

宮崎駿がCVに俳優を抜擢するのも、なんか理解できる。

アニメのCVって、結局、使い捨ての場内アナスンス程度のものなんだな、と思ってしまうから。

結構驚いているのは、それが比較的芸歴のある男性CVでもそうなんだ、というのに、今回気付かされた。

いや、アレックスはいいんだけどね。

正崎も、これはフィクションの主人公だから、でいいのだけど。

でも、それ以外の取り巻きが、皆、軽すぎて。
芝居になっていない。

こんなので、この先に控える陰惨な世界の陰惨さをちゃんと伝えることができるのだろうか?
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